【鶴岡市指定史跡
瘞琴碑(えいきんひ)】

出羽三山神社での奉納の後、
もうひとつ、近隣にあるとても大切な場所で奉納演奏をさせて頂きました。

タッカー師匠と私を出羽三山神社に導いた、鶴岡のつや姫農家板垣さん。

松尾芭蕉と図司呂丸のようだと、
宮司さんがおっしゃっておりましたが、
現代の呂丸が、
絶対に絶対にお連れせねば、、と
想いを募らせていた場所。

金峰山にある

“瘞琴碑”

7弦琴の名手と言われた士(さむらい)が祀られている場所です。

人々の争いや論争の合間に、
深い森を抜け、沢に降り、
そのほとりで琴を鳴らし
心を癒していたと伝えられています。

この場所を板垣さんが知った時に、
絶対にタッカー師匠をお連れしなくては、と、強く思われたそうです。

獣道の様な急な斜面を
暫く進みますと、

明らかに空気の、、
明らかに時間の違う場所が、ありました。

沢のほとりにぽっかりと、
浮かぶ様に、包む様に。

“彼”は、淑やかに、穏やかに、ゆっくりと琴を弾いて、居ました。

暫くは、私達が来たのを気にもしない様子で、、。

この場所に、自分以外の人間が、
琴を持ってくるなんて、
夢にも見なかったのでしょう。

しばしの間の後、
琴を紡ぎ始めたタッカー師匠の音を
『はて、?』
と、不思議そうに覗き込み、
少しずつ耳を傾けておられました。

音の戯れの後、
最後は、
嬉しそうに一緒に演奏されていたような、、
『有り難う』
という声が沢のせせらぎから聞こえました。


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