マンガアプリ「マンガボックス」にて連載され、人気を集めた大ヒット漫画を実写映画化した『恋と嘘』は、主人公の仁坂葵(森川葵)が、ずっと側にいてくれる"最高の"幼なじみの司馬優翔(北村匠海)と、遺伝子情報などをもとに政府が選んだ"最良の"結婚相手である高千穂蒼佑(佐藤寛太)との間で揺れる恋心を描いた、近未来の日本を舞台にしたラブストーリー。

 

本作で、葵に想いを寄せる2人のイケメンを演じたのが北村匠海と佐藤寛太。人見知りの北村と社交的な佐藤、タイプは違えどもプライベートでも遊ぶほど仲が良いという彼らに撮影現場のこと、恋愛のこと、そして2人の密な関係について話を聞いてきた。

 

 

■「俺は、匠海くんみたいな人が大好き」(佐藤)

 

ーー本作は、”いつもそばにいてくれる最高の幼なじみ”と「超・少子化対策法」によって”政府に選ばれた最良の結婚相手”との間で主人公の仁坂葵の揺れ動く恋心を描いている物語です。この作品を通してお二人は、どんなことを感じましたか?

 

北村:まず政府通知という、絶妙に近未来感のある設定が面白いなと思いました。誰もが最良の相手と出会える世界ってすごいなと。

 

佐藤:僕は、高千穂という役を通して自分の気持ちを素直に伝えたからといって、それが100%相手に届くわけじゃないなと思いましたし、それが届いたからといって相手が自分の思い通りに振り向いてくれるわけじゃないんだなと感じました。(森川)葵ちゃんのお芝居からも、そういうことが感じられて、人の感情は難しいんだなと改めて思いました。

 

(C)2017「恋嘘」製作委員会 (C)ムサヲ/講談社

 

北村:政府通知というものがあるから一見複雑に見えるだけで、実は作品の伝えたいことはシンプル。ストレートに「好き」という感情について描かれているんですよね。本当に多くの人に観てほしいですし、特に恋愛に奥手な人にこそ観て欲しい映画です。

 

 

ーー北村さんは葵のそばにいつもいてくれる心優しい司馬くん、佐藤さんは無口でミステリアスな高千穂くんを演じられましたが、ご自身とキャラクターに共通する部分はありましたか?

 

北村:僕は真逆かなと思います。

 

佐藤:匠海くんは司馬くんのように優しいし、ツンツンしているわけじゃないけど、ちょっとクールだよね。

 

(C)2017「恋嘘」製作委員会 (C)ムサヲ/講談社

 

北村:よく掴めないって言われるんです(笑)。中学校から高校までの6年間、毎年、「話かけないでオーラがでている」って言われてきました。そんなつもりはないんですけど…。

 

佐藤:ゲームも好きだし、漫画も好きだし、映画とかもたくさん観てるし、男の子だったら絶対に共通の話題があるんです。仲良くなって、懐に入っちゃえば"北村匠海"という人柄が分かってすごく面白いんですけど、女の子からすると謎が多いかもしれない。

 

北村:「なに考えてるの?」ってすごく言われます(笑)。人見知りっていうのもありますし。

 

 

ーー一方で、佐藤さんは?

 

佐藤:僕はオープンなタイプですね。おしゃべりだし、人が好きなんで。特に、匠海くんみたいな人は大好き。

 

北村:ははは(笑)。

 

佐藤:自分と同じタイプの人って話さなくても、だいたいどんな人か分かるんですよ。だから、匠海くんみたいな何を考えているか分からない人のほうが興味があって。

 

 

ーーそうなのですね。佐藤さんは、初対面からぐいぐいこられました?

 

北村:ぐいぐいきましたね、距離感がゼロでした(笑)。でも本当に寛太くんが気さくに話しかけてくれて。僕は、そういうタイプの人じゃないと心が開けないタイプだから嬉しかったです。

 

 

■2人が女の子にときめく瞬間は…?

 

ーーお二人とも、演じられたキャラクターとは全く違うタイプということですが、好きな女の子の幸せを願って自分の気持ちを抑えるという部分には共感できましたか?

 

佐藤:共感しますね。

 

北村:僕も共感できます。

 

 

ーーでは、好きな子が違う人を好きだったときは身を引くのでしょうか?

 

佐藤:諦めたくはない!…だけど自分と一緒にいるときよりその人といるときのほうが楽しそうだったら、身を引いちゃうかも。

 

北村:僕は、自分の好きな女の子が違う人を好きな時点でダメになっちゃう。振り向かせる自信がないから。

 

佐藤:俺も自信はないよ。「でも、好き!」ってなっちゃいます(笑)。

 

 

ーー身を引く前に、自分の思いを伝えたりは…?

