インド15日目 バラナシ | インド亜大陸旅行記

インド15日目 バラナシ


『手で食べるということ』


今日は朝からガンガーで沐浴するための「ルンギー」と呼ばれる、腰布を買いに行くつもりだったが、買い物に付き添うと言っていたラジュ氏(ゴパール氏の弟)の姿が見当たらないので買い物は中止に。昨日と同様、日当たりがよく、気持ちのいい屋上に上がり、ヒンディー語の勉強をした。

昼になると日差しが強くなり勉強をする気が失せてきたので、ガンガーまで出かけ、7Rsで購入したビスケットを食べながらガートを渡り歩いた。
昨日と全く変わりない風景で、変わり映えのしない日常が流れている。客引きたちと世間話をしながら聖なる河、ガンガーを見つめ、ゆっくりとした時間に身を委ねる…この環境が自分自身、インドに求めていたものかもしれない。

その後、同じ宿に泊まっているK氏(宿の客は、僕とK氏の二人しかいない)と一緒に昼食を食べに、ガンガーに程近い食堂へと向かった。
ヴェジターリー(野菜カレー定食)を注文しスプーンで食べようとしたら、K氏が慣れた手つきで手で食べ始めたので、負けずに手で食べることに。
今までにも手で食べようと思ったことはあったが、何となく恥ずかしかったり、一緒に食事したインド人に「無理して手で食べなくてもスプーンがあるではないか!」と言われたりしたのでできなかった。いよいよ本格的なインド式食事の始まりである。
K氏や周りのインド人の手さばきを見ながら手を使うことに果敢に挑戦するが、なかなか難しい。インドのカレーは日本のカレーよりも水っぽくサラサラしているので手ですくいにくい。見るのと実際にやってみるのではかなりのギャップである。
しかし、手で食べることは今までにない感触を味わうことができて楽しい。ご飯を手で触れることはおにぎりなどで体験したことはあるが、カレーを手でこねることは日本文化の中では体験できない。口の中に入れるのとはまた違った、指先から伝わる感触が心地良い。
そんなことを感じながらも一方では、「今までも手で食べてました」と言わんばかりに冷静を装って食事していたので疲れてしまった。もっと手で食べる練習が必要である。

K氏と食堂の前で別れ、再びガートへと戻った。
ぼんやりとガンガーを眺めたり、野良牛たちの行動を観察しながら話し相手を探していたが、客引き達も僕自信が金にならないことを認識したせいか、誰も近づいて来なくなってしまった。仕方なく宿へと戻ることにした。

宿へと向かう途中にあるギリジャガル交差点のチャイ屋でチャイをすすりながら一服していると、ヒンディー語しか話せないオッサン達が興味深げに集まってきたので、さっそくヒンディー語で自己紹介することに。オッサン達は「こいつ、ヒンディー語を話せるぞ」と勘違いしたのか、なにやらいろいろとヒンディー語で話しかけてくるが、理解できるはずもなく、全くもって分からないので、なんとか身振り手振りでコミュニケーションすることに。
しかし、全く英語が通じないコミュニケーションも辛いもので、頭から煙が出そうなほどストレスを感じてきたため、退散することに。現地の人と仲良くなりたいがこれからも苦労しそうである。

宿に戻り、屋上でのんびりと夕日が沈むのを待つ。
空が夕焼けに染まる中、町の至る所から大勢の子ども達が凧上げを楽しんでいる。無数の凧が空を埋め尽くしている光景はとても感動的で、他の都市では見られない風景だ。
実際にゴパール家の少年に凧を借りて飛ばしてみたが、とても操作が難しくすぐに落ちてしまい、凧を行方不明にしてしまった。凧上げにはかなりの技術が必要である。

日も暮れたので夕飯を食べに行き、帰りに落花生を5Rs買って宿へと戻った。
今夜もK氏と楽しく雑談である。
K氏の楽しい旅話を聞いていると、「何で今まで海外旅行しなかったのだろう…」と悔やみ、損しているような気持ちになるが、人は人。自分は自分。これからいろんな国へと出かけ、経験値を上げることができればいいなと強く思った。
まずは、インドだ。