グルテンフリーとは(5):読売新聞と「週刊現代」                   

 

 

グルテンフリーに関する文献、記事、続けて見ていきます。

 

2017年ごろになると、一般の新聞や週刊誌にもグルテンフリー関連記事が掲載されるようになりました。

 

★「米粉使って「脱・グルテン」」(読売新聞 2017.2.28)

読売新聞に、それまでのグルテンフリーに関するいろいろな動きをまとめた記事が掲載されました。

 

この記事、お麩じぃなりにポイントをまとめると、

・小麦などのたんぱく質「グルテン」を含む食品を取らない「グルテンフリー」の広がり。腸に負担をかけない、米の消費拡大につながるとの声の一方、健康への過大な期待を懸念する指摘も。

・グルテンフリー食品を開発した「大潟村あきたこまち生産者協会」社長は予想以上の好評ぶりと笑み。

・グルテンフリーは元々、小腸がグルテンを分解できず炎症を起こす「セリアック病」や、食べることで体調不良を起こす「グルテン過敏症」の食事療法。モデルのミランダ・カーさんやテニスのジョコビッチさんが食生活に取り入れたことを著書などで公表すると人気は一気に過熱。世界全体の市場は2020年に約76億ドルとの予測。

・一方で、米ボストン大学で食事と健康について研究する内科医・大西睦子さんは、「栄養士や医師などの指導がなければ、かえって体に悪影響を及ぼす可能性」と指摘。管理栄養士の川端さんも「流行に流され、食事に偏りが出てしまう人が出てこないか」と不安視。

ということになるでしょうか。さすが、大新聞ですね。よくまとめられています。

 

★「流行りの「グルテンフリーダイエット」 本当に痩せるのか?」(「週刊現代」2017.3.18)

代表的な週刊誌「週刊現代」にも、同様にグルテンフリーに関するいろいろな動きをまとめた記事が掲載されました。

 

この記事、お麩じぃなりにポイントをまとめると、

・小麦などに含まれるタンパク質「グルテン」を食事から抜くことで、血糖値が下がり、ダイエットや老化防止に効果があると流行。スーパーにも「グルテンフリー」を謳う商品が目立つ。火付け役は海外セレブやスポーツ選手。

・医師・溝口徹さんによると、①グルテンは体内の消化酵素では分解しきれない。アレルギーの元を作りやすく、腸の粘膜に炎症を引き起こす恐れ。②グルテンフリーにより血糖値が上がりにくくなり、自然に痩せやすい体質。花粉症が軽減できるかも。③小麦に含まれるグリアジンのアミノ酸配列はモルヒネにそっくり。グルテンをやめられないのは麻薬的中毒性によるもの。

・フォーブス弥生さんによると、①グルテンに含まれるグリアジンを過剰に摂取すると、血糖値が急上昇。すぐに眠くなるのは、上がった血糖値が急降下するのが原因。②グルテンを分解できる体質の方もいるので、まず2週間、意識して小麦を抜いてみることをお勧め。

・内科医・奥田昌子さんによると、①元々はセリアック病の患者のための治療法で、ダイエットなどを目的に健常者が行った場合の健康効果については、最終的な結論が出ていません。過大評価されているという印象。②小麦を避けると必然的に小麦に含まれる成分が摂れなくなります。穀物は非常に食物繊維が豊富。食物繊維には町内の善玉菌を増やす効果がありますので、不足するとむしろ腸内環境に悪影響を及ぼす可能性も。グルテンフリーによってさらに摂取量が減ってしまうことが懸念。

・当たり前に送っていた「小麦生活」から少し離れてみると、激的な変化があるかも。
ということになるでしょうか。体験談も豊富で、新聞よりはかなり柔らかめの記事ですが、こちらでも賛否両論が紹介されています。

 

このころになると、グルテンフリー礼賛だけでなくそれに対する反論・警鐘の声もいろいろ出てきたことが分かります。

 

いろいろな文献、記事など、さらに見ていきます。

お麩じぃは、これからもお麩を食べ続けて大丈夫でしょうか?