10月になり、今年もあと3ヶ月を切りました。
秋冷の候と言うにはまだまだ汗ばむ日もありますが、夜ともなれば虫の声が聞こえる美しい季節がやってきました。
春に16周年を終えたらすぐに制作に進み、その後すぐ夏ツアーを迎え、今度は再び制作と冬ツアーに向けての時期に入っています。
ブログを書くのは実に久しぶりになりましたが、Dやソロ、GCRに関わる全ての方々に深く感謝する毎日です。
制作とライヴはもはやアーティスト活動のルーチンとも言えるのですが、ただただ目の前にある決められたミッションを熟すだけでは何も変化は起きません。
全てのことにおいて結果は日々の積み重ねが重要であると常々考えています。
ですが無機質に生きていくだけでは心は生まれません。
僕らは人や動物の心を感じたり、太陽や月、肌に伝わる風、自然が発する声を感じることができます。
ですので、僕が描くDやソロの楽曲、歌詞、世界観の中には計算された部分よりも、自ずから生まれた部分がより多く占めています。
同じ道を歩き、同じ景色を眺めていても、同じ日はありません。
気候は晴れ、曇り、雨などと単純に分類できるものではありませんよね。
毎日の中で生まれる思い、出逢いや発見が合わさった時に、自分から音楽という存在が浮かぶのかもしれません。
僕の好きなもののひとつに七十二候というものがあります。
これは元は古代の中国で、四季を更に細かく分類されたものなのです。
単純に一年を春夏秋冬に分けても始まりと終わりでは感じ方も様変わりします。
七十二候であれば、その暦ならではの自然を楽しめるのでとてもおすすめです。
僕が七十二候を知ったのは随分前に出会った書籍でしたが、今はお手元のスマートフォンなどでも気軽に検索できるかと思うので、皆さんも是非調べてみてくださいね。
その日の装いやポイントに迷っている時には、もしかしたらヒントが隠れているかもしれませんよ。
自然のカラーコーディネートは天からの贈り物で、常に最も熱く刺激的なトレンドカラーですから。
これからの時期だと枯葉色や葡萄色など、少しくすみがかった日本の伝統色が僕は好きです。
女性に比べて男性のファッションカラーは偏りやすい傾向にある気がしますが、モノトーンの中にワンポイントとして季節の色(タイやシャツなど)を取り入れたりなどしても素敵かなと思います。
日々のタスク、そして先に向けてのプロジェクト。
それとは別に自分自身の勉強やほっとする時間を考えると、どう考えても時間が足りないのですが、一度きりの人生に悔いのないよう過ごしていけたらいいなと思っています。

そして、久しぶりのブログなので、楽しいことだけをお知らせできれば良かったのですが、やはりここできちんと説明しておきたい案件が生じたので、この場を少しお借りしますね。
実は冬ツアーである12.15の福岡DRUM SONで行われる「Artistic Radiant Dream」公演がとあるアーティスト様とダブルブッキングになっていた、という件についてです。
先日の仙台公演の日程変更に続き、僕自身、まさかこんなことになっているとは思いもよりませんでした。
またFCチケットの先行販売がまだであるとはいえ、ファンの皆さんが予定されているであろうスケジュール、および交通機関や宿泊予定などが乱れるのではないかという不安がまず脳裏を過ぎりました。
既にこの状況を知り、不安なお気持ちになられているファンの方もいらっしゃると思います、本当に申し訳ないです。
事が発覚したのは数日前。
僕としても一刻も早くその状況を改善できるようにと思い、制作を通して、イベンターやライヴハウスと善処しました。
正直なところ今回、Dともう一方のアーティスト様側、双方には一切非はありません。
如何せんライヴハウスと互いのイベンター側との込み入ったやりとりの中でズレが生じ、その結果このような状況に陥ったということになります。
残念ながらこれ以上の詳細は控えさせていただきますが、このまま双方共に退かなければ、最悪は両アーティストの公演を中止にせざるを得ない可能性も出ていました。
Dが一年の中で九州に訪れるのは二度ほど。
僕らのライヴを楽しみにしていてくれるファンの子達がいます。
馴染み深いライヴハウスで「ちかっぱ!」「すいとうけん!」というやりとりから生まれるぬくもりは僕の心の支えの一部。
本音で言えば絶対に退きたくはないです。
ですが、この状況を長引かせてしまえば不安な時間も長引かせてしまうことになります。
12.15の福岡DRUM SONを決して譲らないと、頑なに意地を張ることで結果、ファンの子達を守れないのではないか。
この数日の間、何度も繰り返し考えました。
同日、互いの公演時間をずらすことで2公演を同場所で行えないかという案も提案したのですが、それは叶いませんでした。(何度も言いますがお相手のアーティスト様に非はありません。僕らと互いに同じ状況ですし、先方のファンの方々も楽しみにしているのは同じです)
その中で導いた案。
それは潔く、大人として問題を解決させることでした。
悔しさがないと言えばそれは嘘になります。
それでも話し合いが続く中、負傷者を顧みずに前進し続けることは賢明な策ではありません。
不幸中の幸い、同日に別会場(福岡スクールオブ ミュージック&ダンス専門学校イベントホール)を利用できることになりましたので、「Artistic Radiant Dream」の福岡公演の中止は免れました。
こうして、ダブルブッキングとなった12.15の福岡DRUM SONは別アーティスト様にお譲りすることに決めました。
ただし会場が変われば、それに伴い音響や照明、その他諸々に差異が生じます。
最初に提示された条件でなければ行くことは叶わないという方がいらっしゃることも否定できません。
それでも僕らが福岡に行くことに意味がある、そう考えてもらえるのであれば是非ライヴにお越しいただければ嬉しいです。
またそれに伴い、参加対象の皆さんへささやかなお詫びをご用意させていただくことになりました。
元より翌日の12.16は新譜発売記念として、アウトストアイベントを予定していました。
急な変更と発表であり、皆さんのご予定を考えると残念ながら全ての方が対象となるわけではありません。
ですがその福岡DRUM SONでのアウトストアイベントとは別に、その前に約一時間程のライヴをDとして行いたいと思います。
勿論、12.15の福岡スクールオブ ミュージック&ダンス専門学校イベントホールでの公演にご参加された方は前日のチケットの半券のみ、無料でご参加できます。
12.15は不参加、12.16のみ参加したいという方には別途¥2,000にてチケットをご用意させていただきます。
(入場順は、12.15参加者→12.16のみの参加者となります)
日程が変われば全てが仕切り直しとなり、多くの皆さんに様々な面でご負担をかけてしまうことになります。
全てが予定通り、何もなくまとまったというわけにはいきませんでしたが、これが僕が今考えられる最善策でした。
また、この代替案を快く承諾し、ご協力してくださったDRUM SON、制作会社、イベンターの皆様に感謝いたします。
常日頃より、なるべくこのような不測が起こらぬよう常に自分なりに気にはしているのですが、自分の目の届かない場所で起こった案件に関しては、できるだけ早く被害を止めることに徹しなければいけないと思っています。
今後はこのようなことが一切ないように、というのが理想ではありますが、残念ながら何事にも絶対はありえません。
様々な件に関して、可能な限り厳重に注意しながら対応していけたらと思いますので、これからもご支援、ご声援の程、よろしくお願い致します。

