No.51「ふに落ちない」ことが問題となっている腰痛患者さんの例② | 「検査をしたけど異常がない!」でも痛い!という人に向けたブログ

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「検査をしたけど異常がない!」でも痛い!という現象は、医学、医療者、患者さん自身、それらをとりまく社会・文化、そこにある情報、習慣など様々な要因が絡み合って起こります。これらについて考えます。

腰痛で通院中のJさん。Jさんには治療者である私が考える腰痛の原因を説明して納得頂けたつもりでしたが実は納得されていませんでした。(詳細はNo.50をご参照ください)




私はJさんにズバリ質問しました。


「Jさんの問題は腰の痛みですか?それとも痛みの原因がわからないことですか?」




するとJさんは、


「この程度の痛みは我慢できる。でも、痛みの原因がわからないことに納得がいかない。問題は原因がわからないことかなあ」


と答えました。




私はこれまでの治療経験の中でJさんのような患者さんが多く存在していることを知っていました。ただ、Jさんほど「原因がわからないことが問題である」と明言する方には珍しいです。ほとんどの方はほぼ無意識にそのような状況に陥っています。




Jさんは非常に真面目な性格です。小さな工場の職人として真面目に長年勤務しました。曲がったことはきらいです。つまり、非常に真面目な性格なのです。




Jさんは、自分の背中の痛みには必ず原因があり、その原因がわかれば対処の方法が明確になり、最終的には痛みから解放されるとお考えのようです。




こうも言っていました。


「調子が悪い車をそのまま乗り続けることはないでしょ?原因をしっかりと見つけて悪いところ修理しないと、いつ動かなくなるかわからないでしょ。」




とにかく私たちは痛いとか、調子が悪いとかの症状があれば、その症状は何かの「結果」であると考えます。




そして「結果」があるということは「原因」が必ずあるはずと考えるのです。




その原因とは何か?




Jさんの真面目な性格は痛みの原因が何であるのかを追求せずにはいられないのでしょう。

だから原因がわからないこと自体が問題となっていたのです。




原因がわからないとまたいつ痛みが襲ってくるかわからない。




次にやってくる痛みを阻止するために痛みの原因を解明しておく必要があるのです。




痛みの原因がわからないということは痛みがあることと同じぐらい辛いということなのでしょう。




Jさんのように痛み自体はそんなに辛くはないけれども原因がわからないことで不安の渦に巻き込まれてしまい、痛みがあることと同じぐらいの辛さを感じている人は少なくないと思われます。






(おわり)


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