幼き日より、敵が常に周りにあった。
例え様のない、幾多の敵。
その姿は「大」であったり、「小」であったり。
目に見えるもの、奥の方で姿すらつかみにくいもの。

中・高の敵は「親」であった。あまり、多くは語るまい。
浪人の時、最初周りすべてが敵に思えた。何も話さなかった数ヶ月間。
強いて言うならば敗北した敵も多々あったか・・。

大学の頭で「敵」がわからなくなった。愛する人が敵なのか、それとも、数日前に話した同級の“やつ”が敵なのか、それとも撃ち抜けなかったオレか・・・?

そして、今、人生の儚くもでかい敵が目の前に立ちふさがっている。。。
いや、敵の姿は薄もやにかかったように、鮮明に写しだされない。
後ろにまだ影を潜めた敵がいるんじゃないか。。。
考え出せばその足が幾多にも見えるように思えてくる。

ただはっきりしてるのは、
「目の前の敵の左胸か眉間を打ち抜けば・・・」

そう言って僕に渡された「一年」という銃は何も語らず冷たく光っていた・・・