グルテンフリーとは(9):ドワイヤーさんと「週刊ポスト」                   

 

 

グルテンフリーに関する文献、記事、続けて見ていきます。

2019年になると、グルテンフリーの注意点、弊害についての情報が多く見られるようになってきました。

 

★ケイト・ドワイヤー「落とし穴もあるから要注意! “グルテンフリーダイエット”について知っておくべき4つの基本」(「VOGUE GIRL」  2019.1.30)

ケイト・ドワイヤーさんは米国のフリーライター兼編集者で、その執筆記事が多くの有名新聞・雑誌に掲載されているそうです。

 

ドワイヤーさんのこの記事、お麩じぃなりにポイントをまとめると、

・テニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチが著書「ジョコビッチの生まれ変わる食事」で世界ランキング1位になれたのはグルテンフリーダイエットのおかげだと主張したことから、体が生まれ変わる魔法のような食習慣というイメージを抱いている人も多いのでは? 実は、このダイエットってグルテンにアレルギーや不耐症がある人のために考案された食事療法で、万人向けではない。
・グルテンに免疫反応を示す病気、セリアック病やグルテン不耐性でない限り、身体能力が飛躍的に伸びたり、体調が劇的に良くなることはない。セリアック病はグルテンがカラダに進入すると免疫反応を起こし毒素を排出する。その毒素が自分の小腸を傷つけて栄養素を吸収できず、下痢、便秘、腹痛、不快感、疲労、骨粗しょう症、貧血、うつ病、頭痛、ブレインフォッグ(頭に霧がかかったような状態)など、さまざまな症状を起こす。グルテン不耐性は、グルテンを消化する酵素の不足や欠如が原因となるが、セリアック病と同様の症状が出る。
・グルテンが含まれている小麦粉には有効な栄養成分がたくさん含まれているため、グルテンを完全に排除すると栄養不足を起こす場合が。食物繊維、鉄分、葉酸、ナイアシン、チアミン、カルシウム、ビタミンB12、リン、亜鉛などが欠乏してしまうので、グルテンフリーダイエットを行う人は、野菜、フルーツ、肉、ナッツ、乳製品を取り入れたバランスの良い食事をしよう。サプリで栄養素を補助するのもオススメ。
・グルテンフリーダイエットは万能というわけじゃなく、ジョコビッチやマイリー・サイラスのようにグルテン不耐性やセリアック病を患っている人に最大の効果がある様子。グルテンに耐性がある人は、グルテンを完全に除去せずとも糖分が高い小麦製品や加工食品を控えて、バランスのとれた食事を心がけるのが、何よりも大事!

ということになるでしょうか。女性向けのファッションや美容などを中心に扱っている雑誌に、こうした記事が載るようになったのですね。

 

★「病気・死亡リスクを上げる「食べ方」」(「週刊ポスト」2019.12.13)

代表的な週刊誌「週刊ポスト」にも、グルテンフリーに関する記事が掲載されました。

 

この記事、お麩じぃなりにポイントをまとめると、

・グルテンフリーは、小麦を原料とした食品を摂取しないことで免疫力向上やダイエット効果が見込めるという食事法だ。テニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチや有名モデルがグルテンフリー食を取り入れていることで話題となった。
・しかし、日本のグルテンフリーブームには誤解があるという。『体を悪くする やってはいけない食べ方』(青春出版社刊)の著書がある、健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子さんが指摘する。「グルテンフリー食は本来、小麦アレルギーや、北欧や米国に患者が多いセリアック病(遺伝性のグルテン不耐症)の患者のために開発された“治療法”の一種です。これらの疾患を持たない健康な人が実践して、効果を発揮するという科学的根拠を示す論文は発表されていません」
・むしろ健康な人がグルテンフリー食を取り入れることで、健康を害する懸念が指摘されている。「2017年に米ハーバード大学が発表し、米国心臓協会の学会で報告された論文は注目に値します。調査では、20万人を対象に長期の研究を行なった結果、1日4以下のグルテンしか摂取しなかった人は、12以下の標準的な量のグルテンを摂取した人に比べて2型糖尿病のリスクが13%上昇しました」(望月さん)
同研究によると、グルテンフリー食では2型糖尿病の予防因子である食物繊維や微量栄養素が不足し、栄養価が低いことが原因として考えられるという。アレルギーやセリアック病などの医療適応でない限り、ダイエット目的でのグルテンフリーは避けたほうが良いだろう。

ということになるでしょうか。グルテンフリーの弊害の方に焦点を当てた内容ですね。

 

このころになると、グルテン不耐性やセリアック病など特定の病気以外の人では、グルテンフリーのマイナス面が少なくないということが知られてきたようです。

 

いろいろな文献、記事など、さらに見ていきます。

お麩じぃは、これからもお麩を食べ続けて大丈夫でしょうか?