2008年7月・熊本旅行(5)
- 南阿蘇鉄道のトロッコ列車 -
宮地駅を出て、まず向かったのは「阿蘇神社」。
駅からタクシーでほんの数分。歩いても15分かからないくらいか。まあまあの大きさの神社、だが。思っていたよりも何も無く、あっと言う間に参拝も見学も終わってしまう。
再び駅へと戻り、13時36分発の特急「九州横断特急3号」に乗車。車両はキハ185系。元々は国鉄末期に四国の特急運用に用いる為に造られた車両だが、現在、こうしてJR九州で走っていたりする。
JR四国所属のこの車両はブルー系の大人しいいでたちだが、九州のは全身真っ赤…この南国の真夏の炎天下に見る赤と言うのはかなり強烈な印象だ。
外見も凄いが、中身も凄い。
グリーン系のシートモケットで、全体として落ち着いた印象のインテリアだが、床や荷物棚など、至るところに木材が使われている。今朝乗った「あそ1962」もそうだったし、後日乗った「いさぶろう・しんぺい」「はやとの風」も内装にはウッドが多用されているのだが、これが今のJR九州のトレンドなのか?
阿蘇の雄大な風景を車窓から眺め、14時04分。立野に到着。ここで降りる。と、この駅では数分間の停車時間があるのだが、すると客室乗務員のお姉さんがホームに降り、乗客の記念撮影の手伝いだとかをしている。と言うか、実は駅到着直前にその旨のアナウンスを車内で流している位なのだ。「あそ1962」の様な週末運転の観光列車ならまだしも、毎日運転の単なる特急列車でもこんなサービスを行っているとは…改めてJR九州は凄いと思った。
…ちなみに、せっかくなので記念写真を撮ってもらったのは言うまでも無い(笑)
立野の駅は、南阿蘇鉄道との乗換駅。だが、非常に小さな駅で、荷物を預けるロッカーすら無いのはちと参った。大きなキャリーバッグをかついでトロッコに乗らねばならないとは…・。
南阿蘇鉄道側のホームで待つことしばらく。緑色のディーゼルカーを先頭に列車が入ってくる。このディーゼルカーはトロッコ仕様では無い。恐らく、地元客用の一般型車両なんだろう。(青森の津軽鉄道ストーブ列車もそうだったが、元々の本数が少ない中で観光客向けの特別料金徴収車両を走らせているから、一般客救済の措置としてその編成の中に特別料金不要の車両を連結しているものだと思われる)
逆の先頭側には小さな可愛らしいディーゼル機関車。その後ろに3両トロッコ客車が繋がれている。
予約客・予約無しの客、と言った区分けで乗る車両が分かれている模様。電話で事前申し込みをしていた僕が乗るのは2両目の車両。結構な数の乗客が乗ってきたが、幸いにも荷物を置くだけのスペースは確保できてホッと一安心。
トロッコ列車「ゆうすげ5号」は、14時30分に立野駅を出発。小さなトロッコは、線路からの振動をもろに感じて結構揺れる。
立野を出てすぐ、鉄橋を2つ通過する。この鉄橋がかなり高いところにあり、真下を見下ろすとスリル満点。
しかもご丁寧にも、鉄橋の上で一時停車してくれる。アナウンスで「サービスでうんぬん」と言っているが、高所恐怖症の人にとってはいらぬお世話だろうな(笑)
トロッコ列車は、阿蘇の雄大な自然の中をトコトコと走って行く。トロッコだから当たり前だが、列車に窓なんかは無く、自然の風が心地良い。外の気温はかなりの高さなのだが、列車が走っていれば爽やかな風が入ってきて、涼しく気持ちが良い。
列車の車窓に映るのは、どこまでも続くのどかな田園風景。昔と変わらない、「正しいニッポンの風景」がここにある。青い空、緑の大地。太陽の光と高原の涼やかな風と。ああ…俺はこんな夏が欲しかったんだ!!
阿蘇の山々、清流のせせらぎ、ユニークな駅…。移り変わる風景を爽やかな風と共に楽しむ。
トロッコ列車も色々と乗ったが、この南阿蘇鉄道のトロッコ、そのロケーションの良さもあってかなり乗り応えがある。機関車も客車も小ぶりで、まるでミニチュア列車に乗っているかの様で、それもまた独特の味があって面白い。
15時22分。立野を出て50分ほどで、終点の高森に到着した。
高森の駅は構内に土産物などの売店がある。この南阿蘇鉄道の駅の中ではかなり大きな方だ。また、駅前にはなぜかSLが一台静態保存されている。
高森駅で、戻りの列車の時間までしばしのんびりと時を過ごす。日差しがきつく、何もせずに立っているだけでも汗が出てくる程だが、こんな「熱い」夏を期待してこの九州までやって来たのだから、むしろ願ったり叶ったりだ。
駅の近くの木立で、なにやら小鳥が綺麗な声でさえずっている。今まで聴いたことの無い声だ。高原だから、平地とは全く異なる鳥達もいるのだろう。
遠く離れた地の、ローカル線の終着駅で過ごす一時。何もしない、ただぼんやりと過ごす、そのゆとりのある時間は何とも贅沢なものにも思える。
16時20分の列車で立野へと戻る。車両は、南阿蘇鉄道の一般型車両。MT2000形と言うらしい。
いかにもレールバス、と言った感じの車両だ。車内はセミクロスシートとなっている。
トロッコでの旅を振り返りながらぼんやりしているうちに、立野へと戻ってきていた。立野着は16時46分。トロッコが50分以上かけて走ったところ、この列車はほんの25分ほどで走ってしまった。トロッコ列車は観光目的と言うこともあって、かなりゆっくりと走っているのだろう。
さて。この立野駅から再び豊肥本線に乗り換え、阿蘇方面へと向かうのだが、ここでちょっとした事件が起きてしまうのだった。













