暦の上では秋ではありますが、今になってようやく夏らしい暑さを取り戻しつつあります。
気温が高いと当然、熱中症発生の増加にも繋がりますので、人間の皆様は勿論、動物達も気を付けてお過ごしくださいね!

そしてツアーも折り返し、現在Dは青森にいます!
群馬を終えた後は新潟、仙台、そして札幌とライヴを終えたわけですが、会場の熱気とはうらはらに、外気は涼しかったくらいでした。
ですが、各地でのファンの皆さんとライヴを含め、インストアでも楽しい時間を過ごすことができたので、今年の夏も素敵な想い出がたくさん生まれています。
その場所でしかできないライヴ、その場所でなければ逢えなかった方達もいらっしゃると思うので、一期一会を大事に、どのステージでも最高のDをお見せしたい!という気持ちを持って歌っていますよ!

秋田を終えれば中盤戦も終了し、残るは終盤戦のみ!
思えば今回は序盤に横浜、中盤に埼玉、終盤ラストに東京と、関東はバランスよく日程が組まれてましたね。
平日だと中々来づらい方、逆に平日だからこそ来やすい方、それぞれいらっしゃることかと思います。
生活リズムは千差万別ですし、Dを愛してくれる様々な方がライヴに参加しやすい日程であると良いのですが、この日なら万人が納得できる!という日は中々ないですから難しいのです...

ツアー日程を組むのはイベンターさんのお仕事ですが、イベンターさんも多くのアーティストと会場を組み合わせるのは大変だろうなと思ってしまいます。
空き状況もどんどん変わってきますしね!
バンドメンバーは5人ですが、本当に色んな方々とご一緒だからこそ、ライヴができたり、CDをリリースしたりできているんだなと、改めて実感させられますね。
まだ右も左もわからないまま、バンドを組み始めた直後などは、それこそ全部バンドで全部決めて行くのでしょうけど、規模が大きくなっていくとバンドだけでは動かせなくなるものですし、その道のプロフェッショナルと一緒に築いていかなければ、成り立たなくなっていきますよね。

そして今年の春でGOD CHILD RECORDSも創立7周年、8年目に入りました。
創立時はDのみの事務所でしたが、今や所属バンドも増えてきているので、各バンドが、自分たちの描く空をのびのびとスマートに飛べるよう、僕も出来る限りサポートしていけたらいいなと思っています。
まあ、こういうことを書くと、なんだか現役を退いて行く人みたいですが、まだまだ僕自身、若いバンドには負けない!という勢いはあるので、Dで頑張り続けますよ!
無理をして今のスタイルを続けているわけではなく、表現したい世界が溢れ出るからこそ継続している...という言葉が相応しいですからね!
きっと無理をしていれば、10年保たずにバンドの形状が崩れていくでしょうしね。
やりたいことが変わっての変化は決して悪いことではないです。
年齢と共に感じることは変わってきますし、そういう意味では正解ですよね。
ただ、こういう雰囲気が流行ってるから、廃れたからという単純さで、バンドの持ち味を変えていくというのはあまり僕としては好ましくないですね。
やっぱり一度決めたスタイルを、ひとつのバンドとして貫くことの大事さというものは常に僕の胸にあります。

Dも音楽性としては実に様々なスタイルを描いてきましたが、根底にある部分は10年間、何ひとつ変わらないです。
個人で言うならば、D以前のバンドでも表現したいものはほぼ変わりません。
ただ長い年月の間で、少なからず表現力がスキルアップしている部分もあると思うので、そういった部分では変化は見られるかもしれませんが。
作曲においてもいえることで、D、そしてDのひとつ前にやっていたバンドでは作曲は多く手がけてきましたが、それまではコードに対してのメロディーラインはつけていましたが、あまり作曲は行っていませんでした。
ボーカリストが作曲するしないは、バンドによって異なりますが、作詞はすべて(ユニットの胡蝶以外)自分で書いていたので、そこで充分表現できると思っていたので。
ですが徐々に自分の表現したい世界を、そのまま音にすることに目覚め、作曲していくようになりました。

Dで一番最初に作った「Vampire Missa」。
これはDを組む以前から、次のバンドではこういうスタイルの音楽をしたいな!という理想で作った曲でした。
各パートのフレーズを打ち込みで作り、そこにメロディーをつけて、歌詞を紡ぐ。
そしてそれを一番初めに聞いてもらったのがるいちゃんでした。
あの時、「Vampire Missa」じゃなくて、伝えたいことは同じでも、また別のスタイルでの表現だったら、今とは違う自分が存在したのかもしれないですよね。
それが10年経った今、ヴァンパイアストーリーは大きく拡大し、日本だけではなく海外の方にも知って頂けている状態で、ゲームにもなるとは...!!(笑)

