↑真剣な眼差しの三代目 宮川寛司氏
 
伝統工芸をアレンジし現代風に!
オリジナル襖紙
 
「紙工」とは、読んで字の如く紙を加工することであるが、その加工にも様々なものがある。
今回取材した「宮川紙工株式会社」は、デザイン性のある襖紙を制作する会社だ。
宮川紙工は初代が高田馬場に創業した。その後小平市、所沢市と経て、1972年に小川町へ移転した。
伝統工芸技法を用いて手作業で丁寧に色を重ね描かれた襖紙は、立体感があり何とも味がある。
 
↑大正時代の壁紙を手作業で復元 

その美しさからインターネットやテレビなどメディアにも紹介され、国内に留まらず海外からもオーダーメイドの依頼が増加しているという。
襖紙の他にも壁紙や書道用のかな料紙、和雑貨などの企画・製造も行っている。人々に、伝統工芸技術の美しさを身近に感じてほしいという想いからだという。
3代目である宮川寛司氏は、家業承継には様々な経験が必要だと考え、エスニック系アパレル業界で仕入れから販売まで携わり、海外マーケットや、経営のノウハウを学んだ後に、28歳で後継者として小川町に戻った。
 
↑国の重要文化財門司港駅の壁紙
 
「日本のマンションや新築戸建てから、和室や襖が少なくなってきているのは魅力を伝えきれていないからだ。本来、日本人に最も適して使われてきたものなのに廃れてしまうのはもったいない。」と、宮川氏は熱く語った。
日本の文化が廃れてしまわぬよう、興味を持ってもらう為に新たな和室の在り方を提案し、需要を増やしていきたいそうだ。また、前職の経験も生かし、今まで以上に海外マーケットも視野に入れ発展していきたいという。
宮川氏はこうも話す。「過去の技術を伝統というのなら、今の技術が伝統になるときが必ず来る。新しい伝統を自分は作っていきたい。」
宮川紙工の幅広い活躍に期待せずにはいられない。
 
↑The Okura Tokyo 平安の間
 
事業所名:宮川紙工株式会社
HP:https://m-river.co.jp
所在地:小川町奈良梨141-1
電話番号:0493-72-2739
営業時間:8:00~17:00
定休日:土、日
アクセス:県道11号線奈良梨交差点から車で1分