何がしたいかわからないって

あれは私自身に言っているんだなと思った。

私自身、どうしたいのかわからなかった。





ただひとつわかるのは、

前には戻らないということ。





このまま離婚もせずに、

割り切れない関係の不倫を続けるのは

自分で自分を苦しめるだけだ。

その場を乗り切るための嘘を

自分につくのが苦しい。

それを、よくわかっていた。

ケイタも好き、だけど旦那も好き。

それをバランスよく器用にはできない。

だってケイタも旦那も一番を求めてくる。

私にとってはどっちとの時間も大切なのに!

妻で母である時間も楽しい。

恋人である時間も楽しい。

なのに、2人ともわかってくれない!

正直な私の心境はこれだった。

このサイテーな人間こそが、

ノートに書いて書いて書きまくって、

わかった自分自身。





そして、気づいた。

ケイタも旦那も一番を求めてくるのは、

何より私が誰かの一番になることを、

求めているからだからだと。

誰か、誰か。

それは誰でもない自分自身だと。





だらしなくて

優柔不断で

色んな人が好きで

色んな経験を求めてる

強欲でカッコ悪い自分。

そんな自分も、

全部丸ごと愛したい。

不倫をするというバンジーを飛ぶのは、

私の願望を叶える行為だったんだと思った。





その上で考えた。

仕事で会うことができるのは、残り数週間。

その後はきっと会わない。

さあ、どうする。





今は苦しいくらいケイタが好き。

話したい。気持ちを伝えたい。触れたい。

我慢なんてしたくない!

仕事中は、自分のその時の感情に

ゆだねることを決めた。





同時に家庭でも、

やりたくないことは頼る。

嫌なことは嫌と言う。

それでも愛してくれる人と生活していきたい。

それを意識して、

ダメな自分を真正面から出してみることにした。






その日を境に、

私の周りは変わっていった。