令和7年大船渡市大規模山林火災

 

 

以下、大船渡市大規模山林火災の、発災から鎮圧までの間にFacebookへ投稿した文章を掲載しています。

 

●2月26日 16:36

 大船渡市綾里地区、大船渡・陸前高田の市境、大船渡市赤崎町と、相次ぐ山火事に皆様には大変ご心配をお掛けしております。多くのメールとお祈りを、ありがとうございます。
赤崎町の火災は延焼拡大の恐れがあるとの事で、綾里地区全域と赤崎町の一部地域に避難指示が出され、数分ごとに避難所が増えている状況です。風も非常に強く、一分一秒でも早く鎮圧されるように祈るばかりです。

 

●2月27日 15:15
昨日夕方、綾里にお住いの訪問先の方と連絡がとれ、無事に非難したので大丈夫だとのお返事をいただきました。今日になり、サロンに伺っていた災害公営住宅付近にまで迫る勢いで延焼は拡大を続け、個人の連絡先までは把握していないため安否確認が出来ず、もどかしい気持ちでいます。
昨夜は、仙台と山形からの緊急消防援助隊と思われる応援車両が次々に陸前高田ICを通過していき、そのサイレンは日付が変わる時間になっても繰り返し聞こえてきました。
今朝は三陸道のパーキングエリアを埋め尽くす程の他県からの応援車両と、打ち合わせをしている様子の大勢の隊員の方々の姿を見ました。碁石海岸ICを降りると自衛隊のヘリコプターが消火活動に飛んでいくのが見え、ベースに着くまでの間も何度も応援車両とすれ違いました。
ベースについてしばらくすると防災無線が流れ、知人・親戚宅に避難している方や車中泊をしている方は、避難者数を把握するため地域福祉課へ電話を掛けるようにとの事。ベース長にも連絡があり、対応の応援に市役所に向かいました。ベース近くの内科医院に火傷をした方が来て、診察券も保険証もないと言っていたと、ご近所の方から聞きました。鎮火の見通しが立たず長期化する可能性があるため、県では仮設住宅の提供に向けて調整を始め、先ほど人的被害も一件確認されたとの事。どうしてこんな事にと思わずにはいられません。
被災地域にお住いの方々、懸命に消火活動にあたっている消防隊、自衛隊の方々の身の安全が守られますように、これ以上被害が拡大することの無いように、どうぞ引き続き皆様の祈りの力をお貸しください。

 

●2月28日 13:57

キャッセン大船渡取締役の方が、大船渡市の現在の状況と今後の見通し、皆様へのお願いと寄付・募金受付の情報などをまとめておられたものを、シェアさせて頂きます。
おはなしころりんさんは、以前サロンやイベントで、紙芝居・昔の遊び体験などを行ってくださっていました。
炊き出しは昨夜から始まっているようです。

大船渡山林火災 飲食店の組合が避難所で炊き出し|NHK 岩手県のニュース
https://www3.nhk.or.jp/.../morioka/20250227/6040024569.html

 

●2月28日 14:34

延焼は拡大を続け、焼失した面積はおよそ1200ヘクタールになったことが確認されました。
NHK NEWS WEB 2025/2/28 12:26更新
https://www3.nhk.or.jp/.../20250228/k10014735511000.html

多くの皆様の祈りの応援と、シェアによる情報の拡散を、ありがとうございます。スタッフは被災地域の訪問先への連絡を続け、連絡先の分かる方々の安否は確認出来たと報告がありました。


以下、ベース長からのお知らせです。
現在延焼中の赤崎町合足地区からの火災は強風によって綾里地区に延焼し、住宅を含む建物84棟以上が焼失しました。この住宅は東日本大震災の津波で全壊し、高台に新築した住宅です。風向きが変わって赤崎町側に延焼し、赤崎町全体に避難指示が発令されています。避難所が次々に開設され、避難者に簡易ベッドや寝具が提供され、炊き出しが行われています。赤崎町には4人のカトリック信者がいますが、今のところ怪我や家屋の焼失の情報は入ってきていません。赤崎町は大船渡町と隣接しています。強風やその風向きによっては教会や幼稚園、カリタスベースに被害が及ぶ可能性もあります。一刻も早い火災の鎮圧が望まれます。今のところ救援の物資は、大船渡町にスーパーなどの店舗があり、手に入れることが出来ます。送っていただいても、それらを整理・分配する手がありません。津波の時と違って、鎮火直後からボランティアの受け入れが必要なのか、可能なのかどうかも今のところ判断できません。14年前に津波の被害を受け、高台にようやくの思いで新築した家を今回の火災で失った方々のことを思うと非常に心が痛みます。今は火災がこれ以上拡大せずに、一刻も早く消し止められることを祈るのみです。
カリタス大船渡ベース 地の森いこいの家
ベース長 菅原圭一


