2008年冬・秋田の旅(6)
- 男鹿半島を巡る -
キハ58に別れを告げ、ここからは男鹿線で男鹿半島へ。
僕が乗るのは11時16分発の男鹿行き普通列車。到着までしばらく時間があるので、ホームで行き交う列車達を見ながら過ごす。
ところで、一つ気付いたのが、この秋田駅の車両到着の案内放送。やって来るのが弘前方面の701系普通列車など「電車」の場合は「まもなく○番線に"電車"が参ります」と案内され、男鹿線や昨日のキハ58など「気動車」の場合は「まもなく○番線に"列車"が参ります」と、きちんと分けた放送がされるのだ。
これはなかなか興味深い。まあ、出来れば気動車の場合、「列車」では無くきちんと「気動車」或いは「ディーゼル」と言って欲しかったなぁ、とか、もし気動車の場合も「電車」と案内されたらクレーム入れてやろう、とか色々くだらんコトを考えてもみたり。
そうするうちに、ホームに男鹿線の列車が入ってくる。車両はキハ40(系列)。
いわゆる「国鉄型気動車」の中でも、キハ40は数も多く、全国あちこちを走っていて、正直あまり珍しさもありがたみも無い。だから、あまり好きな車両では無かったのだが、しかし最近、ちょっとづつ好きになってきた。さすがに「国鉄形」だけあって、最近のキハ110だとかキハE130だとかに較べれば重厚感があり、これはこれでなかなかに立派な、良い顔立ちをしている。うん。良い車両だよキハ40。
…と思いきや。
このキハ40、内装がオールロングシート!!!(゚Д゚)
…やっぱりキハ40なんて嫌いだ!!
しかしロングシートなのは参った。と言うのも、キハ58の旅を無事終えられたことを祝って、男鹿線車内で独り乾杯!!でもしようと、先ほど売店でビールを買ってきてしまったのだ。
原材料にあきたこまちを使用した、その名も「あきたこまちラガー」。
う~む…まさかロングシートの車内で堂々と酒飲むワケにもいかないし…でもやっぱり飲みたいし…。
ええい背に腹は変えられん!! 飲んじゃえ!!!
と言うワケで、真っ昼間からロングシートの車内でビール飲んでた行儀悪いのは俺です。本当にすみません(爆)
雪景色を眺めながら独りビール飲みつついい気分になり、秋田を出て約1時間。12時14分に終点の男鹿に到着。
駅を降りると寒い。とにかく寒い。着いた時はたまたま晴れ間が挿していたが、この日の秋田の天気は変わりやすく、この後すぐに空が曇り、吹雪き出すことに…。
時間はお昼時。とりあえず昼飯を食べに行く。男鹿駅からタクシーでほんの数分のところにある、男鹿海鮮市場 へ。
観光客向けの市場施設と言った感じだが、この中に「海鮮屋」と言う食堂が入っているので行ってみる。
メニューを見ると、海鮮丼などが色々とあったが、それよりも鍋定食に引かれる。何しろ外は寒い。暖かいものを食べて身も心も温かくなりたい。
鍋は「タラ鍋」「あんこう鍋」…ここまでは分かる。しかしもう一つ、見慣れない「ごんこ鍋」なるものがあったので、それを注文。
鍋にご飯に刺身に切干大根の煮物が付いて、これで700円。非常に安い。
さて、肝心のごんこ鍋だが、味噌仕立てにしてある。その中にごんこと言う魚のぶつ切りが入っているのだが、これが非常に変わっている。口に入れると、普通の魚とは明らかに異なる独特の食感。いわゆる「白身」「赤身」と言った魚の肉ではなく、全てがゼラチン質なのだ。皮はクニュクニュ、身はプルプル。骨も軟骨なので丸ごと食べられる。普通の魚と全く違う食味なので、好き嫌いは分かれると思うが、僕はとても気に入った。味噌仕立てのスープと非常に良く合い、体も暖まる。身の他に肝も入っていて、これがまた濃厚で美味しい。
