パティシエの“飛鳥”は美人で魅力的な大人の女性だが、恋愛のせいで仕事も親友も失い…ついに、遺伝子レベルで恋愛をコントロールする「ラブドック」を訪れる。数多くの恋愛を経験するがなかなかうまくいかない主人公を務めるのは、今作『ラブ×ドック』で映画単独初主演となる吉田羊。恋のお相手となる年下男性“花田星矢”を野村周平、イケメンのジムトレーナー“野村俊介”を玉木宏が演じる。

インタビューの部屋に入ってきた吉田は、取材陣ひとりひとりに丁寧に挨拶する細やかな気配りで、大人の素敵な女性そのもの!玉木は、吉田を包み込むように優しくサポートし、野村は場を盛り上げてやんちゃだけど可愛がられる年下男子っぷり。絶妙なバランスの3人がお互いについて思うことや撮影中のエピソード、役との共通点など話してくれた

 

 

今作は、人気バラエティや、「ブスの瞳に恋してる」「ハンサム★スーツ」といった小説・エッセイ、映画の脚本を手掛ける鈴木おさむの映画監督デビュー作。「大人も楽しめるラブムービーを作りたい」と考え、脚本も自ら手掛けたオリジナル作品だ。

 

■吉田羊が複数の男性と恋愛!

 

――鈴木おさむさんの初監督作品となる今作ですが、出演が決まっての感想、また、台本を読んでどう思われたか聞かせてください。

 

吉田羊:吉田羊の恋愛を撮りたいという鈴木おさむ監督は勇気のある方だなとまず思ったのですが、台本を読ませていただいて、吉田羊の恋愛映画というだけでそのものがファンタジーなんですけど(「そんなことないです」と隣の玉木が優しい声で否定)、オブラートに包んで仕上げていて、出来上がりが楽しみな作品だなと。

 

玉木宏:シリアスになりそうなところを鈴木おさむ監督らしさが散りばめられた、軽やかな作品になるんじゃないかなと思いました。女性が恋愛することを応援するような映画になっていると思います。

野村周平:僕、なにげにこういうの(年下のかわいい男子)得意じゃなさそうなんですけど、すごい得意なんですよね(笑)。こういう可愛い役の話をくれないかなと思っているときにおさむさんが声をかけてくれて。衣装合わせのとき、「わかってますねおさむさん、こういうのやりたかったんです。僕はまるので」って言ったんですよ(笑)。おさむさんは「ありがとう」って言ってました(笑)。

吉田:(笑)そうなんですよね、意外とぴったりだなと。世間をざわつかせたりするやんちゃなイメージがあるのに、実は役との向き合い方も真摯で。加えて人たらしなので、彼らしさが反映されているな、むしろ当て書きなのかなというぐらい、役柄にぴったりでした。

 

玉木:人のふところにすっと入っていくようなところも役に反映されていてね。
 


 

――飛鳥が出会う恋のお相手として複数の男性が登場しますが、お互いが恋愛の相手役での共演とわかったときはどう思いましたか?

 

吉田:野村くんに関しては、定期的に共演していて、毎回私の娘に手を出す男の役なんですよ。距離が縮まることは永遠ないなと思っていたんですけど(笑)。相手役ということで周平くんどんな気持ちでいるのかな、というのをまず思いました。これまで撮影現場でもあまり絡みがなかったので、今回楽しみにしていました。玉木さんは想像していた通りの方。さっきのコメントでも、そんなことないよと言ってくれるような、現場でも本当に優しくてスマート。役に入る直前まできちんと玉木宏さんでいてくださって、いつだって玉木宏さんなんですよ。

野村:そう!玉木宏さんなんですよね。


吉田:玉木さんがコメディをどう料理されるか楽しみでした。紳士なのでコメディというイメージないですよね。


――観ていてとても楽しい役でした。ひどい男でしたね(笑)

玉木:そうですよね、ある意味一番ひどかったかも。

 

野村:僕も、“玉木宏”という像は紳士でクールで、すごいかっこいいというイメージ。だから、完成を観たとき一番爆笑したんです。玉木さんに「一番おもしろかったです」とメッセージ送って。最高でした。

 

玉木:羊さんとは以前、夫婦役をやらせていただきましたが、今回もてあそぶ役になり下がって(笑)。羊さんについては、飛鳥という役をどう演じるのか楽しみでした。すごく現実味があるというか、ちょうどいい匙加減。ほんとに羊さんでないとできなかった役だなという感じがします。

 

■好きになる要素しかなかった

 

――野村さんは吉田さんとの共演がわかっていかがでしたか?吉田さんが演じる年上の女性に恋をされるという役でしたが。

 

野村:僕は、羊さんとは一年に1回は共演していて、これまでに5、6回は共演しているんですけど、がっつりとした共演は初めて。しかも急接近したので。でも、とてもやりやすかったです。もう好きになる要素しかないですし。演じていて楽しかったです。羊さんが優しかったので。

 

 

――大人の女性に恋してもらうという役柄で、逆に意識したことはあるのですか?