 

北村:あぁ……どうだろう?すっごい軽く伝えるかな。

 

佐藤:その頃には、女の子は僕の気持ちに気付いているんじゃないかなと思いますけどね。ご飯とか誘っている時点で、「この人、私のこと好きだな」って思われてそう(笑)。

 

 

ーー佐藤さんは、恋愛においてもぐいぐいアピールするタイプなのですね。

 

佐藤:分かりやすいですね、多分(笑)。

 

北村:僕は、あんまりアピールしないタイプです…(笑)。

 

 

ーーところで、本作は恋愛映画ということで、女性たちがときめいてしまうようなシーンがたくさんありました。お二人は最近、どのようなことにときめきましたか?

 

佐藤:こういうこと言うと狙ってると思われそうなんですけど(笑)、赤ちゃんです。昨日、赤ちゃんが夫婦喧嘩をなだめるという動画を見たんですけど、赤ちゃんだから「うん」しか言わなくて、お互いのことを絶対に肯定してくれるんですよ。それが本当に可愛くて…!

 

北村:へぇ…!

 

佐藤:伝わらないよな…いまのカットで(笑)。

 

 

ーー(笑)。北村さんはいかがでしょう?

 

北村:僕は、サメですね。

 

佐藤:サメ(笑)?

 

北村:もともとサメの映画を観るのが好きなんですけど、最近はSNSでサメの動画を見るのにハマっていて。

 

photo by 佐藤寛太

 

ーーサメと言えば、怖いイメージがありますが…。

 

北村:僕も、最初は怖い生き物かと思っていたんですけど、いまはもう愛情しかないです(笑)。

 

佐藤:サメって鼻の頭を撫でるとふにゃ~んってなるんだよね?

 

北村:そうそう!意外と可愛いところもあるんだよ。

 

 

ーー女性にときめくのはどんな瞬間ですか?

 

佐藤:クスッて笑っているところが可愛いと思います。携帯を見て、クスッって笑っている人とか。なんで笑っているの?って気になっちゃう。

 

北村:それを言ったら寛太くんも1人で笑っているよね。この間も何かの動画をみながら1人で「わはははは~」って大声で笑ってた(笑)。

 

佐藤:俺、1人で笑っちゃうんだよねぇ。電車の中で1人で笑っていて、葵ちゃんに気づかれたこともあったんです。たまたま撮影までの電車が一緒で、俺が1人で笑っているのを見つけて「あ、いる」ってなったって(笑)。

 

 

ーー佐藤さんは、だいぶ大きな声で笑っているんですね(笑)。北村さんは?

 

北村:僕は、三つ編みが好きです。それも女の子同士が「三つ編み講座~!」とか言って、急にしだすゆるい三つ編み。そんな光景を見かけたことがあって。

 

佐藤:ごめんなさい、まだ「三つ編み講座」というものに出会ったことがないです(笑)。

 

北村:あ、ごめん(笑)。三つ編み講座じゃなくても、時間があったから三つ編みしました~って感じのゆるいのが良いですね。

 

 

■「寛太くんは本当に感性豊かなんです」(北村)

 

 

ーー撮影現場のことについてもお伺いします。お二人のお話している様子を見ていても、かなり和気あいあいとした現場だったのが伝わってくるのですが、現場でなにか印象的なエピソードはありましたか?

 

北村:毎朝、寛太くんがおもしろい話をしてくれて…。

 

佐藤:おいおい、それをどこでも言うなって。ハードルあがるだろう(笑)!

 

 

ーー例えばどんなお話を?

 

北村:言えるような話じゃないです(笑)。

 

佐藤:本当にくだらないことです(笑)。匠海くんだけに話していたつもりが、ロケバスのみんなに聞かれていた…なんてこともあったよね。

 

北村:葵ちゃんも寝ているかと思ったら、クスクス笑ってたね。

 

 

ーー本当に仲の良い現場だったのですね。

 

北村:そうなんです。あとは、寛太くんが泣く予定じゃないシーンで大号泣してしまって、1時間くらい涙を止めなかったっていう話を聞きました(笑)。

 

佐藤:キスシーンだよね。葵ちゃんに悲しい顔をされて、演技だって分かってても、すごく悲しくなってしまって。1人で大号泣していました(笑)。

 

photo by 北村匠海

 

北村:寛太くんは本当に感性豊かというか、感受性が強いんですよ。

 

佐藤:匠海くんは葵ちゃんが泣くシーンのときに、サプライズで登場したよね。

 

 

ーー北村さんが、現場にサプライズで?

