先日4/6にDは18周年を迎えることができました。
Duoで予定しておりました17周年、18周年を祝す2Daysは残念ながら中止となりましたが、ワープステーション江戸でのMusic Live Videoとして新しい形式での無観客公演を行うことができました。
視聴地域は日本だけに留まらず、世界各国、海外からも多くのファンの皆さんに観ていただくことができたのは、本当に光栄なことです。
どんな時代であれ、どんな壁が立ち塞がろうとも、自分たちが今できることを最善で努めるということを常日頃から心がけてきましたし、何より支えてくださる皆さんがいてくれたこそ成り立った事柄だと実感しています。

そして今回主にお話させていただきたいのは、昨日発表させていただいた毎年恒例のDの高田馬場AREAのGWの件になります。
昨年は残念ながらコロナ禍における延期とさせていただいておりました。
本来であれば今年は昨年の分までメンバー・スタッフ共に奮闘し、ファンの皆さんと最高の有観客ライヴ7日間となるはずでした。
ですがコロナ禍は治るどころが、第二波、第三波と次々と感染者を増やす一方であり、緊急事態宣言が解除されてなお増加は止まらず、現段階で都内はGW明けの5/11まで、まん延防止等重点措置が実施されています。
またライヴハウスは営業時間の短縮を要請されているので、営業時間は20時までとなっています。
そしてロックバンドのライヴでは収容定員はライヴハウスの半分までと定められていますので、仮に有観客ライヴを行ったとしても今の状況ではチケットの販売数がキャパの半数を上回っている為、販売済みのチケットを一度すべて無効にしてキャンセル扱いにした上で新たに販売しなければならないのです。
箱での無観客公演をは、どれだけソーシャルディスタンスを取ったとしても、込み入ったスペースにメンバー、スタッフが多々集まれば、どれだけ予防対策をしたとしてもやはりリスクが高まります。
ライヴ中に演者はマスクを着用できませんし、有観客ライヴであればなおさらです。
ですのでどうせならば、野外でMVとLIVEの良い部分を重ねたM.L.V.として無観客公演を行うべきだと考え、行動に至ったのが昨年末の「ロックハート城公演」です。
お陰さまで評判も上々で、第二弾の「ワープステーション江戸公演」も行うことができました。

そんな中、今回のGWにおける高田馬場AREAの7日間を生配信で無観客公演として行うことに決めた理由の大部分は、やはり長年お世話になってきた高田馬場AREAが今年いっぱいで閉店することにあります。
Dとして…否、僕個人としても最も多くライヴを行ったライヴハウスです。
ですが来年のリベンジは決して叶いません。
また、メンバー全員のコンディションを考えると7日連続でライヴを行うのは、おそらく今回が最後になると思います。
以前から、7日連続は今回(17周年の段階)が最後にしようという話になっていましたので、最後の最後にファンの皆さんに生で観ていただけないのは、なんとも口惜しい想いもあるのですが、Dメンバー全員気持ちを切り替えて、今回の無観客公演に全力で挑むことに決めました。
時代にただ身を任せるわけでもなく、だからと言って逆らうわけでもなく、これはDがDらしくある為の決断なのです。
今回は本当に最後の機会ということもあり、入念に綿密に社内ミーティングをしました。
ただ、やはりライヴハウスで無観客公演を行うに至っては、できる限り少人数で…という問題をクリアしなければなりません。
月に何度も顔を合わせるメンバー同士ですら、なるべくお互いマスクを着用しています。
それとは別に、7日間すべてにプロフェッショナルな映像チームを入れるとなると、予算的にも難しくなってきます。
様々な問題をクリアできる方法として考えついたのが、メンバーと最低限のスタッフのみで無観客公演を行うということでした。
限られた人数で行うので、新たな機材の導入に加え、新たな知識も身につけなければなりません。
来年にはもう存在しない想い出深いAREAで行う、最後の7日間。
プロのチームにはほど遠くても、メンバーがしっかり演奏し、歌う熱い姿をカメラの向こうのファンの皆さんに届けたい。
勿論そんな環境も必要なのです。
当日は以前ライヴハウスで勤務し、スイッチャー(カメラとカメラを切り替える作業)をされていた経験者にもスタッフとして来てもらいますが、機材の設定、準備、配線などは全部自分たちで行います。
人が過ごす一日の時間は、誰もが同じです。
ですが個々の持ち時間の中で、限られた時間の中で、どこまで濃厚に過ごせるかは人それぞれです。
結成から18年が経ち、ふと過去を思い起こすと、まさに様々な出来事がありました。
僕は18歳で故郷から上京しましたが、その時の年齢と同じだけの時間をDとして過ごしてきました。
無論、楽しいことだけではありませんでしたし、悲しいことも口惜しいことも多々ありました。
時に色んな想いが駆け巡り、思うように上手く歌えない時もありました。
それでもDは僕の人生にとってかけがえのない存在であり、唯一無二のバンドだと思っています。
これだけ長く続けられたことはDだけです。
それはきっとこの先もずっと変わらない史実となるでしょう。
ファンの皆さんがDを沢山愛してくれるように、高田馬場AREAでの公演でも沢山の想い出が生まれたことでしょう。
ひとつひとつの想い出を手繰り寄せ、甘い記憶に浸るには、あまりにも時間が足りなさすぎます。