そしてニューリリースについて!
まずは11.20に新曲のリリースが決まりました。
タイトルは「UNCROWNED KING」になります。
日本語にすると「無冠の王」という意味ですが、このタイトルが意味する新たな物語とは?
昨年発表した「狂王」に続くヴァンパイアストーリーです。
狂えるドライツェンの意識を一瞬でも取り戻すことができたのは仲間と民らの熱き想いでした。
愛する父を、そして王にとどめを刺すところでヴァンパイアストーリーは止まっていたのですが、その続きを描いています。
大罪と贖い。
見えぬ本当の敵。
キルヒアイスだけが知るドライツェンの秘密。
ジャスティスが差し出す命の行方。
多くの犠牲が生み出す唯一の救い。
ハイブリッドヴァンパイアへの覚醒。
時系列的には「狂王」→「Absolute zero」→「Antiserum」→「UNCROWNED KING」の流れになります。
楽曲はどれも斬新でキレのあるDらしい自信作です。
是非、是非期待していてほしいです!
そしてヴァンパイアストーリーの一環でシリーズ化しているコンセプトアルバムとして「Justice」もリリースします!
Dのヴァンパイアストーリーは16年半渡る期間の中で、圧倒的な楽曲数を誇ります。
昔から応援してくれている方も、最近応援し始めてくれた方も、途中おやすみしていた方も、中々把握しにくいかと思います。
考案者である僕でさえ、時々混乱してしまう場合もあるくらいです(笑)。
「Justice」はジャスティスがメインの楽曲を全て挿入しています。
冬のツアーではこのアルバムがあれば最近Dを知った人でも充分に楽しめると思いますし、勿論コアな方にもコレクターズアイテムとなることでしょう。
またこのアルバムに限っては曲順を現段階での時系列順に並べてあります。
全部書いてしまうと、皆さんが実際に音源を手に取り、曲を耳した時、歌詞を目にした時、あらゆる想いを巡らせた時の楽しみが半減してしまう場合があるので、全貌を書くのをぐっと我慢してこのくらいにしておきますね。

最後になりますが、来月からの冬ツアーを控えた今月10.20の高田馬場AREAで、Dからの「決意表明」があります。
重大発表とも大事なお知らせともニュアンスが異なるので、こういった形で伝えることが一番かと考えました。
荒廃した不毛の地に撒かれた種は、不屈の精神で芽を出しました。
日照りにも強風にも耐えられたのは、心やさしき癒しの水があってのことです。
16年半前にこの世に生まれたDを大切に思ってくれる気持ちが美しい花を咲かせてくれました。
花が咲き、実を成した後に僕らはどこへ向かうのか。
5年目に大きな夢であったメジャーデビューを果たし、その後11年が経ちました。
決して美しいだけの夢ではありませんでしたが、とても大切な時間が流れていきました。
メンバーもファンも互いに年を重ね、環境も様々変化がありました。
共にDを愛する僕らの心が次に目指す場所はどこなのか。
ここ数年、気づけばDの未来ばかり考えていました。
何が正解か不正解かなど、誰にもわかりません。
それでも確かに地を踏みしめて歩いてきた。
否、走ってきました。
立ち止まれば途端に時間という化け物が襲いかかるでしょう。
恐ろしい魔物は僕が倒れるのを今か今かと狙っているのです。
僕が今、望むのは空。
地の果てではなく、果てしない青く広大な空。
鳥のような翼がなくとも、虫のような翅がなくとも。
それでも僕は空を目指したい。
この世界に生きた証を刻むために。
10.20、お時間が許されるのであれば是非、僕らの音楽と決意を直接に聞きに来てくださいね。
そしてお逢いできる日を楽しみにしています。



ASAGI