「確か3年前阪神JFを勝った時も、こんな天気だったな」




日経新春杯のパドックで五十嵐調教師と作戦等について話をしていた時の言葉です。


「あの日は、祝福の雨になったけど、今日もそうなればえぇな。
今日で最後やし悔いの残らん様、走らせてやって来てくれ」




そして




騎乗の合図がかかり、プリキュアに跨がってパドックを1周




その時、目に入ったのは、プリキュアの横断幕の多さ



確か7~8枚は、あったと思います。




今までに、これほど1頭に対しての横断幕を見た事がなく



本当にファンの多い馬なんだなと思い、またそう言った馬に乗せて貰った喜びと責任を感じました。




跨がった時


阿部厩務員さんが




「本当にこの馬は、ファンが多いな。
今までほんまに、よぉ頑張ってくれたわ。2、3歳の頃は、やんちゃ娘で手がかかったけど、今となっては、いい思い出や。
結果は、どうであれ無事帰って来てくれ。」

「頼むな」





その言葉を胸に、返し馬に向かいました。






絶対逃げて、京都の3C下り坂から、スパートする。



それが、作戦でした。




普通、京都の下りで脚を使うと最後までもたないとよく言われます。



ですが、今回プリキュアの斤量は、49kg





軽斤量ならその作戦で、切れないけど長く良い脚を使うプリキュアの力を最大限出し切る事が出来るのではないかと考えていました。




悔いの残らないレースをする事

無事に厩務員さんのもとへ帰ってくる事



それだけを思いレースにのぞみました。






スタートからゴールまで、一度も視界に他馬が入らなかったし、後ろから足音も聞こえてこない。




道中ふと思ったのは、なんだか競馬をしていると言うより、プリキュアの最後の走りを御披露目している様な不思議な気分になったのを覚えています。







そして、すごく不器用なガッツポーズ。


ゴール板を通り過ぎた時、自然と左手を上げていました。



今思うと僕は、いっぱい②になっていたのだと思います。


それは、その後のインタビューでもわかって貰えると思います(これについては、また後ほど)




ゴールした瞬間は、すごく嬉しかったです。


でも、それ以上に厩務員さんの笑顔が見れた事と
「ほんまにありがとう」
と、一言言って貰えた瞬間が嬉しかったです。