ついでに追加注文で、タラ白子の天ぷらも頼む。これがアツアツでとろけて、塩で食べるとまた美味いのだ。ビールによく合うだろう(飲まなかったが)。
この「海鮮屋」。値段は安いが(但し海鮮丼系はやや高めだったが)ボリュームもあって味も良い。男鹿駅近辺で食事の際は非常にオススメな店だと思う。
昼食の後、少し市場内を覗いてみる。と、先ほど食べた「ごんこ」が丸ごとの姿で売られていた。
…が、コイツ…かなりグロテスクだ。
だってこんな魚 。
食べる前に姿見なくて正解だったな。て言うかこの姿見たら注文する気にならなかったかも(笑)
この後、タクシーを呼んでもらい、そのまま「なまはげ館」 へと向かう。
秋田、それも男鹿と言えば有名なのはやはり「なまはげ」。せっかく来たからには、これだけは押えておかなくてはいけないだろう。
と、タクシーの運転手さん。僕が「なまはげ館」に行きたい旨を話すと、少しため息をつきながら「なまはげも有名になっちゃったからね…」と苦笑い。これは当然、ちょっと前にあったこの事件 。なまはげが酔った勢いで(?)女湯へ乱入しちゃったとか言うアレだ。
そう言えば、昨晩飲んだ鹿角花輪の居酒屋でも、イケメンの店員さんが苦笑いしながらこの件の話とかしてたなぁ。やはりこの事件、秋田の人にとって少なからずショッキングな出来事だったんだろう。なまはげは秋田を代表する風物の一つなワケだし。
タクシーはどんどん山の中へと入っていく。運転手さんが色々と話しかけてくれるのだが、なにぶん訛りが酷く、2割くらい聞き取れない(笑) そして、20分ほどで「なまはげ館」に到着。
運転手さんに「帰りはどうするのか?」と聞かれ、またタクシーを呼んで帰る旨を伝えると、「じゃあ待っているよ」とありがたい申し出。好意に甘えることにする。
「なまはげ館」は近代的で綺麗な建物の中で、なまはげにまつわる色々な展示を行っている。スライド上映なんかも行われ、なまはげの風習や伝承などが色々と分かる様になっている。
そんな展示を眺めていると、なぜかさっきのタクシー運転手さんが館内へ入ってきた。そしてガイドに早代わり(?) 色々と展示の説明だとかをしてくれる。
さて、館内の一角には「なまはげ変身コーナー」と言うのがあり、なまはげの衣装やら仮面をつけてなまはげになり切って記念撮影だとか出来る様になっている。僕は元来、こういったことはやらない(独り旅でやるのもアレだし)のだが、運転手さんが「写真撮ってやるよ」としきりに奨めてきて、半ばムリヤリなまはげにされた。
あ。別に顔見えてるワケじゃ無いから目線隠す必要無いんだっけ(爆)
「なまはげ館」の隣には、「男鹿真山伝承館」と言う建物がある。こちらは、なまはげの実演を観られる施設で、冬季は団体の予約があった時のみやっているのだが、この日、たまたま団体客が入り、僕も一緒に観せてもらうことが出来た。非常にラッキー。ツイている。
木造の古い建物の中で繰り広げられる「なまはげ」の儀式(観光客向けに面白くアレンジされてはいたが)は大迫力。しかし実際に、秋田のこの地方では、このなまはげの儀式が大晦日の晩に行われているのだ。それも別に珍しくも何とも無い普通のことらしく、そう言えば件のタクシーの運転手さんも、ほぼ毎年なまはげに扮している様なことを言っていた。
なまはげをたっぷりと堪能し、タクシーで再び駅へ戻る。男鹿線の終点一歩手前の、「羽立」と言う駅で降ろしてもらう。
運転手さんにお礼と別れを言い、そして今回のこの旅も、いよいよラストスパートだ!!










