大切なこと
個人的な面識はなかったのですが、子を持つ母としての思い、自分の生きてきた道とは違う業界で働く夫を支える気持ち、そして癌と強く闘う姿に、私も1人の女性として陰ながら共感し、奇跡を信じていました。
この度の小林麻央さんの訃報は、大きく胸を締めつけられ、ご家族の方々のお気持ちを察すると、言葉もありません。心よりお悔やみを申し上げます。
当時、幼かった娘三人を抱えていた私は、数回しか病院に足を運べなかったし、一番辛い痛みと闘う父に対しても、祈ることしか出来なかった。
全力でサポートしたご家族の皆さんが、どれほどの悲しみに打ちひしがれているのかと思うと、想像を絶します。
麻央さんの想いは、今後も大切に受け継いでいかれるでしょうし、今、生きている喜びは何気ない一瞬にたくさん、たくさん、詰まっているのだと改めて教わりました。
一番辛い時間を、自分の使命とばかりに伝え続けた精神力。将来、成長していく子供達に向けての言葉も遺しているのかも…と、思わざるを得ません。私自身、現在進行形ですが、子育てと向き合うたび、
「もしここで自分が倒れてしまったら、身動きが取れなくなってしまったら?」
ということを常に想像します。協力的で愛情豊かな主人が側にいて、いろいろ託すことは可能だと思うけど、自分が伝えたいことは今の段階で、どれだけ子供達に伝わってるのか…いつも自問自答しています。やれることを精一杯やるしかない。それが母としての責務。至らないことはたくさんあっても、自分なりに納得できる育て方をしていきたい。必ず子は自力で生きていく時がくるから、その時に
「元気で行ってらっしゃい!」
と、背中を押して
「よっしゃ。」
と、納得してドアを閉めたいと思っています。
麻央さんは、最期に愛するご主人に
「愛してる…」
と、伝えたと海老蔵さんが語っていました。自分の父が最期を迎える瞬間は、とにかく息も絶え絶え、言葉を発するなんて到底無理だったことを思うと、本当に奇跡だと感じました。みんなが祈った奇跡への気持ちを集めて、麻央さん自身が気持ちを振り絞って、海老蔵さんに贈ったのだと。…涙が止まりませんでした。
悔しくて、悲しくて、切ない気持ちは限りなくあったと思います。溢れる愛情を、世界で一番愛する人に絶対に伝えなきゃ、と心に決めて全うした麻央さん、本当にすごい人だと思いました。
大切なことを形に。
自分もまた、問いかけてみます。