 

野村:とにかくかわいくいること。年相応に、変に大人ぶらずに。気を遣わずに。

 

©2018『ラブ×ドック』製作委員会

 

――玉木さんと野村さんは劇中に絡みはほぼなかったですが、いかがでしたか?

 

野村:この作品のなか打ち(上げ)で連絡先を交換して、そのあとに、違う撮影で滋賀にいたとき、玉木さんが京都にいたことがあって。

 

玉木:京都駅で偶然会って。


野村:僕、玉木さんが京都にいる!と認識しちゃったんで、ヤバイ!と思って。そうだ京都に行こう(笑)って。


玉木:京都に来てくれたので焼肉食べに行って、飲みにいったんですが、楽しかったです。この作品がきっかけなんですよね。


野村:そのときは玉木さん、お金持ってないです!って甘えて(笑)
 

玉木:ハハハ、絶対に持っているでしょう(笑)


(と、仲良さそうな二人のやりとりを見て)

吉田:男の人ってそういうところいいですよね。話が早いというか。

 

――男性ならではの、意気投合というかんじですね。恋のお相手という役柄でしたが、実際に演じていてドキドキしたシーンはありましたか?


野村:僕は水族館でのシーン。手が触れるか触れないか、一回避けられたけど小指が当たっている…みたいなところです。撮影現場でも、「ラブコメ撮っているかんじしますね~」という話をしながら(笑)。今までは「娘になにやっているの」と怒られてばっかりだったんで。急にこんな感じになって、違う羊さんが見れて、役でもなんですが、純粋に恋していると思って、僕が。羊さんがきれいですよやっぱり。きれいだしこんなパーフェクトな振る舞いができる方もなかなかいないので、見ていて勉強になりますね。役者としてもそうですし、人としても。

吉田:それぞれの役のアプローチがとてもおもしろかったんです。(吉田)鋼太郎さん(=スイーツ店オーナー役)は鋼太郎さんらしくて。キスシーンを撮る前に「僕はどこまでやっていいのかな」と言っていて、コワイぞと(笑) それがすごく鋼太郎さんらしいなと思って。玉木さんはキスのシーンのピンポン玉。(ピンポン玉を弾くシーン)あれね、一発OKなんですよ。なんて運動神経の良い方なんだと思いました。野村くんはとにかくかわいくて。普段は絶対甘えてこないんですけど、役のスイッチが入ると、あ~(わしゃわしゃ!)とやりたくなるような感じで。

 

©2018『ラブ×ドック』製作委員会

 

玉木:(役のジムトレーナー)“野村”はただ、体の関係を持ちたかっただけかもしれないけど、飛鳥と行った卓球のシーンはよかったです。人と仲良くなれる、すごく恋が芽生えやすいスポーツなのかなと思ったんです。実はこの作品のあとに、自宅に卓球台を買ったんです。

 

吉田:パートナーシップがね、呼吸が大切なんですよね。

 

©2018『ラブ×ドック』製作委員会

 

■親友の好きな人には手を出しません!

 

――演じた役の共感できる点、嫌いな点はどこですか?

吉田:似てるなと思うのは、最終的に自分を肯定できるところ。最終的にポジティブになれるところですね。恋に限らず人生は、自分の気持ち一つで捉え方が変わるから。私もどんな状況でも、どんなことが起きても、そのことは自分の人生にすべて意味があり必然だと思っていますし、今まで起きたことすべてつながって、今の自分があると思っているので。何事も自分の気持ち一つで変換していける。そして今の自分を肯定して進んでいくということを常にしていきたいと思っている。そこが飛鳥とかぶるところだし、飛鳥のポジティブな思考に共感できます。苦手なところは、親友の好きな人に手を出すところ!私は友達がそんなに多くないんですよね。多くなくていいと思っているんです。わりと心を開くのに時間がかかるので、その私が親友だと思った人というのはよっぽどだと思う。その親友の好きな人に手を出すというのは…。友達関係は大切にしたいなと思っています。


