「会いたい」
このことばを言ってしまったら、
全て元通りだってわかってる。
だから言わない。
別れてもうすぐ1年がたとうとする今、
連絡がきても
ぐっとそのことばを抑えている。
世間の流れに沿って生きることが楽。
もちろんそれはあるんだけど、
あのときの自分に戻ることが、
やっぱり抵抗がある。
自分は二の次になってしまうから。
自分の本当の気持ちがわからなくて
さまよってるときは苦しい。
裏の顔と表の顔を上手に使い分けて
色んな自分を楽しめるのは、
すごく幸せなことだと思う。
そして、私はそれが下手くそだ。
ケイタと付き合っていたとき、
表の妻、母の顔と
裏のただ純粋に恋する女の顔を
行き来するのが
最初は楽しかった。
そして、その表裏をひとつにしないといけない
という思いこみに
私はだんだん苦しめられた。
ただ、今は会えないことが苦しい。
こんな気持ちも1日のわずかな時間だけど。
会いたい、会いたい、会いたい。
その気持ちを今は認めよう。