平山邸の返却から始まり、少しずつ進めてきたベース閉所に向けての備品の譲渡・処分作業も終盤に入り活動終了を目前に控えた今、なぜ今なのかと、無力さを痛感せずにはいられません。皆様と共に祈ることが、スタッフの支えとなっています。
写真は今朝の陸前高田市内の様子と、おはなしころりんさんのベースでの活動の様子です。『夢アリーナたかた』は広域防災拠点として、宮城・山形・秋田・青森の緊急消防援助隊の宿営地に、『高田松原運動公園』は、ヘリポート・航空支援隊の活動拠点となっています。撮影前にも、数機のヘリコプターが飛び立っていきました。あの時も、たくさんの方々に助けられ支えられて、そうして今日まで生き抜いてくることができました。だからきっと今回の困難も、乗り越えられると信じます。

 

●3月1日 17:01

東海新報 令和7年3月1日付 1面
https://tohkaishimpo.com/2025/03/01/470776/
大船渡中学校体育館 避難者数30名(2/28 22時現在)

焼失した面積について、市は1日午前6時の時点でおよそ1400ヘクタールにのぼっていると発表しました。およそ1200ヘクタールとしていた28日午前8時の時点以降も、延焼が続いていることがわかります。
昨夜、避難指示の範囲が拡大したことにより大船渡中学校に避難所が開設される事になった為、その手伝いに行ってきたとベース長から連絡があり、30名程が避難されているとの事でした。県外からの災害ボランティア・地元の市民ボランティア共に、現在は受け入れていない状態ですが、地域の民生委員として活動するベース長に同行する形で、今日はスタッフもお手伝いに伺いました。
以下、ベース長からの報告です。
大船渡中学校の避難所には、陸前高田市役所と遠野市役所から職員が応援に来ていました。避難されている方々は、仕事の方は出勤し、高校生は登校し、あとは皆テントの中にこもっていて、静かな避難所でした。昼食を受け取りに来たのは15名程で、正午過ぎに数名帰って来ましたが、大きな混乱はありませんでした。昼食配布の後、避難所の責任者に何かすることはないか、欲しい物はないかと聞きましたが、何もないとのことでしたので、私はまた5時に夕食の手伝いに来ることにし、スタッフは連絡先の分からない訪問先の方々の安否確認の為、三陸公民館へ向かいました。しばらくすると、おふたりの方に会えたと報告がありました。それぞれが今できる事を考えて、被災された方々の為になるよう働いています。
重ねてお伝えしますが、現在、県外からの災害ボランティア・地元の市民ボランティア共に、受け入れていない状態です。火災が鎮圧された後も、被災された多くの方々の日々の暮らしを支え、以前のような当たり前の暮らしを取り戻す為の、長い戦いは続きます。今は待つべき時だと考え、大船渡市社会福祉協議会など関係機関への電話等による問い合わせは、どうぞお控えくださいますようお願い致します。

 

 

●3月3日 8:14

宿営地、陸前高田市総合交流センター・夢アリーナたかたに、暖かいメッセージが掲示されていたと紹介してくださっている、消防本部の公式SNSを見つけました。道路沿いで応援車両の列に手を振って、深々と頭を下げている小さな子供達の姿も見られました。隊員の方々の邪魔にならないように、でも気持ちを伝えたい気持ちは、大人も子供も変わらないのですね。

 

●3月3日 8:18

昨日放送 IBC岩手放送・報道特別番組 
https://www.youtube.com/live/mz_QwV9844s?si=QAILiqYZ9NApqw-I

 

子供達の笑顔に、少しだけ救われたような気がしています。
昨夜ベース長が、教会の高齢独居女性のお宅に伺いました。
以下、ベース長からの報告です。
灯油の補充に行き、避難時の荷物を準備して帰る時に、玄関の正面からセメント工場の煙突の近くに、山の稜線に沿って赤い炎が見えました。火がだいぶ下がってきているようです。雪が降り出すまでなんとか延焼を防いでほしいです。消防隊の方も自衛隊の方も、命をかけて十分すぎる仕事をしてくださっている。心から感謝し、無事を祈ります。


