地下鉄の地上区間に乗る。
近場「旅」と言うほどのものでも無いが。
予定の無い休日の昼下がり、「都営まるごときっぷ」を使って、地下鉄に乗ってぶらぶらとしてきた。
別にどこか行きたい場所があったワケじゃあない。
東京の地下鉄には、地上区間を走る部分と言うのが何箇所かあり、それが前から無性に気になっていて、とりわけ中でも、普段から乗ることの少ない三田線と新宿線の地上線に乗ってみたかった。ただ、それだけだ。
まずは勝どきの駅から大江戸線に乗り、森下の駅へ。ここで新宿線に乗り換える。
と、やってきた列車は急行。東京の地下鉄は「急行」と言う列車種別で走っている線も多いが、しかしその大半は地下線内は各駅停車と言うパターン。だが、この新宿線の急行は本当に急行運転で、次々と駅をすっとばして行く。
新宿線には乗ったことは数回あるものの、普通にしか乗ったことがなく、この地下区間で駅を通過して行くと言う感覚はなんとも新鮮。
大島を出て、東大島の手前で列車は地上へと出る。
鉄橋を渡り、川を越えて列車は走る。地上駅の東大島を通過し、次にある同じく地上駅の船堀に停車。せっかくなので一度ここで降りてみる。
船堀の駅近辺は、どことなく下町っぽい雰囲気。そして、駅のすぐ裏手に唐突にタワーが建っている。
「タワーホール船堀」 と言う名のこのタワー。7階まではホールや映画館、レストランなどの商業施設が入っていて、そこからエレベータを乗り換えると最上階のタワーまで上ることが出来る。
展望タワーへのエレベータ乗り場は奥まったところにあり、ちょっと高級感あるゲートをくぐると入口にはお姉さんが立っていて迎えてくれる。更にエレベータ内にもガイド役のお姉さんがいて、建物の案内などしてくれる。何気にちょっと特別気分を味わえるのだが、しかし利用料金は無料。太っ腹だな江戸川区。
タワーからの眺めはなかなかのもの。荒川を挟み、見渡す限りのビル群が並ぶ。夜景ならネオンが綺麗でなお良いかもしれない。
しかし思うのが、やはり東京はビルだらけだなぁ、と言うこと。こういう展望タワーって、田舎へ旅行に行った際などによく上るのだが、その場合は大抵、あたりには田畑がただ広がって遠くに山、と言うパターンの眺望になるのだが、ただただビルの群れと言うのがなんとも都会らしい。
タワーからの風景を楽しんだ後は、再び新宿線に乗る。ついでなので終点の本八幡まで足を伸ばしてみる。
船堀を出た列車は、そのまますぐに地下に潜ってしまい、本八幡までずっと地下線のまま。なので、本八幡駅は終点の駅と言っても別にただの地下鉄の駅と言った感じで面白くもなんとも無い。
駅の近くには商店街がある。それ以外は別段、どうと言うことのない風景。
すぐに折り返し、急行で神保町へ。ここで三田線へと乗り換える。この時驚いたのが、三田線の意外な混雑ぶり。新宿線は行きも帰りも空いていて、特に帰りなど、1車両に数人と言った具合だったのが、この三田線はとりあえず座席が全て埋まる位には人が乗っている。
席が空かないので座るのをあきらめ、せっかくならと先頭車両の運転台後ろにかぶりついて前面展望を眺める。
地下鉄なんて風景が観れないのだから前面展望も何も無い、と思ってしまいがちだが、ずっと観ているとこれが案外と面白い。地下は地下なりの風景の変化と言うのがあるのだ。特に、勾配が意外と多いと言うことに気付く。普通に座って乗っている分には気付かないのだが、前面の風景をずっと観ていると、上り下りがかなり多いと言うことが分かり、これは興味深い事実だった。
さて、神保町を出て20分ほど。志村坂上の駅を過ぎたところで列車は地上へと出て行く。
高架線を列車はずっと走り、眼下には住宅地が延々と広がる。マンションが多く建ち並び、この辺りはさしずめ、都心へのベッドタウンの役割を果たしている、と言ったところだろうか。そして、西台の駅近くには列車車庫があり、高架下に何本もの線路が見える。
先ほどの新宿線のわずか2駅間だけの地上区間と違い、この三田線は志村三丁目から終点の西高島平までずっと地上線なので、かなり乗り応えがある。…まあ、景色は単調と言えば単調なのだが。
そして、地上へ出て約10分ほどで終点の西高島平に到着。
ちゃんと「車止め」があるのがいかにも終着駅っぽい。
外から眺める西高島平駅。典型的な高架駅だ。
せっかくここまで来たので…と思い、あたりを散策してみると、特に何も無い。駅のすぐ近くに大きな道路、その上には首都高速と交通量の激しい場所で、とにかく車の走行音やら何やらがうるさい。ちょっと離れた所に高島平の団地など住宅地があって、その他にはとりわけ何も無いところなんだろうな。
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今日乗った車両達。
新宿線では、京王の6000系と9000系、それに都営の10-000形。
三田線では、東急の5080系に都営の6000形。
地下鉄なんて、走っている車両はどれも同じなイメージがあるけれど、東京の地下鉄の大半は、他社線と乗り入れを行っている関係で、1線に3種類ずつ位の車種が走ってくるのでこれもなかなかに興味深い。
何にしろ、この「都営まるごときっぷ」を使ってのぶらり旅(と言うほど大袈裟なもんじゃないが)、交通費はわずか700円で一日遊ぼうと思えば遊べるので、色々と考えてあちこち行ってみるのも面白いかもしれない。














