公衆電話をあまり見かけなくなった今日、高齢者の方達は、屋外に出た時にどのような手段で家族や周りの方達と連絡をとっているのだろうか。

ほとんどの方が、携帯電話を持っているのだろうか。

屋外での緊急連絡は、高齢者の方にとって必須だと思うが。

 

 

母は90代半ばまで、自分の携帯電話を持っていた。

便利だろうと、私が通話時間が無制限の「かけ放題」プランにした。

 

母が携帯電話を持っていることは、緊急連絡に便利なことも多かった。

けれど、同じ屋根の下に住んでいながら、母には私達夫婦が知らない「秘密の空間」ができて、不都合なことが多くなった。

知らないうちに何かを決めていたり、事実とまったく違う話を他人にしていたり。

 

これらは故意にであったが、アクシデントもいろいろあった。

しっかりしていたはずの母が、真夜中に間違って生徒さんに電話をしたり、ボタンを押し間違って110番にも何度か電話した。

 

そこで、晩年は、子供用の「見守り携帯」にして、緊急用に家族とだけ連絡できるようにした。

母には家の電話を使ってもらえばよいし、自室でかけたければ私の携帯を使ってもよい。

外出には常に誰かが付き添っていたので、緊急の場合も心配はなかった。

 

けれど、この措置には、母はかなり不満だったようだ。

(説明して納得してくれてのことだったのだが)

「自分だけの空間」がないのは窮屈だったのだろう。

 

そうは言っても、あのまま自由奔放に「事実とは違う話」を誰かにされているのを放っておくわけにもいかなかった、と思うのだ。