連日の報道に多くの皆様にご心配をお掛けしております。頂いたコメントのひとつひとつにお返事が出来ず、申し訳ございません。
予断を許さない状況ではありますが、今のところベース近隣にまで及ぶ被害等はありません。日曜月曜は定休日である事と、以前より活動終了に向けての作業のため留守電対応が多くなっている事をお知らせ致します。火災に関連したものではございませんので、どうぞご安心ください。
また、今できる事はないか等のお問合せもいただいております。ありがとうございます。今日も皆様が祈ってくださっている、そう思うととても心強く、今は本当にそれが必要で、一番の助けとなっています。
3月1日時点で大船渡社会福祉協議会がボランティアセンターの開設を発表していますが、火災が鎮圧された後も完全な鎮火に至るまでには、ここまで延焼範囲が拡大すると、何日かかるのか見当もつきません。今は大船渡社会福祉協議会からの、ボランティア受付開始の続報をお待ちいただければと思います。
昨日の朝、市街地に降りる為に『夢アリーナ』の前を通ると多くの隊員の方々の姿があり、その中には腰に手を当てて空を仰ぐ姿も見られました。夜を徹して懸命に消火作業を続ける隊員の方々の、その身体と心の疲労はどれほどのものでしょうか。もう写真を撮る気はありません。
5日未明から降り出す雪が雨に変わり、翌日まで降り続く予報ですが、降水量はさほど期待できないようです。いま私たちに出来る最大の応援は、祈ることだと考えます。一刻も早く雨雲が近づくように、一粒でも多くの恵みの雨が降りそそぎますように、どうか強く強くお祈りください。皆様の祈りと共にある限り、被災地は負けません。

 

●3月4日 16:53

既に多くの方がシェアされておりますが、遅ればせながらシェアさせて頂きます。情報の拡散に、ご協力をお願い致します。

山林火災に伴う災害ボランティアセンター開設および予備登録のお願い
http://ofunato-shakyo.com/volunteercategory/saivolu/

<個人向け>
https://forms.gle/zaPs2E2eDbr61Cn59
<団体向け>
https://forms.gle/gvvpivsn4wFH2x287

※入力をもって、予備登録完了となります。

 

●3月4日 17:01

東海新報 令和7年3月4日付 1面
https://tohkaishimpo.com/2025/03/04/471017/
(赤崎町合足地域における新潟県隊の活動映像あり)

碁石海岸ICを降りてすぐ見える景色は、数日前とは比べようがないほど、恐怖すら感じるものになっています。ベースに着いて外で作業をしていると、白い物がひらひらと落ちてくるのに気がつきました。
「…灰…じゃない?」
しばらくすると防災無線が鳴り、風向きが変わって市内に煙が流れているけれど、こちらへの延焼の恐れは無いとの事でした。朝から街中に霧のようにうっすらと煙が立ち込めているため、不安を感じている方も多いのでしょう。家の前で心配そうに外の様子を気にする方々の姿も見られました。
情報収集の中で、宿営地に戻り、土で汚れた長靴を履いたまま、ぐったりと頭を下げて座り込んでいる消防隊員の方々の写真を見つけて、胸が苦しくなりました。それでも今は、雪が降り出すまではどうかと、願うしかありません。
今朝まだ夜明け前、緊急消防援助隊の応援車両が陸前高田ICを通過していき、数えきれない程の長い長い列は何度も繰り返し、空が薄明るくなるまで続きました。自衛隊の大型ヘリコプターは、次々と休むことなく飛び立って行きました。この地を守る為に懸命な消火活動を続けてくださっている消防隊、自衛隊の多くの隊員の方々の為に、どうぞ共にお祈りください。

 

●3月4日 17:16

次々と飛び立つ、自衛隊の大型ヘリコプター。
湾内で海水を汲んで、消火活動に向かいます。
ありがとうございます!どうぞ、よろしくお願い致します!

