2008年冬・秋田の旅(7)
- 旅の終わりに -
羽立の駅から男鹿線の列車に乗る。
やって来たのはキハ40(系列)。だが、先ほど男鹿まで乗ったのとは違い、クロスシートなのがありがたい。
秋田までは乗っていかずに、途中、「上二田」と言う駅で降りる。ここから徒歩15分ほどのところにある、「天王スカイタワー」というところへ行ってみようと思うのだ。旅の最後に、高いタワーに上って、秋田の全景をこの目に納めておくと言うのもなかなか悪くない。
…と思い、駅を降りたはいいのだが。
道がサッパリ分からねぇ!!!(゚Д゚)
更に悪いことにこの上二田の駅、純然たる無人駅で辺りに何も無く、地図も設置されてなければ駅員もおらず、近くに交番があるワケでもないので誰にも道を聞けない。
仕方なしに、勘で適当に歩き始めてみたはいいが…雪が深過ぎて歩けねぇ!!!
と言うワケで、10分ほど辺りを歩いてみたものの諦めて駅へ戻る。次の列車が来るまで約40分ほど。その間はただただ待つしかない。
ホーム真ん中に小さな待合室があるだけの、田舎の小さな小さな無人駅。
ああなんでこんなところで降りてしまったのか…今にして思えば、その手前の「二田」の駅ならば駅前にタクシー停まっていたから、そっちで降りてタクシー捕まえて行くべきだった…ああ!!
待合室に入ってみても暖房が付いているワケでもなく、風こそしのげるものの寒くてたまらない。先ほど雪道を歩いたせいか、とにかく足元が冷たく、そこから体中に寒さが染み渡ってくる。
いつの間にか空が再び曇り出し、吹雪になって寒さにもう体が限界になった頃、ようやく列車がやって来た。
ああっ…キハ40の姿が神々しくすら見える!! 来てくれてありがとう!! さっき「キハ40なんて嫌いだ」とか言ったの全部取り消すから。大好きだよキハ40!!!
こうして、秋田に着いたのは16時56分。もうすっかり日も暮れてしまった。
さて。あとは新幹線で東京へ戻るだけだが、新幹線は最終19時06分のチケットを取ってある。まだ時間はある。
となれば、やるべきことは一つ。
最後にもう一度、「よねしろ」キハ58のその姿をこの目に焼き付けておきたい。
と言うことで、秋田駅3番線のホームへ行き、キハ58の到着を待つ。
昨日と同じ、17時59分に彼はやって来た。
そして今日も、1号車がキハ58-23、3号車がパノラミックウィンドウ車の組み合わせだ。
どちらも本当にいい、素晴らしい「顔」をしている。年季の入ったその表情からは「名車」の貫禄がにじみ出ている。でも、もうこの姿が見られるのもあとわずか。3月で引退することが決まっている。本当に、本当にこのまま居なくなってしまうのか…。
別れを惜しむかの様に、僕はその周りを何度も何度も巡り、その姿をカメラに、この目にしっかりと納める。
そして18時10分。別れの時は来た。
ホームからゆっくりと出発するキハ58。その姿をずっと黙って見送る。彼の姿がホームから完全に消えた時、僕は目に熱いものがこみあげてくるのをもう抑えられなかった。
いやだ!! 別れたくない!!
どんな形でも…どんな形でもいいから…。例えこの地でなく、どこか遠くの地へ行ってしまってもいい。それが海の向こうでも構わない。もう走ることは適わない、ただの展示物と化してしまってもいい。
だから…お願いだ…。この世から消えて無くならないで…!! どんな形でもいいから、生き延びて…!!
僕はそう、心の中でずっと叫んでいた。
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今回の旅、最後の最後でちょっとしんみり。
しかし思えば、たった2日間の行程ながら、物凄く「濃い」内容の旅だったと、我ながらそう思う。
萌えあり笑いあり、美味あり酒あり、そして涙もあり…。
そんな全てを思い出しながら、〆はやはりこれ!!
帰りの列車の中で繰り広げられる、(独り)大宴会!!!
駅弁に、秋田の日本酒に、そして秋田名産ハタハタの唐揚げ。酒の酔いをゆっくりと楽しみながら、旅を振り返る…。
色々あったけど、良い旅が出来たなあ。




