デジタル一辺倒の時代に、万年筆が売り上げを伸ばしているらしい。
 実情を知るため東京・日本橋の丸善を訪ねた。日本における万年筆販売の草分けであり、「ファウンテンペン」を「万年筆」と訳したのが丸善-といわれるほど万年筆と縁の深い会社である。
 うわさは本当だった。
 「万年筆の売り上げは5年前に比べ5割増になっています」と、日本橋店文具売り場長の山田明治さん。
 輸入品ならモンブラン・マイスターシュティック145(5万3550円)、ペリカン・スーベレーンM600(3万9900円)、国産品なら3万円ほどのセーラーのプロフィットシリーズ(長刀研ぎ)とパイロットのカスタムシリーズといった「定番」が同店の売れ筋という。
 「客層は以前は40歳以上のシニアの男性が中心でしたが、最近は20代の女性の方もよくお見えになります。若い女性にはパーカーやウォーターマンの2万円前後の商品がよく出ますね」
 ブームの背景を山田さんに尋ねるとこんな答えが返ってきた。
 「若い人たちはパソコンやケータイのメールの画一性に飽きてきたのでは? もっと自分の個性や気持ちを伝えたいと思った人たちが万年筆を《発見》したのではないでしょうか。また、よい万年筆を持つことは一種のステータスと感じるようです。ヴィトンのバッグを買うように、高級品を求める若い女性も少なくないですね」
 ちなみに同店でもっとも多く出るのはペリカンという。ペリカン日本に問い合わせてみると、「ここ5年の売上高は毎年、前年比2けた以上の伸び率を記録しています。一番人気はスーベレーンM400(3万1500円)です」とのこと。
 万年筆は本当に売れているのである。
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 こうしたブームの中で、万年筆マニアが集結して編まれた万年筆写真文集「
ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!―私が選んだ一本の万年筆/森 睦
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南雲堂フェニックス・3150円)が登場し、売れ行きも上々という。