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 社会契約説とは、王権神授説に対抗した市民革命の理論です。国を統治していくためには、国家権力が必要であることは冒頭にも述べました。王権神授説では、それが神から授けられた国王にありました。しかし、社会契約説では、統治権は国民が統治者に契約によって与えたものであると考えます。したがって、統治者が国民の意思に反した政治を行えば、それを打倒して新しい指導者を選択すればよいと考えます。


 社会契約説を唱えた代表的な学者は3人(ホッブズ、ロック、ルソー)です。


 まずはホッブズ(イギリス)。主著は『リヴァイアサン』。彼は、人間は自然権を与えると自分の思うように好き勝手に行動します。だから無政府状態(自然状態)では、「万人の万人による闘争」が起きるとしました。したがって、人間は自らの生命、安全、財産すなわち自然権を守るために国家を作ったと考えます。そして、自らの安全を守るために、自分らの保有している自然権を統治者(国王=君主)に全面譲渡します。このようにして、彼は絶対王政を擁護する理論を打ち立てることになります。


 しかし、ロック(イギリス)は少し異なります。彼は、自然状態は平和な状態と定義します。しかし、その平和は不安定、不完全なものです。そこで国民の自然権を守るために、自然権の一部を国家に委託し、国民の代表によって国家が形成されたと考えます。このようにして生まれた国家は国民のために存在します。したがって、国家が国民の自然権を侵害するようなことがあれば、国民は国家を打倒してもよいと考えます。これを抵抗権革命権)と呼びます。


 最後にルソー(フランス)です。ルソーもロックの思想とは若干異なります。自然状態の定義は、ロックと同じです。ところが文明社会の発達に伴い、格差が生まれ、各人の有している自然権が侵害されるようになります。そこで、個人の自然権を守るために国家が作られたと考えます。国家は、国民の利益を実現するために、国民の求めるニーズ(一般意思)に沿った政治を行う必要があると述べました。