夜の帳が落ち、飛び交う流星のようなスポットライト。
熱い視線と鳴り止まぬ声の中、やがて息を呑む瞬間がやってくる。
根を張らせ地をも揺らす鼓動のドラム、情熱を携えた荊を心に這わせるベース、時に激しく天を仰ぎ、また時には安らぎと潤いを含ませ、葉脈は互いに強く光を求め合う左右のギター。
どよめく心を落ち着かせ、呼吸を整え歩き出す。
中央に君臨し、そこで僕は確信するのです。
ステージこそが花開く場所なのだ、と。
我が歌は比類なき魂の調べ。
Dという薔薇が生き続ける理由はまさに音楽であり、またその薔薇を支え、愛でてくれるファンがいてくれるからこそ存在するのでしょう。

2020年の2月を最後に僕らは有観客でのライヴを行っていません。
一年と少しの間が経ち、それは遠い過去の出来事のようにも、つい先日のようにも感じられます。
当たり前に続けてきたライヴがこんなにも恋しく感じることになるなんて、数年前の自分は想像できたでしょうか。
頰を紅潮させ、激しく手を伸ばして僕らを求めるファンの皆さんの姿が恋しいです。
皆さんの目の前で生でライヴを行えることが、ライヴとして一番の姿であることには今も変わりないです。
ですが、今はそれは叶わぬ願いです。
GWは無観客公演での配信ライヴとして変更されましたが、僕もメンバーも最後の7日間を全力で歌いたいと思います。
いつか、今年のGWを思い出す日が来ても、決して後悔のないように。
だから皆さんもカメラの向こう側の僕らをかつてのように求めてください。
そして一緒に7日間を駆け抜け、その先にしか見えない世界を心で掴み取りましょう。
現在、ライヴチケットをお持ちでない方からの、新規チケットに関するお問い合わせを多数いただいております。
Dが紡ぐ時間は、一人でも多くのファンと大切に分かち合えることが最善だと思っているので、現在どのような形であれば販売できるか検討しています。
今回はロックハート城やワープステーション江戸のようなMusic Live Videoとはまた異なります。
ですが、だからこそ生きてくる生の良さも必ずそこにはあります。
奇しくも同じ無観客公演という括りでありながら、これらの公演は似て非なるものです。
互いに秀でたメリットもありますが、反対にデメリットも生じますので、すべての判断基準は難しくもあるのです。
ですが可能なかぎり、ファンの皆さんのお気持ちにはお応えしたいと思っていますので、今しばらくお待ちいただけると嬉しいです。

Dが今を生き抜く為にも、皆さんと共に未来を築くためにも、僕らにとって音楽はやはり特別なもの。
1日、1日、最終日を終えるまでは不安もありますが、僕らは必ずや新たな境地へと辿り着けるでしょう。
19年目のDはまだまだ進化し続けます!
形は違えど、共に熱い想いをぶつけ合う魂が必要です。
今という自分を灰へと化し、火の鳥の如く何度でも蘇ってみせましょう。

GW、高田馬場AREA公演7Daysは持てる力を全て注ぎ込み、頑張ります!
まずは初日の「The name of the Rose」はDの原点、我らの核となる薔薇という名はこのアルバムから始まりました。
皆さん、よろしくお願いします!
大いに楽しみましょう。

いつも応援してくれて本当にありがとう。