寒さの中にもぽかぽか陽気を感じる日も増えてきましたね。

まさに向春、春に向かう時期なのだなと感じます。

花粉症は辛いですが、木々が芽吹き、花が咲き、生き物が息衝く季節は良いですね。

ブログを書くのは随分と久しぶりになってしまいましたが、楽しみにしてくれている人がいたらごめんなさい!

そして春といえばDの結成の季節でもあります。

少し前に15周年記念のライヴを行った気がするのですが、気がつけばもう16周年を迎えようとしていることに驚きを隠せません。

16年の間にDと出逢って、音に触れて、心を繋いでくれた多くの方々に深く感謝します。

僕が東京に来て正式に組んだバンド形式はDを含めて4バンド。

D以前のバンドは平均して2年ほどで解散していたので、16年という歳月が如何に長い時間かということがわかります。

音楽に携わって20年以上が経ち、何も変わらない日常に思えても、ほんの少しずつ景色は移りゆき、20年前、10年前、そして昨日と今日でさえ世界は異なるのだなと、改めて感じさせられるのです。

高校を卒業し、右も左もわからないまま単身で秋田から上京した僕が目指したのはバンドでのメジャーデビューでした。

僕が知る限り、きっとDのメンバーも同じ志でそれぞれ音楽を始めたと思います。

一番初めに組んだバンドは同い年や年の近いメンバーが多く、自分自身が若かったこともあって、友達であり、部活の仲間のような感じでした。

今の時代と違って、髪やメイクも専門のヘアメイクさんを頼むんじゃなくて、それこそ自分達でやって。

チケットノルマがクリアできなければメンバー全員で出し合って。

衣装は既製品を少し改良したりして工夫して着て、スチール写真もその場で選んでプリントするくらいで、MV撮影なんて夢のまた夢でしたが、手作りでやってきたことはきっと今の自分の礎になっていると思います。

