強い寒気の影響で全国的に記録的な寒波が到来、東京でも4年ぶりに大雪でした。
皆さん怪我や被害などはありませんでしたか?
雪国育ちですが、東京で暮らしている時間が長いので久しぶりの雪に戸惑うこともしばしば。
先日、おじさんに食料を届ける為に車を走らせたのですが(スタッドレスで)、山の方はまだ雪が多く残っていました。
道路が凍結して事故も起こりやすくなっているので、除雪車や見回りのパトカー、また雪で電線に影響が出たのか寒空の中で修理をしている電気会社の方をお見かけしました。
雪が降っている場所にいる、ただそれだけでも寒くて大変なのにも関わらず、仕事とはいえ頑張ってらっしゃる方を見ると心から有難いなと感じました。
どんな日も人の為に身を粉にして働いていらっしゃる方には本当に頭が上がりません。
車が雪で走れなくなった時に、見ず知らずの人達が助け合っているのをテレビで見ましたが、自分自身が直接恩恵を受ける、受けないに関わらず、咄嗟に動ける方というのは素晴らしい人間です。
口で言うだけであればなんとでも好き放題に言えますが、行動は確かなものですからね。
不景気だとは言いながらも現代の日本は、世界的にはまだまだ恵まれた国です。
様々な職業の中には一般的に知られていない特殊な職業もあることでしょう。
地球を覆う水は太陽光の影響を受け、絶えず循環しているわけですが、仕事もまた人が暮らしやすく生きていく為に巡っているように思えます。
直接的ではなくても、あらゆる職種、また働いてくれている人々がいることによってお互い助けられているのでしょうね。
人は知能が高い生き物ですが、野生の動物と違って裸一貫では何もできません。
恒温動物で肌を覆う毛皮がないので体温調整も上手くいきません。
家や暖房、衣服がなければたちまち雪によって命は奪われてしまうでしょう。
当たり前に思える家や服も、素材は元より丹精込めて作ってくれている人がいますし、暖房は器具を作る人、販売する人、燃料となる電気やガス、灯油を購入できる状態にまでしてくれている人がいるということです。
対価を支払っているのだから当然だという考えの人も稀に見かけます。
ですが対価を支払えば何でも許されるというわけではありません。
お金は大切ですが自分の代わりの働きや、商品の交換における媒介に過ぎないのです。
通貨が流通される前の時代、お金の代わりになったのは物々交換をするにあたって持ち歩きやすい貝殻でした。
お金は時代によって価値が変動しますし、通貨自体の価値が永遠に続くとは思えません。
ですので、働くことは巡り巡って沢山の人の生活を担っているとも言えます。
お手紙に自分自身の職業を書いてくれる方もいらっしゃいますが、皆それぞれ同じ職種でなければわからない辛さもあると思います。(勿論喜びもあると思いますよ!)
その一生懸命働いて得た賃金でライヴを観にきたり、CDなどを購入してくれるのですから、僕らももっともっと頑張っていかないといけないなと、染み染み考えさせられます。
だからと言って、今、手を抜いているわけでは決してないですよ。
僕らは音楽を仕事にしているので、特別な配布などの例外を除いて、無料で提供するわけにはいきません。
けれどそれはお客様である皆さんに対価を支払っていただくに値する作品、そして理想としてはそれ以上のものでありたいと常々思って作っています。
Dやソロの音楽が無価値なものであれば、それは反対に買っていただくファンの方に失礼だと思いますから。
また仕事においては責任者、正社員、アルバイト、パート…(家事や育児やご家族の介護をされているの方も形式的には仕事ではないかもしれませんが、相当な仕事量であると認識しています。)
立場上どうであれ、健康であるのならば、自分が与えられた仕事内容を遂行するのは当然ですよね。
法律上、責任の度合いに違いはあるかもしれませんが、成すべき仕事に対して支払われるのが対価ですからね。
インディーズ、メジャー、事務所所属、事務所無所属などなど。
この中でもまた枝分かれしていくのでケースバイケースですが、ファンの方に1枚でもCDやチケットを購入していただいたのであれば、それは対価が支払われているのでプロ、アマチュア関係なく仕事の一環だと思っています。
よく音楽は形のないものだと捉われる場合も多いですが、何もない中で生まれるものではありません。
勿論Dの規模になってくるとすべてを自分たちだけでは運営していけませんので、多くのクリエイターやスタッフにも仕事を依頼し、請け負って頂いています。
音楽を演奏したり歌ったり、納得できる形で曲や映像を作ることは決して安価でできることではありません。
すべてを最低ラインで作り、細々と活動していくことも不可能ではありません。
けれどそれは視覚、聴覚、様々な点で15年間培ってきた僕らの表現にはならないでしょう。
長く活動をしていると、ありとあらゆるバンドの活動や解散を目にすることがあります。
個々それぞれ、一言では言い表せない様々な理由があるのでしょう。
それでも僕らがDが音楽で生活していくことができる大きな理由のひとつに、自社であるGOD CHILD RECORDSがあります。
大きな会社ではないので日々の経験を活かし、積み重ねと鍛錬でここまで来れました。
