紫乃が毒入りの紅茶を飲み血を吐いて倒れた。毒を入れたのは龍之介かと剣持が疑う。
そこへ隼人が10歳の時、五月節句の会で龍
之介が隼人の祝い酒に毒を盛っていたこと
を話す。隼人の実の兄である征丸は父に可
愛がられて弟の隼人を憎んでいたのだ。そ
れ以来毒でおかしくなったフリをしていた
と隼人は打ち明ける。
紫乃は毒を盛ったのは自分、実子である龍
之介に寄り添うが幸せにすることが出来ず
息を引き取る。母の死に龍之介は泣き叫ぶ
しかなかった。
帰り際、冬木に話したいことがあるとはじめ。18年前、インターンで柊倫太郎がいた
こと、その人物が柊兼春の子孫で紫乃が赤
子を取り換えるところを見てしまった。
彼は紫乃の行動を黙認していた、彼女の子
どもが長男として家督を継げば巽家の血筋
は途切れてしまう。彼は自分の密かな復讐
計画の顛末を見届けるためくちなし村を訪
れた。
柊が紫乃の行動を止めていたら、彼女は獣
にならずにすんでいたはずだとはじめ。は
じめは去り、冬木は涙を流した。
隼人と環が恋人同士であり、いずれは駆け
落ちして巽家を出る予定だった。龍之介は
警察に逮捕され、全くの別人のように罪を
認めたことを環は話す。
剣持の恋は悲しい形で終わりを告げる、子
を思う母の愛が滲んだ事件だった。