初仕事
先日の21日、友達(元同僚)の結婚式があった。
実はその結婚式での、新婦のカラードレスと新郎のスーツの衣装製作の依頼を受け、ここ3ヶ月、その衣装製作に全力を注いでいた。
年末に見習いで働いていた仕立て屋を辞め、まだまだ半人前の腕なのだが、恐れ多くも個人としての初仕事となった。
仕立て屋時代にベストとズボンはお客さんのを作っていたが、本当に最初から最後まで、更にドレスまで、たった一人で製作する(仕事として金銭が発生しているという意味での製作)というのは初だったので、まあ大変だった。。。
私の性分からして、どんなに時間に余裕があろうと、余裕を持ちすぎてしまい、いつもギリギリまで追い込まれてしまう癖が今回も出て、最後の2週間はほぼ寝てない&当日の挙式直前まで、新郎新婦の控え室でちくちく縫っていた。
追い込まれるのは大好きなので、むしろその追い込まれてヒリヒリする感覚を得たいがためにやっているのではと錯覚してしまうほどだ。もはやプレイだ。
結果、依頼主の二人がとても喜んでくれたので、一応成功という形にはなったのだが、自分自身では満足できていないので、悔しい気持ちでいっぱいだ。
ドレスの方は本業ではないし、以前やっていた作撮りの成果が出て、我ながらキレイに出来たとは思う。しかしスーツの方は、完成した瞬間の安心感はあるものの、自分の実力を目の当たりにして、一瞬で萎えた。出来のよくない部分にしか目は行かないし、理想の形には届いていない。満足などはない。
しかし、それはこの先一生付き纏うであろう解決しない出来事なのだと、実感。
と同時に、その出来上がりのダメさに対する悔しさがある限りは、ずっと続けていくことが出来るのだろうと再認識した。そして、それがものづくりを仕事に選ぶという事なのだなぁと改めて思う。
自分の手から生み出されたものが、人に喜んでもらえるという喜びと、ただ、自分自身では一生満足することのない寂しさと、愛しさとせつなさと心強さと、、、。
また、見た目のキレイさ(体に合っている)がオーダーの一番良いところではなく、そこは大前提で、私の作る洋服の本質は、着心地を最重要視しているのだが、見た目からはそこまでは伝わりにくいので、その歯痒さもある。
と、初めての仕事で、改めて考えさせられる事がたくさんあったので、長々とこの場をお借りして独り言を言ってみました。
おしまい。