僕もアーティスト以外で取締役といった肩書きがありますが、実際の仕事内容はそんな格好のいいものではありません。
あくまで僕自身の経験上ですが、社長という肩書きの自分に酔いしれて「俺は社長だし」とか「社長として」とか「社長の言うことなんだから」とやたら上からものを言う人よりも、「社長なんてアーティスト、または社員を守る世話役であり、雑用なのだ」と話す人の方が僕はウマが合います。
物事を最後に決めるのは「社長」だからなのではなくて「責任者」だからなんですよね。
責任を取る覚悟で何かしらの決断をするからこそ、代表としての最終的な確認や結果や答えが必要なだけで。
ただの肩書きなんて誰でも簡単に作れますから。
皆さんがイメージするアーティストとしてのASAGIは作詞作曲を行い、着飾って歌を歌ってという姿かもしれませんが、毎日コツコツと雑用、事務作業をこなしているからこそ、DがDとして、ASAGIがASAGIとして舞台に立てるのです。
言われたことをするだけでは自分自身は成長しませんし、何より会社を守れませんからね。
今自分が何をするべきか、また将来を見据えてどう行動していくか。
動向を捉え、自主的に仕事を見つけてこなすことができなければ未来は壊滅的です。
僕も出来ることならば、あまり無理をせずに日々アーティスト業に没頭していたいですが、DやGCRの規模で僕がそれをやってしまうと何も成立しませんからね。
ただし、何が一番良いかと言うのはそれぞれに向いたスタンスやその時々での巡り合わせがあるので、未来のスタンスは断言はできませんが。
常々もっと自分の音楽の時間が欲しいなあというのが本音なんですよね。
それを叶えるためにも無理にでも頑張る必要があるというか、そこを目指すが故というか。
今も必死にDの新曲を作っています。必死という文字は必ず死ぬと書くので少し怖い気もしますが、文字通り死ぬ気でやるって意味なんでしょうね。
人によって得意分野、能力値は異なりますが、それぞれが必死になってより良い状況を作り出そうという意識がなければ、今はよくてもいつかはバランスを崩してしまいます。
誰かが見ているからその時だけ頑張っても意味がないのです。
また誰も見ていないからサボるのであれば、自らの可能性を潰しているようなものです。
ベストだと思っていても時には上手くいかないこともあります。
どこにも完全な人間はいませんから。
ただ僕が社長という肩書きだけ何もせず、暢気に胡座をかいているだけだと思ってる人が仮にいるとしたら…
それは非常に残念に思います。
たとえ誰に何を言われようとも、真実は誰にも変えられないわけですが、敢えて言うなれば、その人の本質を見抜けずに上辺の勝手なイメージ、もしくはたまたま目にした出来事だけで他人の物事を語るのは賢明とは思えないということです。
その人の事をよく知らない人ほど、その傾向にあると思います。
僕も人間ですし、音楽のこと、経営のことに関しては真剣ゆえに細かくなることも多いです。
当然、皆を守る責任がありますから。
また不眠不休では働けなくなるので、移動中などは休むこともしますし、周りもそれを深く理解し、僕のオーバーワークに対してサポートしてくれています。
15年の積み重ねで今がありますから、たかがその断片を見ただけではその本当の中身は知る由もないのです。
本当に僕が自分のことだけを考えて好き勝手で、自由奔放に過ごしてているのならば、何よりもまずメンバーが嫌気をさして僕の元を去るのではないでしょうか。(クリエイターやスタッフの皆さんも初期から今に至るまで、長いお付き合いをさせていただいている方々がほとんどです。)
Dを去ることも、活動を止めることも、決めるのは僕ではなく皆さんそれぞれです。
僕はどんな理由であれ、個々の意思を尊重していますので。
がんじがらめの鎖で繋いだりすることもなく、メンバーそれぞれに自由な意思があります。
それでもお互いが自由意志によって同じ空間にいることを望んでいるというのは何よりの答えかと思います。
ただし、僕自身、自分の裏方の姿を皆さんに見せたいわけでも、それを伝えたいわけでもないんです。
それがどんな内容であれ、何事も一度決めたことを真面目にこなすというのは、如何なる職業においても大前提にありますから。
ただDはこのメンバーの誰ひとりが欠けてもDとして存続できません。
バンドは一心同体であるべきです。
維持していくには、それぞれの力が必要です。
自分が担った仕事を的確に終え、先へ先へ駒を進めていく必要があります。
仕事をすれば休息も必ず必要になってきます。
休みなく働き続けることができる人なんて存在しないです。
休む間も許されないのであれば死んでしまうでしょう。
メンバー各々のソロやサポート、主催など、自分の意思で仕事を選ぶことは、結局のところすべてDへと還元されるものなのです。
各自が働くということは、自分の為であり、また仲間であるメンバーの為でもあります。
自分だけを好きなだけではバンドは続きません。
周りへの愛がなくても綺麗事だけでもバンドは続きません。
努力を怠れば、それは刃となって自分に襲い掛かります。
必死になって頑張ることは格好悪いでしょうか?
