カメラ・レンズの保管・調湿問題について考えてみました。 | □■□■ おぎさく スタッフブログ ■□■□

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東京荻窪にあるカメラ専門店、カメラのさくらやです。
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5月も半ばとなり、過ごしやすい季節になりました。緑の匂いが心地良く感じます。
出かけるにも撮影にもちょうど良い気候ですが、意外とあっという間に終わってしまうのが残念です…。

 

気がついたらもう紫陽花の蕾がたくさんついていました。梅雨の季節ももう間もなくですね。

 

今回は梅雨の季節を前に、カメラ・レンズの保管・調湿問題について考えてみました。

 

カメラ・レンズの保管に最適な湿度は一般に40%~50%前後前後と言われています。
基本的には調湿可能な防湿庫での保管、またはドライボックスと乾燥剤を使用されている方も多いかと思います。

 

しかしながら、防湿庫に入れていたのに、またはドライボックスに乾燥剤を入れていたのに、
カビが生えてしまっている…なんて事も意外と多いのです。

 

こまめにカメラ・レンズを動かし使う事が一番良いのですが、機材により使用頻度にばらつきが

出てしまう事もよくあります。機材の使用頻度、ドライボックス/防湿庫の開閉はもちろん、

密閉容器で開閉をしない場合でも外気の影響を少なからず受けているため、あまり使っていない機材は

保管庫の中にあっても影響を受けてしまう事があります。

季節によって温度・湿度の変動もありますし、年間を通して湿度コントロールをするのは非常に難しいですね。
 

そこで大切な機材のための第一歩、用品メーカー各社の乾燥・調湿剤の人気商品を比較してみました。

現在、カメラ・レンズ保管用として発売されている商品は2種類に分かれています。

乾燥剤系(シリカゲル、酸化カルシウムなど)と、調湿剤系の商品です。



●King 強力乾燥剤 OZO《オゾ》OZO-Z10(超急速タイプ)/ OZO-S15(即効タイプ)
主な成分は塩化マグネシウム、酸化マグネシウム。シリカゲルの4倍の吸湿率を誇る強力乾燥剤です。
かなり強力な乾燥剤となりますので、湿度が非常に高くなる梅雨時や、とにかく早く湿気を取り除きたいような場合には有効です。

OZO-Z10(超急速タイプ)は約3時間、OZO-S15(即効タイプ)は約24時間で湿度が下がります。
付属の吸湿力調整カバーを付けて乾燥調整が可能です。


●ケンコー 強力乾燥剤 ドライフレッシュ(シートタイプ/スティックタイプ)
成分はB型シリカゲル(持続性シリカゲル)を使用。長く持続する吸湿力のほか、脱臭効果にも優れています。
天日干しにより再生、繰り返し使用が可能ですので、お得感があります。
スティックタイプはコンパクトでカメラバッグなどの隙間にも入れられるので、便利です。


●ハクバ 強力乾燥剤 キングドライ
成分は天然素材の石灰(酸化カルシウム)。丈夫で破れにくいナイロン袋を採用した乾燥剤です。
カメラに最適な湿度40%を保ち、湿度が下がりすぎると吸湿力が下がり、必要以上の吸湿はしません。
乾燥剤の中では一番の人気商品です。


●ハクバ カビストッパー/ジャンボカビストッパー
酸化カルシウムが主成分の強力防カビ・防湿剤のハクバ定番商品です。
防湿、防カビ、防虫効果のある酸化カルシウムの他、活性炭を加えていますので防臭効果もあります。
カメラだけでなく、洋服ダンスなど生活での防湿・防カビにも使えるタイプです。


●足柄製作所 SIGLO カメラ・レンズ保管剤
フィルム缶メーカーによって研究開発された高品質劣化対策保管剤です。
乾燥剤とは違う今までに無いタイプです。乾燥剤ではありません。
保管環境を40%~50%程度に維持、乾燥させ過ぎず、かつ、除湿と加湿を同時に行うというものです。
通常のカメラレンズ用乾燥剤ですと、冬場は逆に乾燥し過ぎてゴム・シリコン部の

劣化の原因になってしまう可能性がありますが、こちらの保管剤はその心配はありません。
カビ防止・乾燥に焦点を当てた乾燥剤と違い、カメラ・レンズの劣化を抑制する考え方のもと、開発された商品です。

※足柄製作所はカメラ・レンズ保管剤の他、フィルム専用の劣化対策剤も発売しています。

経年フィルムの酢酸による劣化、所謂「ビネガーシンドローム」対策として開発された、

「フィルム専用の劣化対策剤」は後日また改めて、ご紹介したいと思います。


★おぎさくオススメの使い方の一例★

保管環境(防湿庫・ドライボックス)、開閉の頻度(頻繁に使う・あまり使わない)、
また季節によって各種製品を使い分けしてみるのはいかがでしょうか。

春から夏は湿度を抑えるための「king、ケンコー、ハクバの各種乾燥剤」
秋から冬は過剰乾燥の予防に「足柄製作所 SIGLO カメラ・レンズ保管剤」

ドライボックスの場合、可能であれば頻繁に使う機材・使わない機材の保管ボックスを分ける。
または、ドライボックスに乾燥剤を入れて、普段使っていないカメラやレンズは、

「SIGLO カメラ・レンズ保管剤」と一緒にジッパー付ビニール袋に入れた状態でドライボックスで保管する。

 


防湿庫を使用している場合は、湿度調整は防湿庫が自動で管理してくれますが、
こちらも開閉による湿度の変化はどうしても避けられません。
ドライボックス同様、普段使っていないカメラやレンズは、「SIGLO カメラ・レンズ保管剤」と一緒に
ジッパー付ビニール袋に入れて保管すると、防湿庫の開閉に影響を受けにくくななります。

カメラバッグの保管には消臭・脱臭効果のある「ケンコー 強力乾燥剤 ドライフレッシュ」
「ハクバ カビストッパー」が良さそうですね。

以上、各種製品いずれも成分や乾燥スピードなどに特長がありますので、ご自身の使用環境に合わせて
色々お試しいただけたらと思います。

くれぐれも乾燥剤の交換忘れには注意してくださいね。

カビや劣化を完全に防ぐのはなかなか難しいですが、少しでもリスクを減らして
大切な機材を守りましょう。