2008年2月・おもいで号で行く鳴子温泉(3) | キハ王子の旅鉄日記

2008年2月・おもいで号で行く鳴子温泉(3)

鳴子温泉では、地元の観光協会の人達のお出迎え。


ホームで、どぶろくやこんにゃくのおでんが振舞われる。どぶろくは、口に含むと米の粒をしっかりと感じ、酸味とちょっと炭酸の様な刺激があって、普通の日本酒とはまた違った野趣あふるる味わいが何とも言えない。こんにゃくのおでんはよく味が染みてて美味い。そして何より、吹雪の寒いホームに降り立ったところへこの温かいご馳走は本当にありがたい。



駅を出て、本日の昼食兼休憩所となる旅館「ますや」へと向かう。駅から送迎バスもあるとのことだったが、歩いても3分くらいと言われたので歩いてみる。せっかくの見知らぬ土地。どうせなら自分の足で歩いてみた方が面白いに決まってる。






…ごめん素直にバス乗れば良かった(涙)




いやこの猛烈な吹雪(ちょっと大げさか)の中、歩くのはとにかく寒くてツライのよコレが。幾ら防寒対策をきちんとしてきたとは言え、風と雪とが体中に打ちつけ、芯から凍えてくる…うぅ寒い。



そんな極寒の中を歩き続け(て5分も歩いてないが)、なんとか無事に宿に到着。


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なかなか大きな、立派な宿だ。


中へ入り、宴会場へと案内される。そこには「おもいで号復活記念運転…」との幕が。


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しかしこういうの見ると、つくづくこれは「団体旅行」なんだなぁと感じる。普段独り旅しかしない僕にとってはなかなか新鮮だ。(と言っても実質今日も独り旅なのだが)



席に着き、早速お昼ご飯が運ばれてくる。


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…ってお昼ご飯ってレベルじゃねぇ!!!(゚Д゚)




なかなか…と言うかかなり豪勢で内容豊かな食事が出てきちゃったぞオイ!!


食前酒に幾つもの小皿、刺身に煮物に鍋に炊き込みご飯まで…これはもう、そこそこのランクの旅館で供される夕食メニューとなんら変わらない。




こんな美味そうなもん運ばれてきたらもう…飲むしかないじゃないかチクショウ!!!




と言うワケで、真っ昼間から日本酒を注文。


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出てきたのは、「一ノ蔵」の生酒。「生酒」(火入れによる殺菌等の加工をしていない、出来上がったままの味わいを楽しめる酒)とはなかなかに粋なチョイス。うんうん。



…ん? 待てよこの酒…瓶に「本醸造」とある…と言うことは…もしや!!




原材料にはしっかりと「醸造アルコール」の文字。




…むぅぅ…なんと言うことだ!! 純米酒を置いて無いと言うのかこの宿は!!! 


ええいけしからん!!!





女将を呼べい!!!(by美食○楽部の中の人)





…なんて無粋なコトは申しませんとも。ええ。旅先なんで大人しく飲みますよハイ。でも願わくばやっぱり純米酒が飲みたかったなぁ。



さて。独り日本酒をちびちび飲りつつ、料理に舌鼓を打っていると、隣に座っていた人が話しかけてきた。どうやらその御仁、「鉄」な上に鉄道関係者らしく、色々と話を聞かせてもらう。ダイヤグラムの組み方だとか、なかなかマニアックな話が聞けて興味深かった。


が、話をしながら酒をどんどん注がれるので少々飲み過ぎてしまい、昼間っからかなり酔っ払う(笑) まあ酒勧めてくれるのは嬉しいから別に構わないのだけど。



食後、せっかくの温泉宿なので一っ風呂浴びる。飲酒後の入浴は良くないとか言うけどそんなの関係ねぇ!! と言うかこの日の参加者の大半が飲んでから温泉入ってなかったか…。


雪を見ながらの露天風呂(宿の最上階が展望露天風呂になっている)と言うのもなかなか風情があって良い。



風呂を出た後は、館内の喫茶室でコーヒーを飲みつつ独りのんびりと過ごす。


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外は雪の降りしきる中、それを眺めながら何もせずにただのんびり…。あくせくとあちこちを見て回るので無く、ただゆったりと時を過ごす。こんな旅もたまには悪くない。



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15時頃、宿を出て駅へと戻る。15時26分、「おもいで」号は再び僕らを乗せて、仙台へ向けて出発する。


帰りの車中、僕は独り缶ビールを開けて乾杯。今まではキハ58を含む旧型気動車の車内では飲まない様にしていたのだが、今日は別だ。せっかくのキハ58「復活祭」。精一杯祝ってやりたい。まあ飲みたい口実にしてるだけですが。


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まあ何にせよ、憧れの車両で飲むビールはやはり格別。



帰り道も、幾つかの駅で停車し、その都度やはり何人か「鉄」が降りて写真を撮る。「北浦」と言う駅ではかなりの時間の停車をし、ここではさすがに「鉄」だけじゃなく、普通の観光客風の人達も降りて写真を撮っていた。


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そしてここではちょっとしたサービス。

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前面や側面の種別・行き先表示がくるくると変わり、「快速」になったり「急行」になったり。「急行」はもう、今となっては列車種別自体が絶滅寸前なワケで、これは泣ける。


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帰りの車中、ふと車内放送がかかる。


「本日は、東京からお越し頂いたキハ58のファンの方がおられますので、その方の為にもここで、車両の説明などさせて頂きたいと思います」との前振りがあって、キハ58・28の歴史などが語られる。




って、んん?? 



…東京から来たファンって…おいソレって俺じゃねぇか!!! 


思わぬ展開にまたもや涙腺が熱くなる。




更にそのしばらく後。


車掌氏が僕の元へとやってくる。



車掌氏「東京から来て、アンケート書いて頂いた方ですよね?」

僕「あ…はい…そうです。あ、先程の車内放送、ありがとうございました」
車掌氏「ああいった意見、私どもも非常に励みになります。…ありがとうございます!!」

僕「あ…いや…そんな…(汗)」



一呼吸置き、


車掌氏「これからも…キハ58…可愛がってあげて下さい!!」


僕「…また乗りに来ます!!!(涙)」




もう俺号泣。涙ボロボロ。





あんな拙い文章で、汚い字で書きなぐったのに、それでも僕のキハ58に対する熱い思いは通じたらしい。そして何より、その思いに応えてくれる人がJR内にいると言うのがとても嬉しかった。この車掌氏もきっと、このキハ58と言う古ぼけた車両が好きなんだろう。それがひしひしと伝わってきた。




17時5分。「おもいで」号は仙台へと戻ってきた。たくさんの「おもいで」を人々の胸に刻んで。


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キハ58。いつか…そう遠くない未来にキミは消えてしまうかもしれないけど、でもその日まで。僕はずっとキミの姿を追い続けるよ。キミの全てを忘れたくないから。キミの全てを僕の中に残しておきたいから。