昨日『おくりびと』を見ていたんですがね。
主人公が『納棺師』という仕事で、こう色々と思わされたワケですよ。
例えば、腐乱死体に触れた後、銭湯で必死に身体を洗ったり・・・
奥さんに納棺師の仕事がバレた後、触ろうとしたら「触らないで!汚らわしい!!」と叫ばれたり・・・
『汚れ』
ってなんなんでしょうかね?
食べ物を食べて、出てきたら『汚いもの』になる?
歳をとって老人になったら『汚く』なる?
子供が舐めた飴は口に出来るのに、お爺さんやお婆さんが舐めていた飴は口に出来ない?
俺は思うんですけどね、『汚れ』とか『汚い』って『心』から来るモンじゃないんですかね。
映画『バレットモンク』の中にこんなセリフが出てきます。
女が「アイツはクソよ。」と言った後、お坊さんが
「クソは土を肥えさせ、万物を育てる。」
と切り返すのです。
心の持ち方一つ、見方を変えるだけで、変わるんじゃないですかね。
結局は誰かがやらないといけないんです。
俺達が食べている豚や牛や鶏を殺す事も、ゴミを片づける事も、死体を扱う事も。
全ては俺達がやるべき事を、他人に押しつけてただ放棄しているだけなんです。
それを汚らしいとか、汚れているとか言っているのは一体何なんだろうかと。
確かに細菌感染とか寄生虫の問題からすれば『触らない方がいい』。
でも『触らない方がいい』のと『汚い』っていうのは、本来別物なんじゃないのかと思うのです。
子供に教える時に「汚いから触るのをやめなさい!」って言うし、言われて育ったからそういうものだと思いこまされているだけで、本当はどうなんだろうと。
・・・そういう色々な事を考えさせられました。