初ライヴも解散ライヴも市川CLUB GIOでした。

メンバー同士、仲が悪くなって解散したわけじゃないので今も連絡は取れるし、ライヴを観に来てくれるメンバーもいます。

次に組んだバンドは初めて事務所に所属したバンドです。

ここで初めてRECをして、MVを撮って、CDを出して、目黒鹿鳴館でした初ワンマン、イベントでの全国ツアーをすることができました。

昔は簡単にできることではなかったので、変化に戸惑いながらも、やはり喜びは大きかったです。

CDが新宿の新星堂に沢山並んでいた記憶が今も鮮明に残っています。

結局このバンドも2年ほどで解散しました。

メンバーそれぞれのバンドに対する気持ちに溝が生じてしまったのが理由のひとつに思えます。

とはいえ様々な経験を積めたことは今でも事務所やメンバーに感謝しています。

次のバンドの活動拠点は大阪。

僕自身は東京に住んでいたので、何かある度に大阪に向かう必要がありました。

作曲名義はバンド名になっていましたが、作曲をメインで行うようになったのはこの頃からでした。

今思うと作りの甘さを感じずにはいられないのですが、作曲も経験を積むことで成長していけるので、曲を作ることに目覚めて良かったなと思います。

こちらも2年足らずで終止符を打つことになりましたが、ここでるいちゃんと出逢えたことが大きな救いですね。

このバンドで活動している中でヒロキ君にも逢えたし、ヒロキ君に逢えたからヒデゾウ君にも逢えました。

またツネは以前から僕や他のメンバーのことを知ってくれていたので、そういった縁や対バンを通してツネとも出逢えました。

プロ思考のバンドはただ仲が良いだけでも続かないし、音楽的な好みが同じだけでも続かないし、様々な歯車が噛み合ってこそ大きな歯車が動きだすのだと思います。

Dを始める前に作った「Vampire Missa」から繋がる物語が16年の時を経てもなお、生き続けていることはとても幸せです。

ヴァンパイアストーリー以外にも多くの物語を紡いできましたが、根底にあるものは変わらないので、だからこそ今も続けられているのかなと思います。

10年続けることは10年続けた人にしかわからないし、20年続けることは20年続けられた人たちにしかわかりません。

諸先輩の中にはもっともっと長く続けている方もいらっしゃるので、見習いたいですね。

Dは16年なので16年続けてきた僕らにしかわからないことはたくさんあります。

ずっと見てきてくれたみんなでもわからないことはあるだろうし、僕らもファンのみんなの気持ちを知りたいと思っても全部はわかりません。

でも血の繋がりがあっても心が通わないことがある中、血の繋がりがなくても心を通わせることはできます。

Dの誰かが、もしいつか何かの事情でDを辞めざるを得なくなったとしたら、その時は潔く終わりにします。

誰かを加入させて続けることはありえません。

だからといってDの為に無理強いでDを続けてもらうこともしません。

るいちゃん、ヒデゾウ君、ツネ、ヒロキ君、メンバーそれぞれがDを愛していることを、各々がちゃんと理解しているから。

メンバー同士話し合って、未来を築いてきました。

だから、いつも色んな感情で向き合ってきたこのメンバーがDとして最後であり、最高のメンバーです。

長い間、お互い確かめ合ってきたし、このメンバーだから過去も今も未来があるんです。

だからDが不変であることも、変わっていくことも、両方大事なことなのだと理解してほしい。

頑丈な岩でさえ波や風によって時間をかけて形を変えていきますが、岩が岩であることに違いはありません。

この16年間、ファンのみんなが僕らに向けてくれた笑顔も泣き顔も怒った顔も、全部Dが好きだから向けてくれた気持ちなんだってわかってます。

人と人だから誰もがすれ違ったり、分かり合えないこともあるかもしれない。

けれど、それは当たり前のことで不思議なことでもなんでもないんです。

時間が永遠にあれば、一人一人と入念に話し合うことも可能だろうけれど、それはこの世界では叶わない。

でも今までも、これからもなるべく向き合っていきたいとは思ってるよ。

オンラインサロンの開設は、FC向けと一般向けがあるけれど、FC向けは楽しい話だけでなく、みんなのリアルな声も聞きながら、僕ら自身も可能な限りリアルな声を届けていこうと思っています。

時代の流れに攫われてどこか遠くへ流されていくのも、流木にしがみついた後に溺れていくのもDには似合わない。

だから形に捉われず、DがDで在り続ける為の道を切り開いていくんです。

Dは人形じゃない。

意思を持って音を奏で、生きていく生身の魂なんです。

それから撮影スタジオはDの小さなお城です。

この前のるいちゃんのライヴに来てくれた人にはMCで言ったけど、最初は本当にみんなで何かイベントなどをして楽しく過ごせる森を買おうと思っていて、でも森を維持していくことや、山林から宅地への地目変更やその他諸々大変だから、とりあえず断念したんです。

それで色々模索しているうちにDとしても撮影ができて、イベント時にはファンの子達とも過ごせる場で、普段は撮影やレンタルスペースとして開放できる場所ができたらいいなと思ったんです。

イベントスペースって借りたいと思った時には既に予定が埋まっていたり、当然何時から何時までという規制があったり、その他色々な問題点が多いところがあります。

FC会員のみんなにとっては急なお知らせで迷惑をかける部分もあったと思うのですが、一番最初はDのイベントとして使えたらと思い発表が突然になってしまいました。

勿論、今回は参加できませんという方もたくさんいらっしゃると思うので、オープン以降はイベントを組むとしたら早めにお知らせしたいと思っています。

レンタルスペースとして貸切で利用する場合は、お友達、お知り合い、ご家族など、複数人でのご利用がオススメです。

その他、DのFC会員同士がシェアし合える日程も作ろうと思っているので、何かの機会に遊びに来てくれると嬉しいです。

基本は撮影スタジオなので、一般への貸し出しがあるわけですが、Dファンの中でもスタジオに興味のある方は、規約に同意する内容の中で楽しく過ごしてくれたらいいなと思っています。

短い人生の中で年を重ねていく中で、自分に何ができるか、どこまでできるか、いつも色々考えています。

Dもソロ活動も、ミュージシャンとして可能な限り続けられたらそれは本望です。

魂は永遠に。

でもいつか必ず命は終焉を迎えます。

だからその日まで、僕は最期まで精一杯抗って、生きていこうと思っています。

これは元気なうちに遺しておく、DのVo.としての遺書のようなものです。

仮にいつか、自分含め、メンバーのうちの誰かが音楽をできなくなる日がやってきたとしても、Dのメンバーと一緒にまた新たな夢に向かって、共に仕事をしていきたいねという話も以前からしています。

Dが迎える16周年、ありがたいことに解散の予定はありません。

でもいつ、誰が、どこで、何が起こるかはわからない、それは明日にだって。

みんながDを愛してることぐらい、痛いくらいわかってる。

だからDがいつか最期の日を迎えるその日までは、それぞれのペースで、それぞれの重さで愛してくれればいい。

例えば、ある日突然更地になった場所を見て、以前までそこにあったはずの「何か」が思い出せない。

思い出せない感覚に一瞬だけ心が曇るけれど、時が経つにつれて薄らいでゆく悲しい記憶。

毎日、多くの記憶が更新されていく中、残念ながら消えていく想い出も多いだろうけど、みんなが愛した記憶は消させないし、僕らが愛した想い出も絶対消したくない。

たったひとつの欠片でも100人の欠片を集めれば沢山になるから。

愛の欠片が大きな愛情に生まれ変わる。

だからこそ僕はまだまだ歌うことができるのだと思うよ。

いつもたくさんの気持ちを伝えてくれてありがとう、まだまだ頑張ります。

さあ、先日るいちゃんのバースデーライヴだったと思ったら、もうツネのバースデーライヴだね。

狂王の東名阪にGW、怒涛のスケジュールがあるけれど、ファンのみんなも、メンバーも、スタッフも、みんな体に気をつけて楽しみましょう!

 

 

 

 

ASAGI