20日の朝には国防総省を訪ねました。ペンタゴンと言われる巨大な建物です。五角形の建物には美しい中庭があります。またショッピングセンターも充実しひとつの街のようですらあります。

最初にお目にかかったのはジョンストン北東アジア部長。テロとの戦争が10年を超え今後の国防政策の総合的な見直しが必要だということです。これまでの二つの戦争を同時に遂行できる国防力を一つの戦争に縮小するあらたな政策を検討しています。沖縄の基地問題や軍の規律の問題、陸軍・空軍・海軍・海兵隊の統合問題等についても意見交換しました。

次にアジア太平洋部門の国会担当、リッティングさんです。国防総省と議会の関係は極めて重要で、情報提供や質問への対応などに積極的に取り組んでいます。

議会は国防予算を増やしたり、減らしたりする権限を持ち、海兵隊のグアム移転費も議会から認められなかったという経緯があります。また今は共和党が議会の多数をしめているため、国防総省としても難しい対応を迫られる場面が多くなっています。また議会との関係においても機密事項が多いため非公式な水面下の調整が多いそうです。

出版社のアトランティック社でクレモンス編集長にお目にかかりました。学生時代に日本政治を専攻していたそうです。日本の政権交代には非常に期待したが、公約の未実現など民主党政権は漂流しているように見える。普天間問題や貿易問題などある程度日米間に緊張関係があった方がアメリカに日本を意識させることにつながる。日本はもっと自己主張を健全の行った方がいい。大変興味深い指摘をいただきました。

午後は国務省を訪れました。まずお目にかかったのはハーグ条約の関連部局です。夫婦間の関係悪化が原因で子供を連れ去る事態も見られ、こうした場合の取り決めに関する条約です。日本はまだ批准していませんが、今後課題を整理した上で国会で議論することになります。

アメリカ国務省は4万人の職員、8000人がワシントン、日本部には15人の職員がいるそうです。責任者のマークさんは奥さんも日本人。流暢な日本語をあやつられます。やはり経済、安全保障面で今後の日米関係について議論させていただきました。お互いに若い世代だからこその新たな日米関係を構築していく責任を感じました。

夜はワシントン在住の藤崎日本大使公邸を訪ねました。まさにアメリカの中に日本がある。そして様々なデータを使って日本を紹介しておられる様子、また、アメリカ大統領選挙の分析など興味深いお話をいただきました。