2017年春にフジテレビ系にて放送される松嶋菜々子主演のスペシャルドラマ『女の勲章』に玉木宏、ミムラ、相武紗季など豪華キャストが決定した。

 

 

山崎豊子氏の傑作小説『女の勲章』は、主人公・大庭式子が戦争でなにもかも失ったところから、これからは洋服、婦人服の時代が来ると信じて、ミシン一台と共に立ち上がりファッション業界を舞台に世界へ羽ばたいていく物語。

 

©フジテレビ

 

主演を務めることになった松嶋は、「これまで多くの傑作を世に送り出してこられた山崎豊子先生原作のドラマに主演させていただくことは大変光栄であり、身の引き締まる思いがしております。主人公の大庭式子は、終戦後の厳しい日本で洋裁学校を起業し、ファッションデザイナーとして成功しますが、その反面、憧れ、嫉妬、欲望、愛憎、お金、人間関係に翻弄され、人生の歯車が少しずつ狂っていきます。山崎豊子先生の描かれた壮大な世界観を、監督、スタッフ、共演者の方々と映像化ができることを楽しみにしております」と心中を明かした。

 

 

また、松嶋を取り巻く豪華出演者も決定。女たちの欲望うずまくファッション業界において、一人軽やかに女性たちのもとを飛び回り翻弄(ほんろう)する男、八代銀四郎(やしろ・ぎんしろう)役に玉木

 

恐ろしいまでの野心、欲望を内に秘め、時には感情をむき出しにしながらし烈な戦いを展開する式子の弟子である3人の女性たち、津川倫子(つがわ・りんこ)役にミムラ、坪田かつ美(つぼた・かつみ)役に相武紗季、大木富枝(おおき・とみえ)役に木南晴夏

 

銀四郎の大学時代の友人で新聞記者として式子の魅力に注目する曾根英生(そね・ひでお)役に小澤征悦、倫子を愛すればこそその愛を利用されてしまう倫子の恋人・野本敬太(のもと・けいた)役に駿河太郎、幼少時代から式子に仕え続ける大庭家の女中・キヨ役に江波杏子

 

そして式子の前に立ちはだかる関西ファッション業界の総元締めとも言える関西デザイナー協会会長・安田兼子(やすだ・かねこ)役に浅野ゆう子。孤高の仏文科大学教授・白石庸介(しらいし・ようすけ)役に長塚京三

 

 

プロデューサーの太田大(フジテレビ第一制作センター)は、こうした魅力あふれる豪華キャスティングを実現できたことについて、「山崎先生のこん身の原作をドラマ化するのにふさわしい豪華で演技派のキャストの皆様にお集まりいただき光栄です」と喜びのほどを語っている。

 

 

ー玉木 宏(八代銀四郎役)コメントー

 

ーー銀四郎という役についてどう思われますか?

 

玉木:内に秘めた心の強さが伝わるような見え方にできたらと思いながら演じています。大阪言葉のセリフ量もすごく多いので言葉たくみに操っている感じをお芝居で出せたらと思います。今回ドラマに入るにあたって、本も映画も見ましたが(映画で銀四郎を演じている)田宮二郎さんの印象がかなり強いです。イライラしているけれどあえて柔らかく話したり、言葉使いがこのキャラクターをつくる上で大事なのではないかと思います。

 

 

ーードラマ収録に入った感想は?

 

玉木:台本を読んでいる時よりも立体的に目の前に現れますからすごくわくわくします。このわくわく感が視聴者の皆さんにも伝わると思います。

 

 

ーー松嶋さんとの共演の感想は?

