2008年7月・熊本旅行(6)
- 阿蘇での一夜・しかしその前にちょっとした事件 -
南阿蘇鉄道のトロッコ列車を満喫し、再び立野の駅へと戻った僕。しかし、ちょっとした事件が待ち受けていた。
南阿蘇鉄道の駅から、JRの駅へと入ると、列車が運休だとかなんだとか駅員氏が言っているのが聞こえる。どういうことだ?と思い尋ねると、阿蘇方面へ向かう列車が車両故障を起こし、ダイヤが乱れているのだとか。熊本方面へ向かう普通列車は遅れの為、先にやって来る特急列車に乗る様に(特急料金は取らない)と乗客達に案内している。
ならば、僕の向かう阿蘇方面はどうなるのか。再び尋ねてみると、車両故障だから列車はいつ来るのか分からないの一点張り。ならばどうすれば良いのかと聞けば、他の交通手段を使うしか無いとアッサリ言われる。
とは言え、こちらは地元の人間じゃあない。他の交通手段と言っても何が走っているのかサッパリ分からない。再び尋ねると、バスがあるとの答え。だが、駅近くにバス停など見当たらない。どこにバス停があるのか聞いてもまるで要領を得ない返答(恐らく把握してないのだろう)。結局、バス会社に電話し尋ねてもらい、国道まで出たところにあるから、あとは国道に出てからまた誰かに聞いて下さいと言った適当な答えが返ってくる。
まあ、仕方が無いのでとりあえず国道まで出て歩いて探してみるも、結局見つからないのだ。思うに、案内が幾らなんでもいい加減過ぎるのだ。
散々歩き回ったところで見つかりそうも無く、駅へと戻り、駅員氏に見つからない旨を言うが、やはり要領を得ない答えしか返ってこず、自分はバス会社の言った通りに案内しただけだと言ったその態度にさすがにキレた。
結構な勢いで文句を浴びせ、更にはバス会社(駅員氏が再び電話をした)にも電話口でクレームを浴びせてしまった。
列車が故障で止まるのは仕方が無い。だが、その後の対応が不味過ぎるだろう。こういった不測の事態に、公共交通機関同士で密に連絡取り合って、代替輸送なり何なり出来なかったら、何の意味も無いんじゃあないか? こういった、いい加減な対応が客離れを招くのだ。ただでさえ、地方ローカル線中心に鉄道離れが激しいと言われる昨今。ならば尚更、こういった事態にきちんと対応出来なくてはいけないだろう。
JR九州は、旅客サービスに力を入れている会社だと思っていたし、実際、この日の朝からそれは何度も実感していた。それだけに、この駅での、この対応はとても残念に思った。
普段は、旅先で何かイヤなことがあっても「旅先だから」と我慢してしまうのだが、それで後になって後悔することも多く、今回は思い切って言いたいことを言ってしまったが、しかしそれもそれでやはり後になって何とも嫌な気分が残った。結局どうするのが一番良かったのか…今でもよく分からない。
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結局、戻ってきた立野の駅で40分かそこら待ったところで列車が来たので、これで阿蘇へと向かう。車両はキハ40。正確に言えばキハ140か。
九州にはキハ40系列をエンジン改造を行ったものが走っていて、これは形式がキハ140(系列)と区別されているらしい。内装は普通のキハ40。固定クロスのセミクロス。そして暑い。昔、真夏に枕崎線でキハ140に乗った時にも思ったのだが、どうも九州のこのキハ40系列は冷房の効きが恐ろしく悪い気がする。
当初の予定よりも遅れて、結局阿蘇の駅に着いたのは18時半くらいかそこらだったか。
ここから歩いてホテルへと向かう。今夜の宿は「阿蘇の司ビラパーク」 。駅から近いかと思い歩いてみたら意外と離れていた…。徒歩で15分くらいか。
「阿蘇の司ビラパーク」はかなり大きな温泉リゾートホテルと言った趣き。
部屋は和洋室。半分が和風の居間の様になっていて、半分がツインベッドの洋寝室。結構広い。こんなところに独りで泊まってイイんだろうか(笑) でもこのホテル、「一人旅応援プラン」と言って、ネットでも独り客の予約を受け付けているので、まあ、イイんだろう。
部屋からは阿蘇の山が見える。洋風の建物が立ち並ぶはるか向こうに阿蘇の頂。なんともリゾートな雰囲気満点だ。
そう言えば独り旅でこんな、「リゾートホテル」に泊まるのは初めてだ。大体、ビジネスホテルか温泉宿のどっちかだからなぁ。
早々に浴衣に着替え、まずは温泉を堪能。さすがに温泉リゾートなだけあって、館内には何ヶ所も大浴場がある。そのうちの2つを楽しんだ。1つには小さいながらも露天風呂があり、他の客が出て行った隙を見計らって独りで湯船に浸かり、旅先の開放感からつい歌など歌ってしまう。旅の疲れが取れ、先程立野の駅での出来事のもやもやした気分だとかも吹っ飛んで行く…。今日はこうして、あとは酒でもガンガン飲んで全て忘れて楽しもう。そう、せっかくの旅行なのだから。
夕食は館内にある、「天空」という居酒屋の様な店に入る。店主(恐らく)のおじさんの、人柄の良さそうな雰囲気につられてぶらりと入る。
メニューはごくごく普通の居酒屋メニューと言った感じのものが大半だったが、さすがに酒どころ熊本。焼酎の種類がたくさんある。おまけになみなみと注いでくれる。ロックで頼むと、氷の入ったグラスと、別に焼酎だけをコップに入れてくれるのだ。東京の居酒屋で飲む焼酎ロックの2倍・いや下手すると3倍くらい注いでくれている。
あれこれとつまみを頼んだ中で、むかご(山芋の芽の様なもの)と、フグの唐揚げが非常に美味かった。そこに米焼酎「鳥飼」。この組み合わせが最高過ぎる。鳥飼の吟醸香と、むかごの野趣溢れる風味とがなぜか良く合うのだ。
独りで飲んでいると、別のテーブルに座っていた見知らぬおじさんが、「一緒に飲もうよ!!」と声をかけてきた。どうやら地元の人らしく、たまたま仕事の用事で来たこのホテルのこの店で一杯やっているとのこと。旅先で独り飲むのが好きな僕だが、こうして全く知らぬ人と飲むのもたまには悪くない。これも旅ならではの縁と言うもの。
おじさんとは何故か話があって意気投合し、2人して散々焼酎を飲んでワイワイとやり、阿蘇での夜はとても楽しいものとなったのだった。







