ふたりの距離の概算 | アイフォ戦士の戦死日記

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私の持ちうるコンテンツの中でアニメについて語れるものはここしかなかった。
お久しぶりです。私です。

テレビアニメの氷菓というタイトルでお馴染みの古典部シリーズを読んできました。
概要は省略します。自己満なので。

本音を言うとなにも前知識がない状態で読んでほしいです。
それだけいい作品だと私は感じています。




・以下ネタバレ有の感想


完全にミスリードに導かれるままに間違った推論を立てて読み進めました。

古典部の新入部員である大日向が退部した理由をホータローがマラソンの中で考えるという話でしたが、タイトルの「ふたりの距離」というキーワードをもとに考えると、どうしてもホータローと古典部メンバーの関係に目を向けてしまったため結論には至りませんでした。

恥ずかしながら、最後の最後まで退部の理由は古典部の「仲が良さそうに見えて実はそうでもない」という点にあるものだとばかり考えていました。

特にホータローが回想で言っていた「俺は周りのことをよく知らない」というワードが引っかかっていたので、「仲良しオーラ」を感じて入部してきた大日向がそれを感じれなくなったために退部という流れが一番自然だと感じたためです。

答えとしては全く違ったものだったわけですが、中盤の回想にて古典部のお互いの付き合いの浅さを突くような描写が多々されていたため、見事に騙される結果になりました。


タイトルについてもよくつけられたタイトルだと思います。

作中にて各々の「ふたりの距離」について触れていて
・ホータローと古典部
・えるとホータロー
・まやかとさとし
・そして大日向とその友人

その全てをひっくるめてこの本のタイトルが「ふたりの距離の概算」なんですよね。

「CROSS†CHANNEL」だったりもうそうなんですが、こういう巡り巡ってタイトルに行き着くようなネーミングは個人的に大好です。


そしてラストでは、過去の回想で出てきた何気ない一言を、最後の謎解きパートでうまく絡めて回収していく様が見事でした。

「友達が言っていた」
確かに文頭にこれを付け足されただけじゃ本人の意思だと感じてしまいますね。
作中でも言われてた気がしますが、これは言いづらいことを言うときに使う言葉です。
この固定概念を逆手にとったトリックには見事の一言です。



このラストで全ての謎を解きながら一気に駆け抜けていく感じは、アニメ版氷菓の文化祭(クドリャフカの順番)に通じるものがあると思います。

個人的に氷菓で一番好きな回でもあるのですが、その理由として「モヤモヤ」が一気に晴れる感覚がこれ以上なく気持ちいいんですよね。

こういうのを「カルタシス」って言うんでしょうか。

私、気になります。


もし、このブログを見てくださった方で、且つアニメ版氷菓の文化祭が好きだって人は
是非「ふたりの距離の概算」も手に取ってみてください。

普段はミステリー小説なんて読まない私でも一気に読み切ってしまうほど
読みやすく、そして誰しもが熱中できる本だと思います。



いつになるかはわからない氷菓の2期が、本作品を見て非常に楽しみになりました。

原作のストックがない氷菓の2期を待つ・・・。

それはもう概算のしようがなかった。