幼いころ

三田尻(みたじり)という街で

迷子になったことがある


家から遠く離れた三田尻(山口県防府市)に

なぜ いたのか…


虐待の話を含む

長い話になりそうです




両親の間で突然始まる

離婚についての話し合いの場は

邪魔な子供(ワタシ)を、

どっちが連れて行くか?という

なすりあいの場でもあった


そんなとき母はいつも

ワタシと目を合わせない


それならばと、父の方に向かって歩き始めたその時

『病気ばっかりする者はいらん』

そう言いながら蹴り飛ばされて

鼻血が出た

鼻血、ハデにええ仕事します




母には妹が3人いて

その真ん中の妹の のぶちゃんが

たまたま休暇で遊びに来ていて

ド派手な鼻血に驚いて

ワタシを連れて外に出た


のぶちゃんは

観光バスのガイドさんで

会社の寮に住んでいた




ワタシの年齢が

その時たぶん5才か6才だから

母は21か22

のぶちゃんは中学を出たばかりの15か16


そんな まだ子供みたいな

のぶちゃんが、ワタシを

三田尻の会社の寮へ 

こっそり連れて帰ってくれた


⬆️この事件の少し後の出来事です




ゆるいゆるい田舎の大昔

独身寮には

のぶちゃんが仕事でいない時も

優しいお姉さんが大勢いて


みんな

おもしろがって

遊んでくれた




ザ・ピーナッツの

ふりむかないで

が流行っていた


♬振り向かないで

お願いだから♬

♬今ね靴下なおしてるの

あなたの好きな黒い靴下♬




寒そうだからと のぶちゃんが

真っ黒のタイツを買ってくれた

新品の靴下が嬉しくて嬉しくて、

外に飛び出した途端

コケた真顔


せっかく買ってもらった

黒い靴下に大きな穴があいて、その穴から血まみれの膝が見えていた


叱られると思った😶


のぶちゃんが

♬ふっりむっかなっはひぃ~で~♬と歌い出した


歌いながら手をつないで

黒い靴下を買った店に

また行った


残念なことに

黒い靴下は売り切れで

赤いのしか残ってなかった


その場で赤に履き替えて

また歌いながら寮に戻った


『今度はコケて血が出ても

タイツと同じ色じゃけぇ

めだたんけぇ

赤で えかったね』

と、のぶちゃんが言った

ポ、ポジティブ💧



のぶちゃんは

ちょっと

のーてんきすぎると

ワタシは思った凝視