ケイタとの
最初の日中デート。
ケイタとデート!
そう思うと、自然と家事もはかどった。
待ち合わせまでも待ちきれずに、
電話をすると、
ケイタはすごく緊張していた。
「遅いー。俺はもう着いてるよ。」
「どうしよう、俺すごいドキドキしてる。」
私より早く待ち合わせ場所につき、
落ち着かないと言いながら、
コンビニと待ち合わせ場所を
行ったりきたりするケイタが
愛おしかった。
嬉しさとワクワクでにやける顔。
青空と白い雲。
よく通る道なのに、
その日は特別爽やかに感じた。
そんな気持ちと裏腹に、
仕事仲間でもない。
友だちでもない。
恋人でもない。
この関係をなんて呼ぶんだろう?
思考にまみれた、私の脳内は
まだそんなことを考えていた。
さあ、到着。
ケイタの車に乗り込み、
顔を見合わせて笑った。
朝も早いし、
今日は子どもが学校から帰るまで
まだ7時間ある。
さあ、どこへ行こう。
車を走らせて最初に入ったのは
私たちの住む土地とは離れたところにある
マクドナルド。
朝マックを注文し、
向かい合わせで食べた。
顔が近い。
顔も手も足も、すぐ届くところにケイタがいる。
コーヒーを飲みながら、
冗談を並べるケイタの話を
私はニコニコ聞いていた。
まるで高校生に戻ったみたいに。
その後、
海へ車を走らせて、
美味しいと評判の海鮮丼屋へ。
ケイタはわさびを入れすぎて、
涙を流しながら食べていた。
それに私は大笑いした。
2人で海岸沿いを
恋人つなぎで歩く。
途中、撮った写真が今も残ってる。
満面の笑みのふたり。
そのとき、
私には肩書きがなく
私の世界は
私とケイタ2人だけだった。