翔SIDE






そんなある日、
俺はテレビ局の屋上へ誘った。



夜景の綺麗なレストランにでも誘おうかと思ったけど、

俺にはそんな時間も余裕もない。



一応、屋上からでも、
夜景には変わりない……、


とか妥協してしまうのは、
すれ違う思いの表れなのか。




冬の夜景は澄んでいるが、
そこに吹く風は冷たくて、どこか痛い。



そんな中でみなみを待つと、
みなみは俺のあげたマフラーをして現れた。



そんな些細なことが今は心の支えだ。





翔「ごめん、こんなとこで。」


みなみ「…ううん、綺麗だね。」


翔「…ああ、綺麗だな。」



ありきたりな会話さえぎこちない。




視線を合わせないままも、
肩に手を置く。




このシチュエーション…、

このまま、プロポーズでもしてしまえば、
分かち合う時間も、愛し合う時間も、
取り戻せるのだろうか。



二人で居る時間は増えるのかもしれない。



でも、もうそれは、

…取り戻せない気がした。








みなみ「…ねぇ、なんか言ってよ…。」



思いにふけっていた俺を
みなみの声が呼ぶ。



ただ困っているように聞こえた声の中には

今にも溢れ出してしまいそうな涙をこらえるみなみがいた。



冬の夜は、全てを暗闇で包む。



でも、俺には分かった。





俺達は同じことを考えている。





このまま抱きしめて、みなみがその涙を隠さずさらけ出したら、
結婚してしまおうか。



……しかし、みなみが俺の胸で泣くことは無かった。





それは、俺が信用できないからでも、
嫌いだからでもない。



たとえ今結婚しても、
みなみは、
俺は、

幸せになれない……。




責任感の強い君は、
俺を幸せにできないなんて、
嫌なんだろう?

俺だって嫌だ。




…俺はなんて優しい彼女を持っているのだろう。

…持っていたのだろう。





大好きな君が、幸せになるために、

俺達は一歩踏み出さなければいけない。








続く★



か・な・し・い!!
最終回はすぐそこです。


これはさくらっぷ内


“夜景の綺麗なとこどっか行って
ありきたりな言葉とかなんか言って
視線合わせないままも肩に手
「なんか言って…」困っていたあなたはただ…”



のとこ!!
これが書きたくてFlashbackに手を出した←


どうですかね、再現できてるかね。