風呂デューサー的温泉地考察~万座温泉編~
こんばんは。風呂デューサーです。
前回旅行したことについて旅行者目線でお話ししましたが、今回は風呂デューサー的に万座温泉という温泉地を見ていきたいと思います。
位置関係など詳しい情報はこちらを参照してください↓
万座温泉観光協会↓
http://www.manzaonsen.gr.jp/index.php
温泉地に関して
万座温泉の温泉地としての特徴は高所の山に囲まれた温泉地ということです。こういった高地で積雪があるところは厳しい環境であるため、こういう地域に滞在すると健康増進に効果があります。弱った体力の回復には不向きです。
移動手段も路線バスのみと限られ、医療施設的なものもないため湯治場としての本質以上に冬はウィンタースポーツ、夏は登山、通年通しておまけとして温泉、がここに来る目的と言えそうです。
そういう人たちはプリンスホテルなどのホテルを使い、コアな湯治ファンは自炊も可能な古い旅館に泊まるというすみわけも少しあるようです。
規模はかなり小さく温泉街のようなものもなく、旅館ホテルだけです。観光地も徒歩で行ける範囲ではほぼないといっていいと思います。そのくらい静かで小さな温泉地です。
夕暮れ時に少しお散歩しましたが誰一人すれ違うことはありませんでした。
温泉に関して
一応万座温泉という名前ですが、それぞれの宿が持っている源泉がすべて違うため、厳密いうと一つ一つ個性のある温泉になり、微妙に異なっています。
おまけとして温泉とさっきは書きましたが、実は結構なポテンシャルを持つ特殊なタイプの温泉です。
というのも、酸性泉というものは、私の経験上溶存成分が非常に多い高張性の温泉に多いですが、ここは低張性です。
何が言いたいかというと、普通の酸性泉は酸性泉と規定される成分(水素イオン)の成分のほかにもたくさんの成分が入っているのに対して、万座温泉は少ない種類の成分が多量に入っているうえにほかの成分は少ない、すなわち少ない種類の成分だけが濃い温泉なのです!
とくに硫化水素の成分は異常です。硫化水素の含有量(豊国館)は109mgです。この数字がどういうことを意味するかというと、伝説の湯治宿、酸ヶ湯温泉も同じ硫化水素型の硫黄泉ですが、ここの硫化水素の量は11mgです。ちなみに硫黄泉に認定される量は2mgです。
そういうとすごさがわかるんじゃないでしょうか!規定値の55倍の硫化水素が含まれているんです!日本でも有数の硫黄泉が万座にはあるんですね。
硫黄泉の特徴である青っぽい白濁した温泉で、蔵王には負けますが、硫黄臭も感じられます。蔵王より含有量は多いんですが…
泉質別適応症は慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病、動脈硬化、高血圧です。皮膚と血管系の疾患には効果的な温泉です。
万座温泉共通の入浴感のひとつに、ふやけやすいという特徴があります。いままで温泉にたくさんはいってきましたが、初めてです。
この意味として考えられるのは皮膚を通して体内に水分が浸透しやすいということです。それにより何がいいかというと、体が非常に温まりやすいと言えます。実際に入った直後は全く汗が引かず、温まりも持続しました。
これも硫化水素の血管に作用する効果なんでしょう。
その際に来ていた服は家に帰っても硫黄のにおいがずっとついていました。そしてなぜか帰ってきてから食欲がものすごいです。温泉の効果でしょうか…?
総括
個人的には少し不安も感じさせる温泉地ではありました。いかんせん何にもないので、私のような温泉マニアとしてはどこの旅館も日帰り入浴をしていてありがたいですが、旅館の風呂だけでいいという人には楽しみが少ないです。とくに活動的な若者には物足りなさを感じるかもしれません。
個人的には初期の血管系の疾患には効果があるんじゃないかと思っています。ぜひ実体験等聞いてみたいですね。
観光案内所がすっからかんだったのも行政が力を入れていないような印象を受けました。
ひとつ隣が天下の名湯草津温泉とあれば人気がそちらに行くのも仕方ないですが、草津の良さとは違った静かな山深い環境と日本トップクラスの硫化水素の温泉が万座にはあります。これらの良さを生かして今後も頑張ってほしいなあと思います。