波乱はまだ起きてなんかいない


H組 

日本          2-1 コロンビア

セネガル   2-1 ポーランド


6/19 ポット4とポット3の2チームが、ジャイアントキリングを起こした。


第1試合

コロンビアは、前半3分のレッドカードとPKによる失点により、試合プランの変更を余儀なくされた。

前半31分に1人目の交代で、体形を整えざるを得なくなり、前半39分にFKから1点は奪うが、消耗を防ぐ為に中盤ではボールを追わず、少人数のそれも個人技での攻撃に賭ける時間が続いた。

後半、数的優位の安定した中盤から日本の攻撃が活性化する。徐々に押し込まれたコロンビアは、後半14分ギャンブルに出る。攻撃に活路を見出すためのハメス投入も、チームの運動量は更に下がり完全に失敗に終わる。

いつ日本がトドメを刺すかと言う時間が続き、途中出場の本田が放った左CKを大迫が競り勝ち決勝点となった。

コロンビアベンチは、試合の流れからハメスをピッチに送り出したが、これがエースの回復を遅らせ続く2戦に影を落とす可能性はある。

また、岡田と福西の解説は、とても西野監督と同調してるように聞こえ、心地よかった。


第2試合

どちらがポット1かわからない展開が続いた。

ポーランドは、前線に当てたボールを攻撃陣がキープ出来ず、簡単に奪われてカウンターを許す。

2点目の失点は不運ではあったとはいえ、異次元の身体能力を持つ相手に対して、90分を通してチャレンジする糸口も見出せない状況では、ポーランドの勝機はなかった。試合の主導権を取れないまま、綺麗なサッカーをしようとしすぎた東欧の古豪には、ランキング8位のポット1は荷が重すぎたのかもしれない。


サムライブルーを率いる西野監督は、マイアミの奇跡(アトランタ五輪)の監督でもある。

チームは初戦でブラジルを下し世界を驚かせたが、最終的にブラジル、ナイジェリア、日本の3チームが勝ち点6で並び、得失点差で決勝トーナメントに進出できなかった苦い経験をしている。

その後、ナイジェリアは金メダル、ブラジルは銅メダルを獲得した。


グループHは波乱含みだが、まだ波乱が起きたわけではない。

始まったばかりだ。


オガスポ モスクワ支局 小川徹