 

●3月5日 16:09

大船渡市市民活動支援センターが投稿した避難場所の詳しい状況をシェアしました。

 

●3月5日 16:13

FNNプライムオンライン 2025年3月5日 水曜 午前11:36
「雨は恵みです」山火事で約2900ヘクタール・市の面積の9%焼失 岩手・大船渡市ではあす未明まで雨が降り続く見込み
https://www.fnn.jp/articles/-/838085
NHK NEWS WEB 2025年3月5日 15時06分
大船渡 山林火災 雨のなか地上から消火活動 市の9%が焼失
https://www3.nhk.or.jp/.../20250305/k10014739961000.html
今朝、窓の外を見ると薄っすらと雪が積もり始めていました。しばらくしてから、外に出て車の上に積もった雪に指を刺してみると、1センチほどの厚みがありました。その後、雪は雨に変わり、大船渡はもっと降っているといいと思いながらベースに向かいました。灰色の雨雲の中でも、山林から立ち上る煙は確認できました。今日はベース内での活動でしたが、どうしても外の様子が気になり、
「今どのくらい降ってる?」
「……あぁ、結構な強さで降ってるね。よかった。」
そう言い合いながら、業務を続けました。
昨日、所用でベース近隣の企業に伺うと、猫の預かりを始めたと、立派な3段の大きなケージが事務所いっぱいになるほど何個も置かれていて、今日もこれから一匹来るのだとおっしゃっていました。食事提供、宿泊、入浴、倉庫や空き工場を利用して、被災された方々の荷物の預かりを始めた地元企業もあります。職員の派遣、入居可能な住宅の提供など、隣接市町からも支援の手が届いています。今のところ避難所からの大きな混乱等は聞こえてきません。大変な状況に変わりはありませんが、支援する側も支援が必要な方々も、震災の経験から今の自分がとるべき行動を理解していて、冷静であろうと努めているのだと思います。それが悲しく感じるほどに。
恵みの雨の助けを借りて、一刻も早い鎮圧を願います。共にお祈りください。

 

●3月6日 15:05

懸命な消火活動を続けてくださっている、消防隊、自衛隊の方々への、感謝の想いが綴られている、地元紙『東海新報』の投稿記事をシェアしました。

 

●3月6日 15:08

大船渡市市民活動支援センターの投稿をシェアしました。

シェアした投稿文の中に『避難エリアは市の東側で、西側の商業エリアは通常営業しており、かつこの災害で売り上げ的なダメージを受けています。そのため地域経済を守るためには「売り上げ・消費行動」も大切です。』とあります。赤崎町には、鎌田水産、さいとう製菓などの工場があり、従業員の中には避難されている方々もおられるとの事。震災の時とは違い、避難所では日中は働きに出ている方も多いようです。西側の商業エリアで働いている方もおられるかもしれません。
陸前高田市内の観光施設で、お客様に「大船渡にご飯を食べに行ってもいいだろうか。ご迷惑にならないだろうか。」と聞かれた際、職員の方は「食べに行ってください。お土産も大船渡で買ってください。お客様が見て感じた事を、帰ってから皆さんに伝えてください。」と答えたそうです。

 

●3月7日 15:01

5日のまとまった雨の影響で火の勢いは弱まり、以前のような山林全体から立ち上る煙は見られなくなりました。大船渡市は、赤崎町の大船渡湾側の一部地区と三陸町越喜来の甫嶺地区について避難指示の解除の検討を始め、複数の場所で発火につながる「熱源」が確認されており再び延焼につながるおそれがあることから、引き続き警戒し慎重に判断する必要があるとのことでしたが、今日午前10時に赤崎町の6つの地区について避難指示を解除しました。鎮圧への確かな一歩を感じます。
現場での消火活動の映像を、ニュース等で見かけることが多くなりました。根本部分が黒く焼け焦げた木の洞や、掘り返した土の下から白煙が出ているのを、ご覧になった方も多いかと思います。完全な鎮火を宣言する為には、気の遠くなるほどの面積を慎重に確認する作業が、これからも続きます。地元の皆さんは、隊員の方々には感謝してもしきれないと、口々にそうおっしゃっています。
来週11日午前は、これまでベースに集ってくださった皆さんとのお別れ会を予定しており、日に日に延焼範囲が拡大する中で一時は中止も考えましたが、予定通り開催することとしました。最後の『お茶っこ』の会です。昨日、避難している親戚が心配だと不安そうな顔をしてベースを訪れた方に、「大丈夫!みんな頑張って消してくれてるから、絶対に帰れるから。11日はみんなにも会えるし、買って応援、食べて応援すっぺしね。」と言うと、少し笑顔になりお帰りになりました。こんな時だからこそ、集うことも必要なのかもしれないと思いました。
午後は『東日本大震災追悼記念ミサ』が大船渡教会で行われます。併せて今回の山林火災で被災された方々、消火活動を続ける方々の為の祈りも捧げられるでしょう。午後2時46分。どうぞ、心を合わせて共にお祈りください。あれから14年の時が経ちます。懐かしく思い出せるはずの故郷の町並みや大切な人達との記憶には、今も悲しみがつきまといます。全てと言ってもいいものを一瞬で失ってしまったその悲しみは、これからも癒えることは無いでしょう。
それでも、生きている。
今回の困難も、多くの方々の助けと大きな愛に支えられて、きっと乗り越えられると信じています。これからの完全な鎮火までの道のり、その後さらに続いていく復旧復興までの長い道のりを、皆様はきっとまた、共に歩んでくださるでしょう。活動期間も残すところあと僅かとなり、伝える事は出来ただろうか、やり残した事は無いだろうかと考えてしまう時もありましたが、今はただ、皆様との出会いに感謝です。
今年も、皆様と共に祈りの時を迎えるための動画を作成しておりました。集いの開催同様、公開するかどうかを悩んでおりましたが、鎮圧への希望の一歩の力を借り、これまで、そしてこれからの皆様への感謝の気持ちを込めて、お届けさせていただきます。
※お願い※ 
今回の動画は、開始から1分35秒までの間、震災の映像を使用しております。当時の事を強く思い出してしまう恐れのある方は、ご視聴をお控えください。

