ドイツ滞在記:その6
~ 浪漫飛行 ✈ 2025 ~
ドイツからオーストリア経由で
日本へ戻る機内…「娘と息子が
実は大人になっていた」ことに
ようやく気がついたボクがいた
2週間に及んだドイツでの滞在。よくよく考えてみたら、娘・息子・ボクの3人が揃ってこれほど長い時間を共有したのは、17年振りのこと。それぞれの生活拠点が日本とドイツで入れ替わったり、時には南米で仕事をしていたり。
日・欧・米の3極を行き来している家族全員の移動距離を全部足したなら、これまでに地球をいったい何周したことになるのかな
。
さて、娘も息子もいつのまにか30歳を超えた。もう一人前の立派な大人。そんなこと言われなくたってわかっちゃいるのだが、父親にしてみれば『何歳になろうとも彼らは子どものまんま』なのだ。
ただし、この言葉の解釈というのが親と子では異なるからややこしい。親子ゲンカの原因の大半はいつもそれ。
つまり、こういうことだ。
【解釈①】彼らはいつまでも私の子どもだ
They will always be my children.
【解釈②】彼らはいつまでも小さな子どもではない
They won't be little children forever.
①も②もどちらも正しい。そしてボクもボクの子どもたちも、その点について異論はない。
では何故、親子ゲンカの原因となるのか。それは①にも②にも、それぞれに “続き” があるからだ
【①の続き】だから父の助言に耳を傾けてほしい
So I want them to listen to my advice.
【②の続き】だから子どもをもっと信用してほしい
So they want me to trust them more.
娘も息子も、仕事や貯蓄や人生設計のことを自分たちなりによく考えている。だからこそ父親の立場からすれば『アドバイス』というポジティブな意味合いで、もっと助言をしてやりたいところ。それこそが父親としての役目であり、存在価値でもあると信じているからだ。
逆に言えば、自分の子どもにアドバイスをしてやれない父親
でいたくないというプレッシャーが、いつもこの両肩にのしかかっている。このプレッシャーを払いのけるには、アドバイスを続ける以外に解決手段はない、と頑(かたく)なにそう考えていた
。
ただ、それはあくまで父親の言い分だ
子ども側の立場(を想像して)で考えれば、もうとっくに成人している一人前の人間に対しては、過剰な干渉は逆効果になることを『お父さん、そろそろわかってよ!』といったところだろう。『助言はうれしいのだけれど、何でもかんでも口を出されてはたまらない。頼りたいときにもらえる的確なアドバイスが何よりも有り難い』という気持ちであることにようやく気がついた自分がいた。
実は今回のドイツ滞在中、子どもたちから言われてとても嬉しかった言葉がある。
お父さんだって、時々
子どもたちを頼ってね
『親にとって子どもは何歳でも子どものまま』という言葉の意味の解釈は ②が正解 だったことを、ボクはようやく認めることができた。
飛行機の小さな窓から見える雲の上の青い大空に向かってボクは誓った。
子離れするぞ!
そこで、現在子育て中の保護者の皆さん、これから子育てをする保護者の皆さんへ、ボクからのアドバイス。
子どもはかわいいもの。
ですが、昔の人が言ったとおり
“かわいい子には旅をさせよ”
という意識がとても大切。
いつか必ず、子離れしないと
いけない時期がやってくる
ということを自覚しましょう。
あ、いけない!
ボクはまだ
保護者離れができていない!
困ったもんだね ……