立山~剱岳day3 。~剱岳登頂~ | dRUNker by ogi

立山~剱岳day3 。~剱岳登頂~

前日のあきらめムードから一転!

朝起きると、予想に反して雨が上がっている




実は前日の夜、剱は断念しようという意見が強かった。

個人的には、「剱に向かいながら判断しよう」と発言するも、、、
猛反発をくらい、「一服剱までにしておこう」となだめられていた。

しかし、朝起きると全てのパーティが準備を始めている。

「これはいける!」一気に気分が盛り上がる。


ガイドツアーのパーティが始めに出発。

遅れまいと、我々も急いで準備をして、いざ出発。

前日に雄山で会ったオヤジと、マムートのメットとハーネスを付けた40代後半の単独行の男性と5人で後を追う。

急な岩場を登っていき尾根道にでる。


一服剱を超え、前剱へ。





すでに鎖場をいくつも越える。

剱の難所といえば、「カニのタテバイ」「カニのヨコバイ」が有名だが、そこにたどり着かずして、すでにコワい。。。

なんとか前剱に到着。
やばい。日の光もうっすら射し、
久しぶりに綺麗な景色を見ることができた。

降り続いた雨の中を歩いたせいか、1ヶ月ぶりに太陽の光を見たような気分。





そこで、ついに剱岳を間近で確認!
うっすらと霧が頂上をおおっている。





やっとここまできた。
凄い存在感。
一筋縄では登らせないという雰囲気を醸し出している、何とも近寄りがたい山だ。





平蔵の頭とからコルへくだり突き進むといよいよ、剱の壁が目前に迫って来る。

岩にペンキで書いてある矢印に従って奥へ進んで行く。





と、突然矢印が上を向く。
カニのタテバイだ。







三点確保で慎重に登って行く。





鎖も使って、絶対に手足を滑らせないよう確かめながらほぼ直角に上へと登って行く↑


なんとか登りきる。

途中、力技で登ったので、腕がパンパンだ。

空は少しずつ雲行きが怪しくなってきた。

最後の尾根にたどり着く。

あと少しで頂上だ。



息がだいぶあがってる。
タテバイで、肉体も精神も疲れているのがわかる。

同行しているオヤジもさすがにバテたようで、だいぶ後を上がってくる。

頂上が見えた!

やった!!!

前をやっていた友人が、
「ogi、プロジェクトリーダーなんだから、先行けよ!」
とトップを譲ってくれた。

ここまで来るのはホント大変だった。





目標にしていた剱岳。
そう簡単には登らせてくれないような近寄りがたさがある。

ピークに立った時に達成感は大きかく感無量の思いだった。

みんなで喜びを共有し、山に感謝した。

しかし、ピークに立って5分もたたずして雷の音が鳴り響き、大粒の雨が降ってきた。

まるで拒まれているかのようだ。

簡単には登らせてくれないだけでなく、登ってもなお、許容してくれない、ただならぬ山。

「死の山」といわれる所以か。。。





急いでレインウェアを被り、ザックを背負って歩き始める。



間もなく、「カニのヨコバイ」にさしかかる。
雨で濡れた岩と鎖はツルツルとすべる。

踏み外せば命はない。

途中、手や足を何度かすべらせ、体がブレたが、
なんとか「カニのヨコバイ」をクリア。





しかし、その後も濡れた岩の上を歩き、鎖場が連続する。
油断はまったくできない。

行きと同じ道のはずなのに「下り」で「雨」だと、
まるで別のルートを歩いているような錯覚に陥る。

実際途中で何度か道を間違えて、修正をする場面があった。

鎖場はベースキャンプの剣山荘のすぐそばまで続いた。

ヘトヘトになりながら、昼ごろ、なんとか無事に剣山荘に生還。

みんなでビールで乾杯して達成感を満喫した。

台風の影響から、一時は中止も考えた今回の企画。

日本屈指の難ルートと言われている2999mの岩山、剱岳を征し、
国内で全21座といわれる3000m峰の一つ、立山を征すことができた。

多少リスクはあったが、常にセーフティファーストで行動し、
極限状態で大雨の中を室銅まで歩いた時、

「早く家族に会いたい」とずっと思っていた。

わずか3日だったが、確実に自然と向き合い、
改めて家族の温かみや仕事のありがたさを考えさせられた。

来年は涸沢岳と前穂に登り、北アルプスの3000m峰、全9峰制覇をめざしたい!



(おわり。)