「ヴァンパイア」という存在はヴィジュアル系ではしばしばモチーフにされますよね。
また夜な夜な血を吸う異形でありながら、クリーチャー的な要素より、どこかロマンティシズムを垣間みさせるのは、やはり「ドラキュラ」の背景にある愛や貴族というところから来ているのでしょうか?
僕はヴァンパイアを通して、人間の持つ悪を表現しています。
人が人でなくなる理由。
どんな理由にせよ、人を殺めたという罪が許されるものではありません。
誰かを守る為に奪って良い命は、動物同士の食物連鎖であり、生きるために頂く命です。
一部の人間は私利私欲の為に命を奪い合います。
古から終わることのない戦争、無益以外のなにものでもありません。
誰のために、何のために戦うのか。
きっとドライツェンも多くのことを考えた末に人ではなくなったのでしょう。
ヴァンパイアとなり守ることができたもの、得たものに対し、失ったものはそれ以上にあったはずです。
ドライツェンという人物も最初からヴァンパイアだったわけではなく、人間として生れさせたのはそこでした。
人間誰しもが完璧なものはおらず、エバが禁じられた果実を口にした時にから、人類は完全ではなくなってしまったのです。
受け継がれるDNAから罪を拭うことはできません。
では一生罪を背負ったまま生きていくのか?
そうではありません。
人は贖うことができます。
罪を罪と認め、許しを請うことができます。
ドライツェンがヴァンパイアになったことで、民は滅ぼされることはありませんでしたが、後に邪悪な存在を世に生み出すことになりました。
これは更に多くのものの人生を狂わせたことになります。
これはドライツェンの望む本来の未来ではありませんでした。
故にドライツェンは自分の存在を誰よりも深く憎んでいるのでしょう。
重い罪を犯し、多くの人の命や未来を巻き込んでしまったことによる苦悩。
どんなに悔い改めたところで決して簡単に許されるものではなくても、命ある限り許しを請うことが大事なのです。
人間のみに与えられた優れた知性を、間違った方向に利用してはいけませんよね。
ヴァンアパイアストーリーは架空の物語ではありますが、ドライツェンを含め、様々な人物像や過ごして来た背景を通して、人間の善悪を表現していきたいと思い、書き綴っています。
ヴァンパイアストーリーとは異なる世界観の曲でも、メッセージ性の基盤にずれがないのは、僕自身にしっかり思想や死生観があるからだと思います。
これはEDENシリーズを筆頭に、様々な楽曲にて垣間みることができるはずです。
これはライターさん、プロデューサーさん、関係者さん達に、「同じことの書き写しではないのに、基盤はずれずに長年書き続けられるのはすごいね」って言ってもらえる理由だと思います。誰かに作られた人物像を無理して演じなければいけないわけではなく、自分の想いを歪めることなく表現できる今のスタイルは、まさに有り難いことです。
仮にいつかどこかで、表現したくない世界を誰かに表現しろと言われても、絶対にしないですけれども(笑)。
単なる物語ではない、ということはこれまでも雑誌などで語ってきたことですが、僕という存在の在り方すべてを、本気を詰め込んでいるということでもあります。
政で伝わらないことも、音楽なら伝わることもあるんじゃないだろうか。
僕のやっていることは、小さなことかもしれませんが、それでもやらない「0」より、やって意味のある「1」、何かのきっかけになるかもしれない「1」になりたいのです。
音楽で世界中に伝えたいことが、まだまだたくさんあるから。
死は必ず訪れるものです。
だからこそ、今を生きることに喜びを見いだしてほしい。
悲しみを理解することができたら、きっと自分は誰かを悲しませよう、傷つけようとは思わないはず。
日本人だけが幸せなら良いとは決して思わない。
国境は多くの戦の爪痕から生まれたものだから。
世界中の人の系譜(母系から受け継がれるミトコンドリア、この話を曲にしたのが「Eveの系譜」」)を辿れば、一人に辿り着きます。
だから人種の違い、肌の色の違いで、優劣を争うのは馬鹿げている。
誰もが涙せず、笑顔でいられる日が来ることを願いたい。
そして誰かの記憶、想い出の中で生きていられるなら、この世で、僕の目で見ることができなくても良い。
自分の目で争いのなくなった世界を見られたら最高だろうけどね!!
そんな世界になったら動物達と一緒に、季節の花々の美しさを歌いながら、吟遊詩人みたいに世界中を巡りたいな!
世界中の悲しみが少しでも減ることを願って、今日も歌うよ。
青森!美しい青い森が再び、この地球を覆いますように...!