不定期連載ですが、消防職員協議会を発足する過程の小説を執筆していきます。
不定期なので、気長にお待ちください。少しでも協議会の実態や、消防職員協議会発足の足がかりに貢献出来ればと思います。
消防職員協議会発足小説「凛 〜りん〜 」
第1出動 プロローグ
本小説を絶望的とも思われる過酷な状況下で、現在も日本のどこかで懸命な救助・救命活動を行なっている全ての消防官達に捧げる…。
「消防」
まさに、燃え盛る炎を消し、災害を防御する国民の生活を影で守る職業である。
世界各国で消防組織が整備されており、日本国においては約15万人の消防官達が、日夜、尊い命を救うために懸命な消防活動を続けている。
太古より、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスが家や神殿を火災から守るため、兵士に動くと火災を知らせるための音が出る金具のついた制服を着用させ、消防を組織的に整備した事に始まり、我が国日本国においては、江戸時代に江戸幕府により、頻発する火災に対応する防火・消火制度として定められた、武士によって組織された武家火消(ぶけびけし)と、町人によって組織された町火消(まちびけし)に大別され整備されていた。
一言で言っても消防の業務というのは多岐にわたる。
火災を防御・鎮静し、救急活動においては、消えゆく命に対し、救命という技術を用いて息吹を吹き込む。
また、火災を予防するのも重要な任務とされている。
消防職員は、何よりも国民を守るという明確な任務が「消防組織法第1条」に記載されており、「消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うことを任務とする。」と記されている。
この崇高な目的を達成し、消防のエンブレムにもあるように、国民にとって太陽のような存在であり続け、そして、絶望的な状況下においても、決してブレることのない「凛とした消防官であり続けること」こそ、その崇光な任務を達成するためには必要不可欠であり、常に求められるものである。
しかしながら、悲しいことに消防独自の上意下達という消防カースト制度ともいえる中で、間違ったことも容認せざるを得ない中、様々ないじめやハラスメント に耐えている職員がいることも確かであり、多くの夢を抱いて消防の門を叩いた若者が、自ら消防職場を去ることや、最悪のケースとして、自ら命を絶ってしまうことがある。
2013年10月には、S市消防局で20代の男性消防職員が上司の執拗なパワハラが原因として自殺を図り、尊い命を自らの手で落としている。
国民の命を救うはずの者が、自ら命を絶ってしまうという、決してあってはならない事態にも関わらず、こういったハラスメントの事例は後を絶たない。
また、24時間もの間、多くの消防官が当直勤務をする中で、執務環境や生活環境が劣悪な消防組織も少なくない。
男女共同参画が推奨され、女性消防職員が増えていく中で、男性職員と同じトイレや風呂場を使用せざるを得ない職場もあり、同じくしてそれらが原因で肩身の狭い思いをしている職員もいる。
このような問題を抱える限り、災害現場において最大級のパフォーマンスを発揮することは難しく、それが国民の生命に対しての不利益に繋がってしまうのである。
そうなると、消防の任務の達成は難しくなってしまう。
夢を抱き、厳しい試験を突破し、憧れの消防の門をくぐった若者達が、その崇高な志を任務に反映させ、そして退職するその時まで、その志は入職した時よりもさらに色濃くなる消防人生にしていただきたいと思う。
そのためには、上意下達に屈せず、多くの仲間達が肩を支え合って、絆を深めることの出来る消防職員協議会が必要であり、協議会活動を通してグローバルな国際的な視野を持ち、多くの仲間と交流を深めていくことで、仁義ある人間性の成熟を促し、「凛とした消防官を育てる」ことこそ、住民目線の消防行政を進め、住民に対し最大限の貢献をする事が出来るのである。
小田原市消防職員協議会では、実際に様々な逆境を乗り越え、職員数名の意志で協議会を立ち上げた、とある某消防職員協議会の発足に至るまでの経緯と献身的な活動をシリーズで紹介していく。
続く…。