僕はそう思わない。
大事なものを守り続けるには、無傷ではいられません。
見えない敵に立ち向かう勇気がない者は敗れ去るのみ。
それでも僕らを信じ、共に未来への航路を切り開きたいと思う人はどうか着いてきてください。
僕にはDとしても浅葱としても、まだまだ観せたい世界があります。
まずは浅葱ソロとして完成させた究極の和の世界「斑」を堪能してください。
総勢約40人の豪華ゲストメンバーの音もまさに極みです!
「和」ということで浅葱パッケージの「あきたこまち」も発売することになりましたが、発売期間第一弾は1/31までなので、迷っている方はお早めにご注文くださいね!
予想を上回るご注文を頂いており、大変嬉しく思います。
これ実は10年くらい前からやりたいなと思っていたことなので、念願がかなってとても幸せです!
自分でお米買う時も絶対「あきたこまち」です、洗う時間を短縮させるために無洗米ですけどね(笑)。
秋田の名水で育ったお米はふっくらしていて旨味もたっぷり含んでいるので、是非美味しく食べてください!
それから全曲の歌詞が古語なので、avexにお願いして歌詞カード以外に別途、意訳も入れさせてもらいました。
これはCDを手にとってくださった方全員に、気軽に歌詞の意味合いを知っていただく為のものです。
もし曲を気に入ってくれたとしても、歌詞を理解するのに辞書を片手に調べなければならないのでは疲労困憊してしまいますので。
また各媒体でもインタビューを受けているので、お時間が許せば是非読んでいただきたいです。
これは余談になりますが、先日とあるライターさんに「なぜこのタイミングで、アルバムの最後に自分の死を彷彿させる曲を書いたの?」と訊かれたのですが、有難いことにその質問に対して答えるべき答えが見つかりました。
自分が死んでしまっては死はおろか、もはや何一つ書くことは適いません。
またほとんどの人は自分の正確な死期を知ることなく亡くなります。
笑って楽しく過ごしていても突然死や事故死などが起こり得ないとは言い切れませんので。
だから生きているうちに自分の死生観を伝えたかったのです。
生と死はいつも隣り合わせ。
だから常に自分は自分らしくあるべきなのです。
いつ消え去っても音楽人生に悔いを残したくないという思いから、僕は生きながら自分の死を描くのでしょう。
自分の領域は何人たりとも穢すことはできない、それが僕の思い描く自由な世界だと思うから。
そしていつものようにパンフレット用にも全14曲分のセルフラーナーノーツを書き下ろしています。
ですが、ライトに聴いてくださるのもディープに聴いてくださるのも楽しみ方は自由です。
それでも僕の曲に対する根底まで知りたい人はじっくりと読んでほしいです。
CDに封入されている歌詞と意訳は如何せん文字が小さめなので、デザイナーさんと相談して今回はパンフレットにも観やすい構図で配置してもらいました。
これでコア層の方は歌詞と意訳を見比べる必要なく、パンフレットで存分に世界観に浸ることができるのではないでしょうか。
人生初のソロのワンマンツアーですし「斑」の楽曲すべてが初披露となるので、やや緊張を拭えないのですが、気持ちを引き締めて楽しめるといいなと思っています。
ツアーサポートメンバーは既に発表されていますが、Gu.とDr.にDのHIDE-ZOU君、HIROKI君、そしてもう一人のGu.にMiA君、Ba.に亜季君を迎えました。
このメンバーでライヴをするのは初ですが、どんなステージになるのか楽しみです。
ちなみにヒデゾウ君はDでいつも僕の右側(下手)にいてくれるので、ソロのサポートでも下手側になります。
その方が落ち着くので(笑)。
ライヴにはライヴでしか観られない瞬間があるので、決して見逃さないでくださいね!
それにしても、ついこの間お正月だった気がするのですが、あと数日で2月になりますね。
るいちゃんもソロとしてバースデーワンマンがあったり、続いて3月にはツネもバースデーイベントを切りました。
僕のソロを含め活動は違っても、それぞれがDの15周年の一環として動き出します。
自分の人生で15年という長い年月を続けられるバンドはDだけでしょう。
叶うならば16年目、17年目と、またみんなと笑顔で過ごせるように、今を精一杯頑張りますね!
つい先日もDを古くから知る関係者と近況や15周年について話す機会があったのですが、今も昔もDのファンはとにかく良い子が多いよね!と言われました。
僕はまさにその通りなんです、と答えてとても誇らしげな気持ちになりました。
いつも応援、ありがとうございます。皆さんは僕の誇りです!
すべての人へ心からの感謝を込めて!


ASAGI