2008年2月・冬の青森旅行(1)
- 出発の刻 ~寝台特急「あけぼの」の一夜 -
2008年2月19日(火)。この日はいよいよ青森への旅に出る日だ。仕事を夕方で上がらせてもらい、一旦マンションへ帰宅。着替えと用意を済ませ、出発する。
今回の旅立ちは上野から。ここから寝台特急「あけぼの」に乗って行くのだ。寝台列車に乗るのは2年半ぶり位か。久々の寝台列車の旅と言うのも凄く楽しみだ。
時間は21時ちょっと前。駅弁に酒、つまみ類を買い込み、ホームで列車の到着を待つ。「あけぼの」の上野出発は21時45分だが、少し早め、21時15分過ぎ位に入線してくるとのこと。
ホームの電光掲示板には「あけぼの 21:45 青森」との表示。
期待に胸が高まる。この、列車を待っている時の高揚感と緊張感が入り混じった気持ちと言うのも、とても良いものだ。
時計に目をやると時刻は21時15分。そろそろだ。そろそろやって来る…。
と、ここでなにやら案内放送が流れる。
「寝台特急あけぼの号は、車両基地での車両故障により、到着が30分ほど遅れます…」
んん?
「寝台特急あけぼの号は、車両基地での車両故障により、到着が30分ほど遅れます」
ええええええええ!!!(゚Д゚;)
…なんと言うことだ。まさか旅が始まって早々いきなりこんなトラブルに見舞われるとは…。これは縁起が悪い。悪過ぎるぞ!! こんなことで今回の旅は果たして大丈夫なのか!?
と、いきなり不安にかられる俺。
30分遅れと言うことは、本来ならちょうど出発する時刻に入線してくるワケで、そこから出発時刻も遅れるだろうし、明日の朝、向こうに到着するのも遅れるとなると列車の乗り継ぎも…。色々と考えれば考えるほど不安になる。
結局。「あけぼの」は21時40分過ぎに入線してきた。今日はなぜかカシオペア牽引機が引いている。
さて、最初に案内があったのよりは早くの入線となり、それはそれで良かったのだが、一つ問題が。入線時刻が40分を回っていたのに、出発時刻は予定通りの45分。…て時間全然無いじゃん!! 写真なんて撮ってる場合じゃねぇぇぇ!!!
と言うワケで、慌てて列車に乗り込む。せっかくのカシオペア機。貴重なシーンだからもっとゆっくり眺めていたかったのに…ハァ。
今回の旅。青森・函館フリー切符を使用している。この切符では、現地までの往復には東北新幹線及び「あけぼぼ」使用可能となっていて、「あけぼの」の場合はB寝台とソロ個室が使える様になっている。僕は当然、ソロ個室をチョイス。
狭い通路の両側に整然と個室への入り口が並ぶソロの車内。もう5年も前だろうか。九州へ向かう「なは」に乗ったことがあるのだが、それのソロ個室とよく似ている。
部屋へと入る。今日の部屋は、車端部の2階部屋だ。
…って、狭っ!!!!!
狭い…これは狭いぞ!!
「なは」のソロも相当に狭かった記憶があるが、これはそれより更に狭い気がする。それになんだか、「なは」のよりもちょっと貧相だ。造りはほぼ似た様な感じなのだが、照明だとか窓枠だとか、そんな細かい部分の造作が簡略化されている様に思える。
まあ、「狭い狭い」と文句を言っていても仕方が無いので、とりあえず部屋に入る。しかしこれだけ狭いと、どこにどうやって荷物を置いて、自分の居場所をどう確保するか…それを考えるだけでも一苦労だ(笑)
まあ何とか荷物を仕舞いこみ、早々に浴衣へ着替えたところで車掌がやって来たので改札を済ませる。そしてやること全て終えれば、もう後はお待ちかね!! 寝台列車の楽しみと言えばコレの酒タイム!!!
酒は日本酒。前日にあらかじめ某デパートで買っておいたもの。言うまでもなく純米酒。と言うか純米大吟醸。「磨き三割九分」とある。吟醸酒独特の香り高く、それでいて吟醸酒にありがちな香り一辺倒で味が貧相になってしまっていることは決して無く、米由来のしっかりとした旨味とコクがあり、なかなか…と言うか非常に良い酒だ。
駅弁は、「北海味メッセ」。1700円もした(笑) が、さすがにその値段だけあってかなりの豪華版。ウニやカニを載せたご飯を中心に様々な海の幸が散りばめられている。個人的には「かすべ」の唐揚げが入っていたことに感動。この「かすべ」と言うのはエイに近い種類の魚で、以前、仙台の「伊達路」と言う料理屋でその唐揚げを食べたことがあるのだが、その美味さには感嘆すら覚えた記憶がある。コリコリとした軟骨の歯ざわりと、身の部分のホクホクした感触と、その味のコントラストがたまらないのだ。この弁当のかすべ唐揚げは、「伊達路」のそれとは違い、当然冷めてしまっているから味は比べ様も無いが、それでもやはり美味いことに変わりは無かった。
弁当をつまみに日本酒をちびりと飲り、その後はビールに切り替えて飲み続ける。寝台列車の個室で独り飲む酒と言うのは本当にいいものだ。そして、この寝台で独り過ごす時間と言うのは、独特でなんとも言えない。夜の車窓を眺めながら独りぼんやりと物思いにふける。そんな時間がたまらなく好きだ。
もうこの頃には、部屋の狭さも全く気にならなくなっていた。むしろこの限られた空間が心地良くすら感じられる。…酔っ払ってどうでも良くなってきただけかもしれませんが(笑)
散々飲んで、寝たのは1時近かっただろうか。
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翌朝、目を覚ますともう秋田県内に入っていた。一面は真っ白な雪景色。
そしてとにかく寒い。寝る前に部屋の暖房を切っていたのだが、そのせいか外の外気が直に伝わってきてとにかく冷える。慌てて暖房を入れ、朝食代わりに買っておいた菓子パンをほおばる。
秋田駅近辺では、曇天の寒空の中、雪が降りしきっていた。列車は東能代、大館と進んでいく。青森県に入る頃にはもう雪はすっかり止み、綺麗な晴れ間が広がってきた。
9時17分。弘前に到着。「あけぼの」とはここでお別れだ。
そしていよいよ、今回の青森旅行。本当の意味でのスタートだ!!