 

玉木:銀四郎としては式子に最初は追いつきたいというところがどこかあったと思うのですが、いつも松嶋さんは凜とされているので自然と追いつこうという気持ちになれます。

※松嶋と玉木の共演は『GTO』(1998年7月期)が初共演、『オリエント急行殺人事件』(2015年1月放送)以来の共演。

 

 

ーミムラ(津川倫子役)コメントー

 

女性作家さんだから描けた女性への賛歌の部分と皮肉の部分が多くあり、皮肉に描いているからこそ“女性のみなさんがんばりましょうよ”というエールをもらえている気がします。特に倫子はよくいるタイプの女性ですが、同性へのエールが込められたキャラクターだと思います。

ままならない現実のうさばらしにしていただいてもよし、よし自分もがんばろうと発憤していただくのもよし、本当にエッセンスがたくさん詰まっていると思いますのでお楽しみいただければ。特に衣装がすばらしいのでおすすめです。

 

 

ー相武紗季(坪田かつ美役)コメントー

 

かつ美にすごく自由を感じました。恋も仕事もとても奔放でそれがインスピレーションになっている女性なので演じていて息苦しさがなくて気持ちが開放されたような感じになります。

色彩豊かなお洋服など女性の気持ちをわくわくさせるところがあるドラマになっていると思いますので、世界観にひたって見ていただけたらと思います。

 

 

ー木南晴夏(大木富枝役)コメントー

 

富枝さんは誰に対してもぶれない折れない、というのが自分で演じていてもすごく楽しいです。

この時代に自分のやりたいことが決まっていてそれに向かって突き進むことしか考えていない女性たちの姿というのはとても格好良く思えます。それがきれいな“洋服たち”と一緒に美しく描かれていると思いますのでぜひ楽しみにしていただきたいと思います。

 

 

ー駿河太郎(野本敬太役)コメントー

 

信念、考えがしっかりしている時代だなと思い、日本にこういう時代があって今僕らがいるんだなとあらためて考えさせられた脚本でした。

本当に自分が思うことを信じ戦っていく強い人たちの物語なので楽しんで見ていただきたいと思います。その中で野本というすごくすごく優しい男がいるのでそれも楽しみにしていただけたらと思います。

 

 

ー江波杏子(キヨ役)コメントー

 

すばらしい脚本だと思いました。実は、昭和36年(1961年)大映映画で(「女の勲章」が映画化された際に)田宮二郎さんが銀四郎を演じた時、当時大映研究生だった私は映画館の舞台挨拶で田宮さんにお花をお渡ししたのです。(この作品に再び関わることになり)何かご縁を感じます。

戦前、戦後の日本の経済というものも描き、風俗、社会の成り立ち、そういったものがはっきりと具体的に見えるというところがすばらしいなと思いました。

 

 

ー小澤征悦(曾根英生役)コメントー

 

これは大河ドラマだ! と思いました。人生、運命に翻弄(ほんろう)されていく人々の流れを描いた壮大な作品だなと思い、さすが山崎豊子さんの作品だと思いました。

曾根は前向きで正しいことをしようとしている人間だと思います。時代背景の中でまっすぐ生きていこうとしている、そういったところを自分の役どころとしては演じられたらなと思っております。

 

 

ー浅野ゆう子(安田兼子役)コメントー

 

女優にとってはあこがれの作品だと思います。自分が持っていないものを式子が持っているという嫉妬、若さへの嫉妬と、兼子という人物の中には嫉妬が蓄積されたものとしてあると感じます。その辺りが出せれば兼子はおもしろいと思っていただけるのではないかと。

すばらしいファッションの数々を楽しんでいただける女性必見の作品だと思います。

 

 

ー長塚京三(白石庸介役)コメントー

 

女の勲章ってなんだろう。勲章、とは本来男のものです。式子さんは“勲章”を得た途端に大きなものを犠牲にした。式子さんは理解されにくい時代であり何かを犠牲にしないといけなかった、ということでしょう。

(松嶋菜々子さんとの共演について)松嶋さんの映画デビュー(注1)でもご一緒していてその時も恋人同士でした。それ以来、時間がたってもまた恋人を演じさせていただけるということで楽しみにしています」

 

注1:「恋と花火と観覧車」(1997年2月15日公開)。恋愛の現役ではないという気後れから肝心な一歩が踏み出せない中年男と、年下の女性の恋愛模様を描いたロマンティック・コメディー。

 

 

山崎豊子が生み出した人間の感情渦巻く壮大なドラマを豪華出演者たちが演じる大型ドラマ『女の勲章』は2017年春に放送予定だ。