タイ人では無くタイ族
18.タイ族
タイ族とはタイ語やラーオ語等のタイ諸語を母語とする人のこと。
タイ族=タイ人、ラーオ族=ラオス人でないことに日本人は注意する必要がある。
水稲耕作、タイ暦正月の水掛祭り、祭礼には叙事詩や語り物をする「ザッハン」が
活躍する。小乗仏教を信仰し、村落には多くの寺院がある。
独自のタイ文字による文献も豊富である。
景恩大仏塔パゴダ
-------------- 文字小さすぎ。(ゴメンなさい)
歴史
タイ族の発祥は明らかではないが、現在の中国南部にいたと考えられており、
「揚子江流域で稲作をしていた」というような説や、
「広西付近で生活していた」という説がある。
中国語ではタイ人を泰(Tai、タイ)、雲南のタイ族をイ泰(Daiダイ, 人偏の泰)
と書き発音して区別している。
この雲南のタイ族はタイ国に住むタイ族からはルー族と呼ばれる。
中国語名 :イ泰(Dai3, 人偏の泰)ダイ族(にごった発音)
英 語 名 :Dai
人 口 : 1,158,989 人(2000年)→ ?人(2010年)
代表的姓 :姓は無い。アニミズム信仰で簡単な牛などの音を名前につける。
居 住 地 :雲南省のシーサンパンナ(西双版納)タイ族自治州
タイの語源
中国古代語の「大(dai)」が語源で、dai が訛って、thai(タイ)となった
とするのが現今有力な説である。
「大」という漢字は「大人(たいじん)」という言葉の用法に見えるように「立派な」
という意味があり、それが転化して「(奴隷でない立派な)自由人」という意味となり、
さらに「自由人」という意味から、
タイの語に「人」、「自由」などの意味が生じたと考えられる。
実際、昔のタイでは「あなたはどこのタイですか?」というような用法が
非奴隷人民の間で使われていたという。
タイ(自由人)はタートと呼ばれる奴隷と明確に区別された。
後にこの語は現在のタイに普及し、タイ人を表す普遍的な言葉となった。
(ややこしいでしょ。(笑)
東南アジア民族の源?
タイ族の出自には様々な説があり、ある説(大タイ主義)ではアルタイ山脈のふもとから
出てきたという(『物語 タイの歴史』)が、本当かどうかは不明。
しかしながら、少なくとも中国南部から来たことは確かである。
雲南省にはタイ系の民族が現在も暮らしている。
タイ族が中国から流出し始めたのは、漢族の南下に伴う結果らしい。
ミャンマー方面に移動し、シャン族を形成したグループもいるが、ここではメコン川流域の
タイ族の話だけにした。
メコン川に沿って南下したグループのうち、一部はマンラーイ王に率いられてメコン川を離れ、
別の大河川、チャオプラヤー川上流のチェンマイに拠点を構えた。
これはランナー(「百万の田」の意)王朝(1259成立)と呼ばれている。
また、そのままメコン川に沿って移動したグループはルアンプラバン周辺を拠点として
14世紀半ばにランサーン(「百万頭の象」の意)王国を築いた。
このグループをラーオ族といい、ラーオ族の国だからラオスとなった。