 

●3月10日13:43

昨日、大船渡市大規模山林火災の鎮圧が宣言され、今日10時に、全地域の避難指示が解除されました。今後の動きに関しては、自宅に戻り家の状態を確認して、必要な方々は罹災証明書の届け出を、避難所は縮小するが集約についてはまだ検討中との事でした。
自宅はもう諦めているとおっしゃっていた方々も、実際にその光景を目の当たりにしたら、筆舌に尽くしがたい感情に襲われてしまうかもしれません。自宅に戻れたとしても、これほどの大火を経験した後ですから、完全な鎮火が宣言されるまではもちろんのこと、これからも何度も何度も火の始末の確認をして、それでも気になって眠れない夜を過ごす、そんな方々が大半だろうと思われます。被害の程度に関わらず、心のケアが必要です。
これまで幾度となくお伝えしてきましたが、鎮圧が終わりではありません。再燃の恐れが無いように、この広大な被災地域の隅々までを、緊急消防援助隊、地元消防、消防団の方々の人海戦術での確認作業が続きます。それがどれ程の時間を要するのか、いつ終わるのかは誰にも分かりません。報道も目に見えて減っていくでしょう。それも仕方のない事ではあると思います。
戦いは今も続いていること、これからもその形を変えながら長く長く続いていくことを、皆様それぞれのお住まいの地域の方々へもお知らせいただきたく、お願い申し上げます。

 

●3月12日 17:55

昨日11日、三陸鉄道は始発から運転を再開し、三陸町綾里地区のホームセンターも営業を再開するなど、少しずつではありますが、被災地域は以前のような暮らしを取り戻す為の歩を進め始めています。
一方、同日午前、残り火からと思われる煙が上がっているのが確認され、上空からヘリコプターが消火活動にあたる(延焼している状況ではありません)など、完全な鎮火に向けての地道な確認作業は、現在も続けられています。
以前お知らせした通り、ベースでは、近隣にお住いの方々やサロンにご参加くださった方々との最後のお茶っこの会『感謝の集い』を、大船渡教会では、14年目を迎えた東日本大震災の『追悼記念ミサ』が行われました。東日本大震災によって亡くなられた方々、被災された方々、そして今、山林火災による大きな困難の中にある方々の為に、祈りが捧げられました。
癒えることの無い悲しみの中でも、皆で集うことが力となり、穏やかで温かな時を過ごせたことに、感謝します。

 

●3月14日10 :43

避難指示が解除された10日の夕方、通信障害への対応方法を知らせる防災無線が流れました。水道水の濁りなども気になり現在の様子はどうだろうかと、自宅へ戻られた三陸町の訪問先の方々のお宅へ、昨日、在宅訪問に向かいました。
いつも通っていたはずの道路周辺の景色の変わりように驚きながら進んで行くと、所々に警察車両が停まっているのに気がつきました。火事場泥棒を警戒している様子でした。悲しいことですが、これがどの被災地にも共通する現実です。
おひとりの方とお会いすることが出来、発災から避難までの経緯と現在の様子を話してくださいました。自宅に戻れると安心したのも束の間、どれも悩ましい話ばかりでした。聞くことしか出来ないけれど、誰かに話すことで少しでも心の負担が減りますようにと願うばかりです。他の方々は不在でしたが、自宅に戻っている事は連絡をいただいているので、また後日、訪問しようと思っています。