
バケモノの子
サマーウォーズの細田守さんの作品ですね。
何より映像が綺麗でした。
また色んな国の建築物からそのエッセンスを抽出してこねあげたような街。ジュウテンガイ。素晴らしい。
ストーリー
ひとりぼっちになった9歳の主人公が渋谷と重なっている異世界、渋天街(ジュウテンガイ)のバケモノに声をかけられるところから始まる。
そのバケモノは熊徹といい、とても強く渋天街(ジュウテンガイ)の次の宗師(街の代表)候補。
今の宗師に焚き付けられて弟子をとる事に。そんな時ひとりぼっちの主人公に会い、無理矢理弟子にする。
そこからはいがみ合いながらもお互いを信用し始め、お互いを必要とする絆が生まれていくというお話。
お話はある意味単純なんですが、これに気持ちが入る入る。
キャラクターの良さもあるんでしょうが、やはり単純な作りで余計なモノを入れないという潔さみたいなものを感じました。
その一点にアニメーションの全てが向けられているぞ〜みたいな。
演技
熊徹の役所広司さんは上手い!
この作品は声優さんではなく役者さんが多いので、どうしても声がキャラに馴染まない感じがする中、役所広司さんの熊徹だけはバッチリでした。
広瀬すずさんとか宮崎あおいさんとかリリーフランキーさんとか演技の上手い役者さんで、
大好きなのですが、どうしても声がキャラに合わせきれていないように感じて声だけが浮いてしまっているように…
もちろん聴き慣れていけば定着するのですが、やはりプロの声優さんはすごいのだなと改めて思いました。
そんな中の役所広司さん。
自分を消す事ができるのかな…役所広司さんあっぱれでございます。
余談ですが、「役所広司さん」「刀を使う」の二つだと三匹が斬る!を思い出します。
千石という役なんですが、殺陣が荒々しくてカッコいいんですよ。
高橋英樹さんの上手な殺陣との比較で良さが倍増!
そこに春風亭小朝さんが上手にコメディ色を足して、さらに倍増!
という素敵な作品です。
テレビ時代劇ですがご興味のある方は是非!
???
作品の中で、唯一謎だったのは主人公が連れているチコ?の存在。
ハムスターなのかなんなのか。
主人公とコミュニケーションが可能な点があるため「じゃあチコはバケモノなのか?」という疑問が。
とすればバケモノの存在を元々、認知していた?…
スッキリして曇りの無い作品なだけに、その部分の小さなシミが目立つ目立つ。
もしバケモノなのであれば熊徹との出会いのインパクトが霞む無駄キャラな気がしてしまう。
母親の声や幻が聞こえるシーンはチコが登場しているから母親が転生した?
こんなに透明感のある作品なのに、なぜかチコという存在だけを有耶無耶にしてある(気付けてないだけ?)ので普通の映画と違い、そんなところがすごい気になってしまった。
とは言ったものの、全体的にとても素晴らしい映画です。
サマーウォーズも良かったけどこっちはもっと好みでした。