野村:(共通点は)かわいいところじゃないですか?やっぱり(笑)。年上の男性、女性に関わらずどっかに甘えられるというところは似ていると思いますけどね。許せないところは、水族館とか(周りの目があるところ)で女の人に「こっちのほうがおいしいよ」みたいに(いちゃいちゃ)やるところ。家とかで二人っきりでとかだったらわかるんですけど。僕自身がそういうのを見たら、え、何やってるの?ってなってしまうので。男の人には甘えられるんですけど「玉木さ~ん」って。やっぱり女性にはそういう感じにはいけないんですよね。好きなところは、素直なところですね。一番ちゃんと恋していたというか。


玉木:したたかなところにリアリティを感じたんです。やはり女性とそういう関係を持ちながらもビジネスのことも考えたりして。飛鳥さんが(親友の)千種さん(=大久保佳代子)に二人の関係を言ったことで、(一人の顧客である千種との)連絡が取れなくなった。それが困ると思うのがリアルで、(人間として)共感できる部分だと思いました。仕事に対してプライドをもって追求してやっている感じは好感が持てる半面、人の体に手を触れる職権乱用をしてそこから先にいってしまうところは、嫌いなところ。女性だったらきっと怖くなってしまうと思うんですよね。一線を保たないといけないところだろう、と思います。

 


――今作を通して得た新しい発見や、見どころを教えてください。


野村:僕はもう、こういうかわいい年下の役もできるんですよ!というところです(笑)。自分もこういう役がやりたかったなというときにジャストミートでこの話がきたので。できる限りの年下男子を演じたので、ぜひ年下をもっと好きになってくださいというかんじです。これで年下男子はちょっとの間、封印。僕のかわいさ封印です!無駄打ちせずにこの一本に決める。それか、おさむさんに、またやってと言われたらやります(笑)。

 

吉田:あらためて再認識したのは、何事もやらずに諦めることはしないでおこう、ということ。恋にしても何にしても、開けてみなければわからないですし、恋愛して傷ついたとしても、でも恋愛をしなければその感情も得られなかった。やっぱりそのいろんな思いをした上で、得られるものが絶対にあると思うので。改めて、躊躇しないということを自分の肝に銘じました。

玉木:恋愛に限らず、失敗しても起き上がるべきだし、そういうことを感じていただける作品になっている。誰もが最初からは成功しない、やはりそこにリアリティがあると思います。経験を経て最終的に、自分自身が幸せになれる環境にたどり着ければいいな、と。そういうことを教えてくれる映画だと思います。

吉田:失恋したところで死にやしないんですよ。ツライ思いをすると、同じ思いをした人に寄り添えるようになるし、何かしら得るものがあるので、無駄なことはないと思います。


Photography=Mayuko Yamaguchi

Interview=Ameba

Hair&Make:paku☆chan(ThreePEACE)/玉木宏担当:渡部幸也(ELLA)

Stylist:梅山弘子 (KiKi inc.)/玉木宏担当:上野健太郎

 

2018年5月11日(金)全国ロードショー

映画「ラブ×ドック」公式サイト

 

©2018『ラブ×ドック』製作委員会

©2018『ラブ×ドック』製作委員会

脚本・監督:鈴木おさむ
出演:吉田 羊 野村周平 大久保佳代子 篠原 篤 唐田えりか 成田 凌/広末涼子 吉田鋼太郎(特別出演)/玉木 宏 
アートディレクション:飯田かずな ミュージックディレクション&主題歌:加藤ミリヤ
企画・制作・配給:アスミック・エース

 

【STORY】

とあるところに存在する恋愛クリニック「ラブドック」。そこは恋愛体質の人にこそ、意味のある場所。ある日訪れたのは人気パティシエの剛田飛鳥。人生で成功を収めながらも、節目節目で恋愛に走り、仕事を無くし、親友を無くしてきた。そんな飛鳥に、魅惑の女医、冬木玲子が処方したのは、遺伝子から抽出したという、特別な薬。これを打てば危険な恋愛をストップできる優れもの?果たして彼女の恋愛模様は、薬で軌道修正できるのか?いくつになっても恋をしたい!毎日を楽しみたい!でも理想と現実がかみ合わない……。
そんな女性たちに贈る、遺伝子レベルで恋が始まる、究極のラブコメディ!

 

ベル吉田羊オフィシャルブログ「放牧日記」Powered by Ameba

 

ベル鈴木おさむオフィシャルブログ「放送作家鈴木おさむのネタ帳」Powered by Ameba