水郡線と湊線・新旧気動車乗り較べの旅(4) | キハ王子の旅鉄日記

水郡線と湊線・新旧気動車乗り較べの旅(4)

- 旧型気動車の旅 -


那珂湊の駅から、16時11分発の阿字ヶ浦行き列車に乗る。


と、やって来たのは…。





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やった!! 青いコ(かわいい)キター!!!!! ちゃんと黄色いコ(準急色)もくっついてるよ!!!



早速中へ乗り込む。と、乗客は他にいない。(1両目の準急色の方は何人か乗っている様だが、青いコの方は誰もいない) と言うことはつまり…この青いコを俺独占ってコトでFA?



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この青いコはキハ222と言うらしい。



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車内もなんだか凄いことになっている。ブルーのモケットの固い固定クロスが並び、壁面は薄いグリーン。もうはるか昔の国鉄型車両そのもの。更に床が木。凄い…凄過ぎる。もうレトロってレベルじゃねぇ。準急色(こちらはキハ2000形)の車内も大体同じ。



冷房は付いてない(今の季節ならいらないが)が、窓が開く。窓を開けて自然の風を浴びるとなんとも気持ち良い。草の匂いがたまらない。


そして車内に漂う香り自体がまたたまらない。木の床から蒸した様ないぶした様な独特の匂いがたちこめ、それが気動車特有のエンジンや軽油の匂いとまざりあって…ああっこの香りのハーモニーがたまらないのよ、と独り鼻をくんくんさせる僕。どっからどう見ても変態ですとも。




何より音が凄い。カランカランと乾いたアイドリング音から、低音で唸り始めるエンジン。加速する度に激しく響く轟音。まさに旧式のDMH17Cエンジンならでは。デッキの無い車内にはそれがダイレクトで響き渡るのだから、気動車好きにはもう本当にたまらない。



景色をぼんやり眺め、車内の雰囲気を楽しみ、匂いを楽しみ、音を楽しみ…そうしているうちにあっと言う間に終点の阿字ヶ浦に着いてしまった。那珂湊からわずか15分。湊線はとにかく線が短いのだ。前線乗り通しても30分程度。こんな旧型気動車なら、3時間でも4時間でも乗っていたいのに…。



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阿字ヶ浦駅ホームにて。キハ222は絵になるなぁ。



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こちらは準急色のコ。こちらも素敵。と言うかこれ凄いレアカラーだよなぁ。



なんとも寂れた風情の阿字ヶ浦駅。夏になれば海水浴客で賑わうのだろうが、今の季節は人気も全く無く、本当にわびしい。


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構内には打ち捨てられた一台の旧型気動車。かつては海水浴客の着替え場として使われたとも聞くが…ボロボロに朽ち果てたその姿が本当に痛ましい。



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せっかくなので一枚記念写真。全身ブルーのコーディネイトはこの青いキハ222とペアルック(死語)です。



本当は阿字ヶ浦の駅から海へ出て(徒歩ほんの数分で海)、夕日でも眺めてこようかと思ったのだが、この旧型気動車達にもっと乗りたかったのでこのまま引き返すことに。


帰りは準急色のコに乗って、青いコと乗り比べてみる。準急色のコの方が、アイドリング音が軽めでエンジン音も大人しい感じ。もっともそうは言ってもDMH17Cなので、最近の車両達のとは響きそのものの重々しさが違いますが。




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車窓には夕陽が映る。田園のはるか向こう、赤く染まって行く水平線が美しい。


その光景を眺めながら、僕は一つのことを思い出していた。


あれは、今からもう2年以上も前だ。鹿島鉄道に乗りに行った時のこと。夕刻、キハ601の車内から眺めた、霞ヶ浦に沈む夕日が本当に綺麗だった。


でも、その鹿島鉄道はもういない。今日の旅、常磐線の道中から見た石岡の駅は、鹿島鉄道のホームも線路も完全に撤去され、その痕跡を残すものは何一つ残っていなかった。もう、完全に「過去の存在」となり果ててしまったのだ。


そんなことを思い返しながら眺める夕日。それは美しくも切なく、どこか物悲しくも見えた。



この湊線も、その未来は決して明るいものとは言えないのかもしれない。しかし、茨城交通からひたちなか海浜鉄道として生まれ変わり、また先のケハ600形の整備・公開など、希望もまだまだあると思うのだ。


悲しみを繰り返さない為にも、いつまでもずっと走り続けて欲しいと、そう願わずにはいられない。