新入社員の頃のことです。


私は会社から月に10万円するセミナーに


参加させてもらっていたんですが、


このセミナーに参加する人は


年齢も性別もみなバラバラ。


時には同じ世代のちょっと先輩方とだったり


全く同じく新入社員だったりするんで


けっこう楽しかったのを覚えています。


ある時、夕食を兼ねてのセミナーに参加するために


ホテル ニューオータニへ。


はじめての高級ホテルに圧倒されながら


レストランへ恐る恐る入ると


ゴージャスな個室へ案内され


ひとり心細く待っていると


1人2人と入ってくる方々とお名刺交換。


どの方も私の父よりも年上の


上場企業の社長さんや常務さん!


正直ビビリましたよ。


その大物の中にたった一人新社会人。


もの凄い緊張感!


でも、どの方も這い上がってきた方だからでしょうか


当然、無知で自分からは話すこともできない私に


本当にお優しくくて気さくに話かけてくれるのです。


そんなお気遣いを受けるなか


お食事の邪魔をすることなく


スムーズに運びこまれるお料理たち。


美味しいものに目がない私。


うれしくてバクバク食べていたら


あっちからもこっちからも


「○○くん。これ食べなさい。」


とみなさんからお裾分け。


すると目の前に見たことのないお料理が


運ばれてくるではないですか!


そうです。


「松茸と鱧の土瓶蒸し」です。


これが土瓶蒸しとの出逢いでした。


内心「えっ!!いったいどうやって食べるんだ!?」


急須のフタの上にひっくり返されたオチョコ。


更に、その上に三日月切りにされた酢橘。


中はいったいどうなっているんだろう!!


新種のお茶?


お茶に酢橘は搾らんだろう!


オチョコってことはお酒かぁ?


熱燗っぽいけど、これも酢橘はいらないよなぁ。


んー。


って思っていることは絶対周りの方々には


バレバレだったんでしょうけど、


なんとか平静を装と周りの人が手をつけるのをチラ見。


しかし、周りはご高齢のおじ様ばかり


さっきからお料理になかなか手をつけない人ばかり…。


うぅ…。


困った!


そのうち「○○君。食べなさい!」


ってなるに決まっている!


ヤバイ!!


どうしよう!!


なんて横目であちこちチラ見していたら


きっとその様子に気がつかれたのでしょう。


私の向かいに座っている


ある一部上場会社の常務さんが


私に話かけながら


そっと土瓶蒸しに手を付けてくださったのです。


あの時は「ラッキー!助かったぜぃ!」なんて思いましたけど、


今思えば、偶然なんかではなく


私の為にしてくださった必然だったですね。


ようやく最近そう気がつきました。


心を大きく、差別なく、相手の目線に立って


人の為に何ができるかが大切であるのだと


教えられたような気がします。


土瓶蒸しを食べるたびに


この時のことを思い出しますが


だいぶ時がたっているのに、


そのことから大きな事を学べるなんて


私はなんと素敵な方に出会っていたのでしょう!


今度は私が後輩たちにやる番なんでしょうね。