11.侗族(トン族)
貴州省・広西壮族自治区・湖南省の比較的環境のいい山間部から
河谷平野部にかけて居住し、豊な民族だ。
特に、貴州省には侗族全人口の過半数が住んでいて、近年は観光地としても注目されている。
西洋音楽とは無関係に美しいポリフォニー音楽が得意な民族だ。
侗族は神道に近いアニミズム的宗教観を持っており、山川石木などあらゆるものに神が
住むと考える。日本人と同じ頭脳構造だ。
最も尊敬を受ける「薩歳」という祖神のほか、侗族の信仰する神々には女神が多い。
中国語名 : 侗族(トン族)
英 語 名 : Dong
人 口 : 2,960,293 人
代表的姓 :何(か・ホァ)、湯(とう・タン)、龔(キョウ、龍の下に共が付く)、張が四大姓
時代が違うが、日本の「源平藤橘」の様に有名。但し、侗族は文字なしだった。
居 住 地 :貴州省・広西壮族自治区・湖南省の比較的環境の良い山間部から
河谷平野部に住む。 『知恵ある人は山奥に住む』の実践民族(爆笑)。
2.雑説明
侗族はタイ・カダイ語族に属する侗語話者であるが、侗語を表記するための
独自の文字が無い。侗語のテキストは漢語のものか、漢字の音訓を侗語に当てはめた
万葉仮名方式のもの、近年作られた侗音表記によるものの数種類がある。
2-3.民家群
主要な産業は水田耕作を中心に雑穀やトウモロコシを作る農業や林業であるが、
桐油や茶油の生産、生薬の栽培なども行う。
伝統的な侗族家庭は木造高床式の住居に親子数世代で同居する場合が多く、
兄弟のうち年長のものは成人後は親から独立して暮らすことが多い。
2-6.トン族衣装2
侗族独自の建築・民族音楽・民族衣装は海外での評価も高く、
観光客向けの土産物として刺繍などの民芸品を製作・販売したり、
若い世代の侗族には民族音楽の奏者などとして生計を立てるものも少なくない。
[面白い特徴]
基本的に家名は父系で継承するが、遺産の相続は父からは息子へ父系で、
母からは娘へ母系で代々相続させる。結婚年齢は早く、十代後半。
敬老精神が強い一方で、子供は貴重な労働力として歓迎する傾向にあり、
人口調整のため二人以上(漢族の場合一人だが、少数民族は二人)出産した場合、
政府から課税されるのにもかかわらず二人以上の子供をほしがる家庭が多い。
中国の人口問題は解決せず、世界の人口問題になると思う。
都会地での一人っ子政策が行きすぎて、高齢化問題が深刻になり、
人口政策を緩め始めているのだから。