 

北村:はい。僕のナレーションが流れるシーンだったんですけど、葵ちゃんの目の前で(ナレーションを)言おうと思って現場に行きました。葵ちゃんも感情を込めることができたみたいで、すごく良いシーンになって。

 

佐藤:本当にやることが男前ですよね。

 

北村:ドヤ顔で楽屋に戻りましたけどね(笑)。

 

佐藤:ははは(笑)。でも、自分のお芝居で相手が影響されるって、そんなに嬉しいことないよね。

 

 

■再共演するなら、ボーイズラブ?コメディ?

 

 

ーー本作の「恋愛禁止の世界」という設定にかけて、これを禁止されたら生きていけない!ということがあれば、教えてください。

 

佐藤:あくびを禁止されたら、絶対に生きていけないです。

 

北村:なにを言ってるの(笑)?

 

佐藤:俺、本当にあくびがすごいんですよ!暇だったらずっとしてる…っていう今も、あくびを噛み殺しているんですけど(笑)。

 

北村:あくび禁止の世界って…(苦笑い)。

 

佐藤:掴み悪いね。カットで(笑)。

 

 

ーーカットのところは全部使わせていただきます(笑)。

 

佐藤:(笑)。

 

北村:僕は、おしゃれ禁止って言われたら困ります。というか、概念がなくなりますよね。

 

 

ーー確かに。おしゃれはコレといった正解がないですもんね。ちなみに北村さんは、どんなファッションがお好きですか?

 

北村:古着が多いですけど、夏は基本的にデニムにTシャツ。デニムはタグまでこだわっています。

 

佐藤:自分で作ったりもしてるよね?

 

北村:うん、自分でリメイクするのも好きですね。あとは、Tシャツも好きで、撮影には着ていけないようなインパクトの強いTシャツもたくさん持っています(笑)。

 

佐藤:ひらがなで「ふつう」って書いてあるのを着ていました(笑)。

 

北村:あれは、まだ軽いほう(笑)!

 

佐藤:匠海くんの私服は大人っぽいけど、パンクな感じもあるよね。

 

北村:そうそう。革靴とかも好きなんだけど、パンクっぽい、やんちゃな感じも取り入れたくて。寛太くんの私服は黒いイメージ!

 

佐藤:クローゼットはほとんど黒かも。僕は、ラクさを重視していますね。太いパンツに大きいTシャツとか。

 

 

ーーお互いのことを知り尽くしていますね。お二人は休日も一緒に過ごしたりするのですか?

 

佐藤:この間も、匠海くんが僕の家にきていました。しかも、イヤホンを忘れていったので、次の日も会ったり(笑)。

 

 

ーーお家ではなにをして遊ぶんですか?

 

北村:一緒にハマっているゲームがあって、それを2人で進めるっていう。

 

佐藤:1人プレイなんですけどね(笑)。

 

北村:すぐ倒れちゃうゲームなので、「お前は、なにもわかってないなぁ」ってお互い突っ込みあいながら進めています(笑)。

 

 

ーーでは最後に、そんな仲良しのお二人が再共演するとしたら、どんな役が良いか教えてください。

 

佐藤:BL(ボーイズラブ)です!(即答)

 

北村:ぶーっ(笑)!ナチュラルに吹き出しちゃったよ(笑)。

 

 

ーー即答でしたね(笑)。

 

佐藤:…っていうのは冗談ですけど(笑)。でも、何か人と違うものを持っていて、それをネガティブなものだと捉えているような役に挑戦してみたいなとは思います。最近はそういう作品が増えているし。

 

北村:確かに、そういう作品も面白いよね。

 

 

佐藤:それか、コメディとかはどう?匠海くん、絶対にやらないでしょ?

 

北村:そんなことないよ!過去に出演したこともあるし!でも、寛太くんとのコメディ楽しそう。

 

 

ーーお二人なら息がぴったりな漫才ができそうです。

 

佐藤:匠海くんがツッコミでしょ?俺は、ボケ倒す。

 

北村:基本的にツッコミだからね。まぁ、どんな作品だとしても寛太くんとなら楽しくやれる気がします(笑)。

 

 

■北村匠海が佐藤寛太を撮影したら…

 

 

 

photo by 北村匠海

 

 

■佐藤寛太が北村匠海を撮影したら…

 

 

 

photo by 佐藤寛太

 

カメラが趣味の1つでもある北村が佐藤にアドバイスしながら、お互いを撮影。仕上がりはいかがでしょう…?

 

 

「これとかいいね(北村)」「上手く撮れてる!(佐藤)」とカメラを覗き込み、お互いが撮影した写真を確認する2人。とても素敵なお写真をありがとうございました!

 

Photography=Mayuko Yamaguchi
Interview=Ameba

 

 

映画『恋と嘘』は、10月14日(土)より、全国ロードショー。

 

(C)2017「恋嘘」製作委員会 (C)ムサヲ/講談社

 

 

■映画『恋と嘘』公式サイト