すみれSIDE




突然のキスにちょっと驚く。


すみれ「…ちょっと//」



和也「…ごめんねのチュー。

俺のわがままでこんな雨の日にデートすることになっちゃったから。」



すみれ「…これからは…、

これからはちょっとぐらいのわがまま、言ってもいいよ?
もう、何にも聞かずに怒ったりしないから。


でも、あたしにだけよ?」


和也「お前以外に、俺がわがまま言ったり、甘えたり、ちょっかい出せるやつ、どこにいるっての。」


当たり前でしょ?って顔をしながら、クスクス笑って、
私の頭を撫でる。




すみれ「じゃあ、あたしも、わがまま言っていい?」

和也「ん?」



すみれ「好きって…言って?」


和也「やだ。」


和也は二つ返事でそう答える。


すみれ「なんで?」


和也「めんどくせぇもん。」


ほんとはそんな理由じゃないくせに。

和也がそんな軽々と“好き”とか言いたくないこと、知ってるもん。


でも、今日は、和也との
結婚記念日だから…、

たまには聞きたかったりもする。


ねぇ、和也?覚えてる?
今日が何の日か…。







…………雨がいつの間にか止んでいた。



傘を閉じると、綺麗な虹が町の向こうに掛かっている。





すみれ「虹、綺麗だね…。」


私の口からは、
自然と“あの時”の言葉が出る。


和也「…いや、お前の方が……。」


すみれ「…えっ……。」


私は目頭がじんと熱くなるのを感じる。


和也「…俺と…結婚…してくれて、
ありがとう……。」


和也は、遠くの方を見ながら、ぼそっと呟く。

でも、一言一言を、自分の中で、噛み締めながら…。


和也の手は、私の肩に周り、
そっと、抱き寄せられる。




“あの時”、以上かもしれない…。


こんなに、この人について行きたいって、

そう、思ったのは…。



私からも…………、

想いを込めて。



















すみれ「ありがとう…。」













おわり★